Google広告の効果を最大限引き出すには、ターゲットを絞り込むマーケティング戦略、いわゆるターゲティングが不可欠です。
「カスタムアフィニティ」および「カスタムインテント」は、そのターゲティングを応用した機能のことですが、「そもそも違いがわからない」「どう活用すればいいの?」といった疑問を抱く担当者の方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、2つの機能の違いとWEBマーケティングに役立つ効果的な活用方法をわかりやすくご紹介していきます。
目次
カスタムアフィニティについて
カスタムアフィニティとは、Google広告の管理画面内で実装されているターゲティングツールです。
カスタムアフィニティとはどのような機能なのか、その仕様を把握し、広告の成果につなげるためにも、まずアフィニティカテゴリを理解することから始めましょう。
ここでは、アフィニティカテゴリとカスタムアフィニティについて、設定するメリットもあわせて解説します。
アフィニティカテゴリとは?
アフィニティとは「親和性」や「相性」という意味を持つ英語で、「アフィニティカテゴリ」とは、ある商品ジャンルに興味がある人物を特定することができるカテゴリを指します。
ユーザーが閲覧したサイトの履歴に基づき、「何に興味があるのか」をカテゴライズするための機能です。
趣味やライフスタイルなど、ユーザーの関心を分類したカテゴリであり、どのような人かを示す「属性」を表します。
【アフィニティカテゴリ】
- スポーツ、フィットネス
- テクノロジー
- ニュース、政治
- フード、ダイニング
- メディア、エンターテインメント
- ライフスタイル、趣味
- 乗り物、交通機関
- 家庭、園芸
- 旅行
- 美容、健康
- 買い物好き
- 銀行、金融
例えば、「スポーツ、フィットネス」なら、ゴルフファン、サッカーファン、テニスファン、ラグビーファン、というようにカテゴリごとに項目が分かれており、幅広いターゲティング設定が可能です。
ただし、特定された商品にではなく、「ジャンル全般に興味がある」というレベルになります。
カスタムアフィニティとは?
カスタムアフィニティとは、アフィニティカテゴリを自身でカスタマイズできる機能のことです。
Google広告では、アフィニティカテゴリがデフォルトで登録されているものの、希望にぴったり合うジャンルがないことも多々あります。
例えば「自動車ファン」というアフィニティカテゴリを選択した場合、ターゲティングされるユーザーの興味は国産車かもしれませんし、外車またはクラシックカー、スポーツカーなどの可能性もあります。
このように、デフォルトではやや粗い分類になりがちなので、よりターゲットを細分化したいときに有効なのが、カスタムアフィニティです。
任意のキーワード・URL・アプリ・地域などを指定し、絞り込む対象を自身で作成できるので、どんなニッチなジャンルでも、その商品やサービスに最適なターゲティングが可能です。
カスタムアフィニティを設定するメリット
カスタムアフィニティの設定は、特定のカテゴリに興味・関心を抱くユーザーに向けてGoogle広告を配信できます。
そのため、潜在層へのアプローチがしやすくなるのが大きなメリットです。
特に、ターゲティングによる商品やサービスの認知度の獲得・向上に効果を発揮します。
アフィニティカテゴリではリーチできないユーザーにも、カスタムアフィニティを利用すれば柔軟に設定・アプローチできるので、配信の最適化につながるでしょう。
結果、ターゲットは広告が視界に入るごとに商品を意識するようになり、購買意欲を自然と高めることができるため、商品や企業のブランディングにおすすめです。
カスタムアフィニティとの違いーカスタムインテントについて
カスタムアフィニティと似た機能に「カスタムインテント」があります。
Google広告配信の効果を高め、サイトの収益化を図るのに有効な機能の1つなので、カスタムアフィニティとともに理解しておくとWEBマーケティングに大いに役立ちます。
アフィニティとインテントでは配信するユーザー層が変わってくるため、2つの違いをきちんと把握しておきましょう。
インテントとは?
インテントとは、「意図」「没頭している」などの意味を持つ英語で、Google広告の「インテント」は、購買意欲の高いユーザー層を意味します。
例えば、特定の商品、または同ジャンルの商品の口コミを頻繁にチェックしていたり、ECサイトでその商品をカートに入れたり、前向きに購入を検討しているとわかる行動をしているユーザーがいるとします。
インテントは、そのような購買につながるユーザーに対してアプローチできるターゲティング機能です。
なお、インテントの対象となるカテゴリは事前に定義されています。
カスタムインテントとは?
