アトリビューション分析って何?考え方やモデル・メリットまで徹底解説! - (株)GMSコンサルティング
アトリビューション分析って何?考え方やモデル・メリットまで徹底解説!

アトリビューション分析って何?考え方やモデル・メリットまで徹底解説!

2022.2.21

アトリビューション分析という言葉を聞いたことはあるけれど、意味がよく分からないという方は多いでしょう。意味は知っていても、マーケティングにどのように活かせば良いのか分からないという場合もあります。こちらでは、アトリビューション分析の内容をはじめ、特徴、分析モデルについて解説します。Google広告における設定方法についてもご紹介するので、参考にしてください。


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1.アトリビューション分析とは?

 

アトリビューション分析とは、マーケティング効果を測定する分析手法のひとつです。いくつかの代表的な型(モデル)があり、集客や顧客に対する方針を定めるための分析を行うことを「アトリビューション分析」と呼んでいます。

 

 

2.アトリビューションとは?

 

 

アトリビューションとは、コンバージョンまでの経路のうち、ユーザーと直接繋がった接点だけを評価するのではなく、コンバージョンに至るまでに、ユーザーが通過した複数の接点も評価するという考え方です。複数の接点とは、さまざまな広告やメディア、展示会などの貢献度などを指し、アトリビューションの評価を基に、最適な予算配分ができるように活用します。アトリビューションは間接効果とも呼ばれます。

 

 

2-1 アトリビューションについて

 

間接効果に対して直接効果という言葉があります。直接効果とは、最終的にコンバージョンを獲得した広告を評価するという考え方です。間接効果とは、直接コンバージョンには至っていないものの、コンバージョンに至るまでの経路で接触した広告の効果を指します。

 

例えば、ユーザーがいくつかのディスプレイ広告で商品が気になり、最終的にリスティング広告で商品を購入したとしましょう。この場合、直接効果はリスティング広告になります。しかし、ユーザーの興味や関心を引き出し、最初の入口となったのはディスプレイ広告でした。ただし、ディスプレイ広告は、サイトを閲覧しただけでコンバージョンに至っていないので直接効果にはカウントされません。この場合のディスプレイ広告は、成果に至るまでのすべての接触履歴に含まれるので「間接効果」として評価されます。

 

アトリビューション分析は、マーケティングにおいて単体の広告という視点だけではなく、マーケティング全体を最適化したい場合に利用されます。アトリビューション分析をすることによって、直接効果・間接効果のそれぞれにあたる広告が自社に貢献しているのかどうかを正しく判断し、予算を最適に配分することが可能になります。

 

 

2-2 メリット

 

ユーザーの直接成果がリスティング広告だったとしても、商品名やイメージを知らなければ検索することはありません。つまり、リスティング広告に至るまでにCMで見る、SNSで発見する、展示会に行く、ディスプレイ広告を見るなどの行動を起こしているケースがほとんどです。

 

アトリビューション分析の考え方が広まる以前は、最後のリスティング広告だけが評価されるのが当たり前でした。しかし、アトリビューション分析の考え方が広まったことで、直接成果につながったものだけではなく、間接的にユーザーに接触していた媒体の貢献度を反映させることで、マーケティング予算やリソースの配分を最適化することが可能になりました。

 

 

2-3 直接効果との考え方の違い

 

直接効果と間接効果を図で考えてみましょう。下図のようなケースの場合、直接効果は最終的な成果に至ったリスティング広告のみが評価されます。間接効果では、直接的に成果に結びついたわけではないユーザー流入経路・媒体も評価をします。このように直接効果と間接効果は、評価の基準が全く異なるものです。アトリビューション分析では、ラストクリックの広告でコンバージョンに至ったのは、その前の「アシストクリックがあるからこそ」という関係性を重視します。

 

直接効果

 

 

間接効果

 

 

アトリビューション分析の考え方

 

 

 

3.アトリビューション分析の5つのモデル

 

アトリビューション分析において、各接点の評価方法には5つの基本モデルがあります。各基本モデルの特徴についてそれぞれご紹介します。

 

 

3-1 ラストクリックモデル

 

 

直接成果に結びついた最後の接点のみに貢献度合いを100%割り当てるモデルです。結果的に、アトリビューション分析を行わない場合と同じになります。コンバージョンに最も近い広告接点を評価するので、費用対効果が合わせやすく、最も慎重なアトリビューションモデルといえるでしょう。キャンペーンやイベントなど、短期間のサイクルで完結するビジネスモデルに向いています。

 

 

3-2 ファーストクリックモデル(もしくは接点)

 

 

ラストクリックモデルの逆で、成果に結びついたユーザーが最初に接点を持った広告のみに貢献度合いを100%割り当てるモデルです。まだ認知の薄い新しいユーザーと接点を持てるモデルなので、ブランド認知を目的とした広告やキャンペーンの分析によく使われます。広く消費者に認知してもらうには、どのようなメディアやキーワードが効果的であるのかを測るというケースにも効果的です。

 

 

3-3 均等配分モデル

 

 

コンバージョンに至ったユーザーが通過したすべての接点に、貢献度を均等に割り当てるモデルです。5つのモデルの中で最も使いやすく、ビジネスモデルで最も使われますが、本当にその接点が必要なのか判断することが難しいこともあります。

 

 

3-4 減衰モデル

 

 

コンバージョンに至ったユーザーが通過したすべての接点のうち、コンバージョンに近いものにより高い貢献度を割り当てるモデルです。ラストクリックに重点を置きつつ、コンバージョンに近いほど、貢献度を多く割り当ててくれるため、比較的慎重なアトリビューション分析といえるでしょう。ラストクリックモデルと同じように、キャンペーンやイベントなど、短期間のサイクルで完結するビジネスモデルに向いています。

 

 

3-5 接点ベースモデル

 

 

最初、途中、最後のタッチポイントの重みを変えて、貢献度を割り振るモデルです。最初と最後に接点をもった広告に対して比重を重くして、40%ずつ割り当て、残りの20%は中間接触の広告へ均等に割り当てるのが基本となっています。上記の例は、中間接触の広告が2つなので10%ずつ割り当てています。中間接触の広告が4つの場合は5%ずつ割り当てるという具合です。均等配分モデルと同様にすべての接点を評価しますが、初回接点と最後の接点に貢献度を多く割り当てることから、コンバージョンに至る入口と出口をバランスよく評価することが可能になります。

 

 

4.なぜアトリビューション分析をするのか?

