画像や動画を用いた広告を作成する際に、「もっと伝えたいことがある」「商品の魅力をあらゆる角度で伝えたい」と考える担当者は多いでしょう。そこで、おすすめしたいのがカルーセル広告です。今回は、カルーセル広告の特徴や掲載可能な媒体、成果を出す秘訣まで、わかりやすくご紹介します。ぜひ参考にしてください。
目次
1.カルーセル広告とは
カルーセル広告とは、1つの広告に対して、スライド方式で複数の画像や動画を表示できる広告フォーマットです。カルーセルは、回転台や回転木馬などの意味を持つ英単語で、複数の画像や動画が回りながら表示されることから、その名が付きました。ユーザーは、モバイルであればスワイプ、パソコンであれば左右矢印をクリックすることで、次の画像や動画を確認できます。
2.カルーセル広告活用方法
一般的にどのように広告として利用されているのか、活用事例をチェックしてみましょう。
2-1 カタログとして使用する
複数画像を使用し、カルーセル広告を「商品カタログ」のように仕立てられます。ユーザーの好みや目的はさまざまです。複数の商品を紹介することで、ラインナップの中から、ユーザーの好みに合ったものを見つけてもらえます。また、複数のクリエイティブを利用することで、1つの画像では伝えきれない色柄のバリエーションなども伝えることが可能です。
2-2 サービスの使い方を紹介
画像や動画を複数掲載できることで、商品の使い方やサービスの流れを見せられます。例えば、実際の商品の使い方や使用感を、具体的に順を追って見せられます。また、組み立てが必要な商品は、組み立て方法や手順を、画像や動画を使って丁寧に説明可能です。サービスなどの無形商材でも、申し込みからサービスを受けるまでの流れなどを細かく説明することで、ユーザーの安心感に繋がるでしょう。
2-3 ストーリー仕立ての広告配信
ユーザーは、画像や動画を1枚ずつスワイプまたはクリックするので、広告に一貫した流れを作り出せます。流れを利用し、顧客の悩みや解決方法をストーリー仕立てにして、広告にすることが可能です。例えば、商品を購入することで悩みを解決できる点を強調したい場合は、以下のようなストーリーで商品購入を促進できます。
1.消費者が抱えている悩みを提示する
2.悩みの解決に役立つ商品があることを提案する
3.商品の商品写真を掲載する
4.商品で悩みをどのように解決できるかの説明する
5.商品の購入先へリンクする
2-4 セールスポイントを1つずつ紹介
通常のバナーの場合、1つの画像にいくつかの訴求をまとめるのが一般的です。しかし、カルーセル広告は、複数枚のクリエイティブを利用することで、商品やサービスの機能をそれぞれの画像や動画で説明できます。例えば、5枚の画像を利用する場合は、5つの視点から細かくセールスポイントを訴求可能です。また、画像を別の商品にすることで、5つの商品の機能をそれぞれ説明できます。
3.カルーセル広告を出稿できる媒体
カルーセル広告は、さまざまな広告媒体で利用可能です。こちらでは、利用可能な5つの媒体について、それぞれの配信面をご紹介します。
3-1 Google広告
Google広告では、カルーセル形式で広告配信ができる「ファインドキャンペーン」があり、配信できます。配信面は以下のとおりです。
・GoogleのDiscover
・YouTubeホームフィード・次のおすすめフィード
・Gmail
3-2 Facebook広告
Facebook広告は、以下のようにカルーセル広告の配信面が多いのが特徴です。
・Facebookニュースフィード
・Facebook Marketplace
・Facebook動画フィード
・Facebook右側広告枠
・Facebookストーリーズ
・Facebook検索結果
・Facebookインスタント記事
・Audience Networkネイティブ、バナー、インターステシャル
・Messenger 受信箱
3-3 Instagram広告
Instagram広告では、投稿とストーリーズでカルーセル広告を配信できます。
投稿の配信面
・Instagramフィード
・Instagram発見タブ
ストーリーズの配信面