インテントで用意されているカテゴリに該当するものがなく、細かなターゲティングできないときに有効な機能が「カスタムインテント」です。
ターゲティングも進化し、カテゴリの種類が大幅に増えたといっても、商材にぴったり合うカテゴリが存在しないケースもあります。
カスタムインテントなら、カスタムインテント同様、キーワードやURLを指定することで独自に詳細をカスタマイズできるので、自社の商材を積極的に見ているユーザー層に絞ってアプローチが可能です。
例えば、競合企業の商品名などを指定してターゲティングも可能なので、商品やサービスの販売目的に活用すれば高い効果が見込めます。
カスタムアフィニティとカスタムインテントの違いとは?
どちらもGoogle広告が提供するターゲティング機能です。
対象商品・サービスに関連するキーワード、サイトのURLを登録するのはどちらも同じですが、配信対象となるユーザー層が異なります。
カスタムアフィニティの対象が興味や関心、習慣を持つユーザーであるのに対し、カスタムインテントは、購入する意欲が高いユーザーをターゲティングします。
つまり、カスタムアフィニティは、長期的かつ漠然と興味を持つ潜在層へ向けての広告配信が可能となり、認知度を高めるアプローチに適しています。
一方のカスタムインテントは、商品に強い興味があり、購入に近い段階とみなされる顕在層にアプローチできるので、商品の販売や資料請求などの目的に成果をもたらすでしょう。
【カスタムアフィニティ】カスタム オーディエンスとは?
カスタムオーディエンスは、かつて独立したオーディエンスだったカスタムアフィニティ、カスタムインテントが統合されてできた新しい機能です。
ユーザーの興味・関心と購買意欲の2つのターゲティング機能が一本化されたことで、一括管理がしやすくなり、広告主のコスト負担が大幅に軽減されました。
では、カスタムオーディエンスでできること、仕組みなどを確認しておきましょう。
カスタム オーディエンスでできること
カスタムオーディエンスを使えば、以下のオーディエンスリストの一括管理が可能です。
- カスタムアフィニティ
- カスタムインテント
- カスタムターゲティング
- リマーケティングテスト
- 類似オーディエンス
- 外部ツールオーディエンス
統合される前は、各ツール用にオーディエンスを設定する必要がありましたが、カスタムオーディエンスが用いられるようになり、シンプルになったことでわかりやすくなりました。
また、ターゲティングリストが自動作成される機能が追加され、ターゲティングリスト管理が不要になったり、「AND設定」機能により詳細なターゲットの絞り込みができたりと、ターゲティングしやすくなった上に、手間や管理コストの削減にもつながっています。
カスタムオーディエンスの仕組み
カスタムオーディエンスは、GoogleがWEBサイトやYouTube、アプリなど外部データをもとにユーザー情報をまとめたリスト、「オーディエンスリスト」に基づきターゲティングします。
オーディエンスリストには、年齢や性別、閲覧するコンテンツ、検索履歴などGoogleサービス上で得た情報が蓄積されており、ユーザーの興味・関心などが分析され、定義されています。
このように、AIにより導き出された情報を利用すれば、精度の高い配信とアプローチが可能ですが、さらに対象を絞り込みたいときに便利なのが「カスタムオーディエンス」です。
設定できるのは「キーワード」と「URL・アプリ・場所」の2パターンあります。
キーワードはGoogleの検索機能でユーザーが検索したキーワードに基づきターゲティングを行い、興味・関心・購買意欲の高いユーザー、またはいずれかのキーワードで検索したユーザーへのリーチが可能です。
一方、URL・アプリ・場所を指定した場合は、それぞれ関連するユーザーをオーディエンスリストに加えることで、キーワードだけではカバーしきれないユーザーにも広告表示ができます。
キーワードを増やさずとも配信対象を拡張できるため、よりたくさんのユーザーにターゲティングできる仕組みとなっています。
カスタムオーディエンスを利用できる広告キャンペーンは?