 

 

アトリビューション分析を行う一番の目的は、広告費用の配分を正しく行うためです。予算には限りがあります。限られた予算内で広告の成果を出すには、各広告への予算配分が重要です。アトリビューション分析によって得られる効果や、現代のウェブマーケティングに活用していく方法についても確認してみましょう。

 

 

4-1 アトリビューション分析によって得られる効果

 

アトリビューション分析によって、広告の特性・役割が分かることで、使い分けが適切に行えるようになります。有効な広告を組み合わせ、出稿すべき媒体や狙うべきターゲットを決められるようになるでしょう。成果を減らさないために、コストの削減や予算を削るべき広告を見つけるのにも役立つので、コストの配分が最適に行えるようになります。

 

また、「費用対効果を上げるために何をしたら良いか分からない」「広告拡大したいけれど媒体の種類が多くて効果がつかめない」などのWebプロモーションでの獲得が頭打ちになっているときの原因は、間接効果を把握していないケースが多いものです。間接効果を把握しないまま広告運用を行うと、予算の精度が低くなります。広告全体を把握したバランスの良い広告運用が行えるようになれば、ラストクリックの広告が過大評価されて予算配分が多いのに広告効果が出ない、というようなアンバランスさから抜け出せるでしょう。

 

 

4-2 現代のウェブマーケティングでの活用

 

過去には通販・ECが伸びる過程で、コンバージョンに直結する広告でないと意味がないというような考え方が主流でした。しかし、コンバージョンに直結する顕在層向けの広告は、どの企業も獲得したい層であるため、競争が激化しています。これからはコンバージョンに直結しない潜在層または検討層向けにリーチしていくことが、ウェブマーケティングにおいて重要になってきます。

 

また、近年のウェブ広告は第三者配信などが浸透し、複数の経路を一括で管理していくことが主流です。Googleも自社取扱の各広告メニューやアクセス解析ツールのGoogle Analytics(グーグル アナリティクス)などをすべて統合していく意思を表明しています。これからは、複数のメディアを横断し、広告の配信から効果測定までを一元管理してマーケティングに活かしていく流れになっています。

 

 

5.Google 広告におけるアトリビューション分析

 

 

Google 広告では、コンバージョントラッキングのアトリビューションモデルを変更することで、効果測定やスマート自動入札に活用できます。Google 製品においても、比較的手軽にアトリビューション分析に取り組める環境があるので、こちらではGoogle 広告におけるアトリビューション分析について解説します。

 

 

5-1 Google 広告

 

Google 広告では、「検索キャンペーン」「ショッピングキャンペーン」「動的検索広告」などの検索広告を対象に、検索アトリビューションという名称で、アトリビューションレポートを確認できます。アトリビューションレポートの中の「アトリビューションモデリング」から、現行のモデルとその他のモデルの違いで、成果にどのような影響を与えるのかを確認することが可能です。

 

アトリビューションレポートを表示する方法

1:Google 広告アカウントにログイン

2:右上にあるツールアイコン「ツール」を選択

3:「検索アトリビューション」をクリック

4:「アトリビューションモデリング」を選択

5:比較したいアトリビューションモデルを選択

 

比較する階層は、アカウント・キャンペーン・広告グループ・キーワード・マッチタイプ・デバイスが選択可能です。

 

また、先にご紹介した「ラストクリックモデル」「ファーストクリックモデル」「均等配分モデル」「減衰モデル」「接点ベースモデル」の5つのアトリビューションモデル以外に、利用可能な「データドリブンアトリビューション(以下DDA)」があります。

 

5つのアトリビューションモデルでは、あらかじめ割合を決めたうえで成果を割り振っていましたが、DDAでは機械学習を利用した動的なアルゴリズムに基づいて貢献度が割り当てられます。しかし、「過去30日間に15,000回以上のクリックと、各コンバージョンアクションに600回以上のコンバージョンが必要」という利用条件が必要です。利用のハードルはやや高めではありますが、十分なデータが集められるオリジナルのモデル利用が可能になります。

 

Google広告について詳しく知りたい方はこちら

 

 

 

5-2 Google アナリティクス

 

無料のアクセス解析ツールとして活用されているGoogle アナリティクスにも、アトリビューション分析機能があります。Google 広告のアトリビューションモデルとは異なり、カスタムパラメータを設定することで、自然検索なども含めたGoogle 広告以外のチャネルを含めたクロスチャネルでの分析が可能です。分析によって、広告戦略で活用しているすべてのプラットフォームを横断した再配分が可能になります。

 

Google広告とGoogleアナリティクスの連携方法はこちら

 

 

 

6.まとめ

 

アトリビューション分析の内容や特徴、分析モデルについて解説しました。アトリビューション分析によって直接成果につながったものだけではなく、間接的にユーザーに接触していた媒体の貢献度が分かります。予算配分の最適化にぜひご活用ください。


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