・Instagramストーリーズ
3-4 LINE広告
LINE広告の配信面は、以下のとおりです。
・LINE NEWS
・LINE タイムライン
・LINE ポイントクラブ
3-5 Twitter広告
Twitter広告では、2019年6月にカルーセル広告の提供を一旦終了しましたが、2020年から再び開始しました。配信面は、以下のとおりです。
・Twitter ホームタイムライン
・Twitter 検索結果画面
・Twitter プロフィール
・Twitterオーディエンスプラットフォーム
4.各媒体のカルーセル広告の設定方法
入稿する際に、知っておきたい各媒体別の設定方法・手順・入稿規定についてチェックしてみましょう。
4-1 Google広告
Google広告では、広告グループを作成し、プラスボタン(広告を作成)をクリックする際に、「ファインドカルーセル広告」を選択し、画像とテキストを規定通りに入稿すれば、設定完了です。入稿規定は以下のとおりです。
4-2 Facebook広告
Facebook広告では、以下の手順で設定します。
1.「広告セット」階層の「配置」で「手動配置」をオンにする
2.配信したいプラットフォームにチェックを入れ、配信したい面を選ぶ
3.「広告」階層の「広告設定」内にある「形式」の「カルーセル」を選択する
後は、画像とテキストを規定通りに入稿すれば、設定完了です。入稿規定は以下のとおりです。
4-3 Instagram広告
Instagram広告では、以下の手順で設定します。
1.「広告セット」階層の「配置」で「手動配置」をオンにする
2.配信したいプラットフォームをInstagramのみにチェックし、配信したい面を選ぶ
3.「広告」階層の「広告設定」内にある「形式」の「カルーセル」を選択する
後は、画像とテキストを規定通りに入稿すれば、設定完了です。2のプラットフォームをチェックする際に、Instagramにチェックを入れただけの状態だと「Instagramフィード」、「Instagramストーリーズ」の2か所に配信されることになるので注意しましょう。入稿規定は以下のとおりです。
4-4 LINE広告
LINE広告では、以下の手順で設定します。
1.カルーセル広告を配信したいキャンペーンの広告グループで「広告作成」をクリックする
2.広告作成画面に移るので、「広告フォーマット」で「カルーセル」を選択する
後は、画像とテキストを規定通りに入稿すれば、設定完了です。LINE広告の場合、入稿した後はFacebook広告のように、カルーセルカードの順番を入れ替えられません。入稿の際は、カルーセルカードの順番を間違えないように注意しましょう。入稿規定は以下のとおりです。
4-5 Twitter広告
Twitter広告では、以下の手順で設定します。
1.Twitter広告の広告管理画面である「Twitter広告マネージャー」を開く
2.「クリエイティブ」「ツイート作成画面」「カルーセル」の順に選択する
3.テキストの作成、クリエイティブの追加を行う
4.カードの種類を「ウェブサイト」「アプリ」「カードなし(行動喚起なし設定)」から選択する
5.ツイート作成画面の右上にあるツイート」を選択して公開する
入稿規定は以下のとおりです。
5.カルーセル広告で成果を出す秘訣
成果を出すためにはいくつかコツがあります。こちらでは、誰でもすぐにできる、2つのコツについてご紹介します。
5-1 1枚目のコンテンツで惹きつける
カルーセル広告においては、1枚目の画像がかなり重要です。なぜなら、1枚目でユーザーを惹きつけられなければ、2枚目以降を見てもらえる見込みがなくなるからです。つまり、その後、興味を持ってスワイプしてもらえるかどうかは、1枚目のコンテンツに掛かっています。興味を持ってもらえるようなコンテンツや、続きが見たくなるようなストーリーの起点になるコンテンツ選びが大切です。
5-2 スワイプを促すイラスト