カスタムオーディエンスを利用できるのは以下の3種類です。
・ディスプレイキャンペーン
Googleが持つサービスと提携先のサイトやアプリで広告配信ができるキャンペーン
・動画キャンペーン
YouTube上に広告配信されるキャンペーン
・ファインドキャンペーン
Googleの運営サイト(Google Discover、YouTubeなど)やアプリに広告を配信できるキャンペーン
カスタムオーディエンスはすべてのキャンペーンに適応できるわけではありません。
広告の目的や内容に合わせて最適なキャンペーンを選びましょう。
【カスタムアフィニティ】カスタムオーディエンスの設定方法
カスタムオーディエンスの設定可能な項目は、キーワード、URL、アプリ、場所の4要素です。
これまでのカスタムアフィニティ、カスタムインテントと同じように簡単に設定することができます。
カスタムオーディエンスを設定する方法はいくつかありますが、ここでは、「キャンペーン内で設定する」「オーディエンスマネージャーから設定する」の2通りの方法をご紹介します。
1.キャンペーン内で設定する方法
- カスタムオーディエンスを設定する広告グループを選び、「オーディエンス」をクリックする
- 鉛筆のマークの「オーディエンス編集」を選択して設定画面を表示する
- 「閲覧」タブをクリックし「お客様のカスタムオーディエンス」を選択する
- 「+カスタムオーディエンス」をクリックして新規作成する
- オーディエンス名を入力して、ターゲティングしたいユーザーを選択し、任意のキーワードを設定する
- 必要に応じて下部の拡張したい項目をクリックし、URL・アプリ・特定の場所を入力する
- 表示された推定表示回数とユーザー属性を確認する
- 「ユーザー層を保存」をクリックして設定を完了する
2.オーディエンスマネージャーから設定する方法
- Google広告の管理画面を開き、右上にある「ツールと設定」をクリックする
- 「共有ライブラリ」タブから「オーディエンスマネージャー」をクリックする
- 「カスタムセグメント」を選択したら、青のプラスボタンでカスタムオーディエンスを作成する
- 作成画面にてセグメント名を入力する
- キーワード・URL・アプリ・場所を入力してターゲティングを設定する
- 右下にある「保存」をクリックして設定を完了する
【カスタムアフィニティ】カスタムオーディエンスを効果的に使う方法
ここから、以下のカスタムオーディエンスを効果的に使う方法について解説します。
- 目的別にターゲットを分けて作成する
- ユーザーが検索したキーワードの意図を考える
- AND条件ではなくOR条件であることを覚えておく
より細かくターゲティングできるカスタムオーディエンス機能ですが、効果を最大限引き出すには基本的な利用方法を理解しておくことが大切です。
目的別にターゲットを分けて作成する
Google広告は出稿して終わりではなく、その成果をしっかり分析して次の広告に活かすことが重要です。
特にカスタムオーディエンスを活用すると、キーワード・URL・アプリ・場所を指定することで詳細な絞り込みが可能なので、コンバージョン率の向上も見込めます。
カスタムオーディエンスの効果を最大限高めるためにも、目的別にターゲットを分けて作成し、どのターゲットに効果があったのかを明確にしておくとよいでしょう。
目的別に分けておかないと、配信後にどの広告でどのような結果が出たのかわからず、どう改善すべきかも見えてきません。
広告の出稿は、効果の出方を見ながら調整していくことがポイントなのです。
ユーザーが検索したキーワードの意図を考える
登録したキーワードを検索する理由は人それぞれです。
例えば「マンション」というキーワードを検索しているユーザーは、「マンションを買いたい」「マンションを売りたい」「マンションを借りたい」「マンション経営を検討している」など、その目的は1つではありません。
そのため、広告運用では、ユーザーが検索したキーワードの意図を考えてターゲティングを設定することが成果につながるポイントとなります。
さまざまなニーズが混在するようなキーワードでは、本当に見てほしいユーザーに配信できない可能性があります。
絞り過ぎにも注意が必要ですが、確度の高いターゲティングにするためにも、ユーザーの心理を紐解き、ユーザー像を明確にすることが大切です。
AND条件ではなくOR条件であることを覚えておく
カスタムオーディエンスを利用する際に勘違いしやすいのが、「キーワード・URL・アプリ・場所」を指定してターゲティングできるのは、「AND条件ではなくOR条件である」という点です。
例えば「キーワード」と「URL」を設定した場合、その2つの条件に当てはまる特定のユーザーに広告が配信できるわけではありません。
指定したキーワードを検索したユーザー、または(OR)、指定したURLの類似WEBサイトを見ているユーザーに広告が配信される仕組みです。
つまり、各々の設定に当てはまるユーザーがオーディエンスリストに追加されるイメージです。
このように、カスタムオーディエンスとは、OR条件でオーディエンスリストが作成されることを覚えておきましょう。
まとめ
カスタムアフィニティを使えば、狙いたいユーザー層へのアプローチがしやすくなり、Google広告の効果を最大限引き出し、商品やサービスの認知度アップに大いに役立ちます。
カスタムインテントとは配信するユーザー層が異なるため、その違いをきちんと理解しておくことが大切です。
キャンペーン内やオーディエンスマネージャーから設定できますので、ここで紹介した設定方法や効果的に使うコツなどを参考に、ターゲティング機能を上手く活用しながら費用対効果アップを狙いましょう。
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