いくら魅力的なコンテンツを複数用意しても、ユーザーに気づいてもらえなければ意味がありません。まずは、「スワイプができること」に気付いてもらえるようなクリエイティブの作成が大切ですが、画像スワイプを促すためのビジュアルキュー(矢印マークなど)を、カードの端に設置するのも効果的です。1枚目のコンテンツに魅力を感じたときに、続きがあることに気づければ、2枚目以降も見てもらえる可能性が高まります。
6.カルーセル広告を活用するメリット・デメリット
カルーセル広告を活用することによって、得られるメリット・デメリットについてご紹介します。
6-1 メリット
カルーセル広告を利用して得られる、大きな2つのメリットは以下のとおりです。
6-1-1 興味を惹きやすい
横画面いっぱいに画像や動画を配置できるので、ユーザーを飽きさせることなく引き込めます。また、ストーリー性を持たせた広告配信が可能なので、さまざまな面から商品をアピールできます。複数の画像や動画を利用できることによって、多くの商品やサービスを紹介できます。複数あるクリエイティブの中で、ユーザーの興味を1つでも引ければ、リンク先に飛んでもらえるメリットもあります。
6-1-2 スマートフォンとの相性が良い
スワイプまたはクリックで画像や動画をスライドさせるため、普段からスマートフォンに慣れているユーザーにとっては、簡単で使いやすい動作です。さらに、広告が気にいれば、アプリのダウンロードや資料請求など、タップやクリックすることですぐに次の行動を促せます。カルーセル広告は難しい操作がなく、スマートフォンとの相性が良い広告です。
6-2 デメリット
大きなメリットがある一方で、以下のようなデメリットもあるので、注意が必要です。
6-2-1 クリエイティブの制作コストが増える
カルーセル広告は、2点以上の複数クリエイティブを作成する必要があります。クリエイティブの数だけ、作成に掛かるコストが増えてしまう点がデメリットです。本当に必要なクリエイティブの数を見極め、適切なコストでのクリエイティブ作成が大切です。
6-2-2 キャンペーン目的に制限がある
Facebook広告の場合は、キャンペーン目的に制限があります。キャンペーンを作成する際は、キャンペーンの目的を選択しなければなりません。カルーセル広告を利用する場合は、「エンゲージメント」と「動画の再生数アップ」をキャンペーン目的に設定できません。Facebookで、いいねやシェアなど、企業と一般ユーザーの繋がりを重視するエンゲージメントの獲得や、動画の視聴を目的とする場合は注意が必要です。
7.カルーセル広告の成功事例
カルーセル広告を活用したことによって、広告効果が大幅に改善した2つのケースをご紹介します。
7-1 CTRが2.7倍に改善
日本初のスマートフォン向けフリマアプリ、「フリル(FRIL)」を運営しているFablicは、「カスタムオーディエンス」機能を使用したカルーセル広告を実施したことで、通常広告と比較するとCTR*が2.7倍にもなった成功事例があります。
*CTR:Click Through Rateの略語で、ユーザーに表示された回数(インプレッション数)のうち、ユーザーがクリックした回数の割合を計算したもの。
7-2 CPIが50%改善
誰でも簡単にネットショップが作成できるサービスとして親しまれている「BASE」では、新たに購入者向けのショッピングアプリの展開を始めました。その際に、アプリプロモーションのため、ターゲットを絞ったカルーセル形式の広告を1か月間実施しました。カルーセル広告導入後、CPI*が-50%になるなど、大きな改善が見られました。
*CPI:アプリのインストール1回あたりの単価
8.まとめ
カルーセル広告の内容をはじめ、成果を出す秘訣や活用するメリット・デメリットについて解説しました。カルーセル広告は、複数のクリエイティブによって、ユーザーの興味を惹けるスマートフォン向きの広告方法です。各媒体の設定方法・手順・入稿規定についてもご紹介したので、広告運用の参考にしてください。
私たちは現在の自分に甘んじず、チャレンジをすることで、お客様にプロとしての価値を提供いたします。常に知識・技術をアップデートし、お客様の成長に貢献してまいります。
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