Web広告に携わる方なら、フリークエンシーという言葉を聞いたことがある方は多いでしょう。しかし、意味は分かっていても人に説明できない、どのように活かしたら良いのか分からない方は多いかもしれません。こちらではフリークエンシーの意味や計算方法を解説します。フリークエンシーは広告の効果測定に欠かせない数値です。ぜひ活用して広告効果の最大化に活かしてください。
目次
1.フリークエンシーとリーチの違い
フリークエンシーと混同されやすい言葉に、リーチがあります。フリークエンシー、リーチのそれぞれの意味とフリークエンシーとリーチの違いについて解説します。
1-1 フリークエンシーとは
フリークエンシーとは、直訳すると「頻度」や「回数」を表します。デジタルマーケティングにおいて、Web広告への「接触頻度」を意味します。つまり、1人のユーザーに対して、広告が何回表示されたかを表す言葉です。
例えば、期間を1週間で区切った場合、1人のユーザーに1週間で5回広告が表示されると、フリークエンシーは5です。1人のユーザーに対して、より確実に広告の効果を発揮させたい場合は、フリークエンシーを増やすのが効果的です。
1-2 リーチとは
リーチとは、直訳すると「広がり」「届く距離(範囲)」を表します。デジタルマーケティングにおいては、Web広告への「到達率」を意味します。つまり、広告を見た人数を表す言葉です。
例えば、異なるユーザーに対して広告が2回掲載された場合は、リーチは2です。一方、1人のユーザーが異なるWebサイトで同じ広告を2回見た場合は、リーチは1です。ただし、1人のユーザーがスマホとパソコンなど複数の端末を使っている場合は、リーチ数とユーザー数が異なるので注意が必要です。スマホとパソコンでそれぞれ1回ずつ同じ広告を見た場合は、ユーザー数は1ですが、リーチは2とカウントされます。より多くの人に広告を見てもらいたい場合は、リーチを増やすのが効果的です。
1-3 フリークエンシーとリーチの違い
上記でもご紹介したとおり、フリークエンシーとリーチには大きな違いがあります。フリークエンシーは、1人のユーザーに対して広告が表示された「回数」です。リーチは、広告を見た人や広告が届いた人の「人数」です。全く違う指標ですが、混同しやすいので注意しましょう。
2.フリークエンシー
フリークエンシーやリーチの意味を理解し、それぞれの違いが分かったところで、フリークエンシーについて深堀りしてみましょう。フリークエンシーはどのように求めるのか、適度な回数はどのくらいなのかについて解説します。
2-1 計算方法
フリークエンシーは以下のように、広告の総表示回数である「インプレッション数」を、広告を表示した人数「リーチ数」で割ることで求められます。
フリークエンシー=インプレッション数÷リーチ数
2-2 フリークエンシーキャップ
フリークエンシーキャップとは、フリークエンシーに制限を掛けることを意味します。つまり、1人のユーザーに対して、接触回数が増えないように制限を掛けることを表す言葉です。名称が長いので、「キャップ」と呼ばれることもあります。
例えば、あるキャンペーンでフリークエンシーキャップを1週間に5回と設定したとしましょう。そのキャンペーンにおいて、ユーザーへの広告表示が1週間以内で5回に達すると、それ以降の期間はそのユーザーには広告配信されなくなります。
一般的に人は、何度も同じものを繰り返し見させられると、煩わしさや鬱陶しさを感じます。フリークエンシーキャップは、広告に不快感や嫌悪感を抱かれないために、広告をコントロールする機能です。設定できる項目は以下の3つです。
・階層
キャンペーン・広告グループ・広告など、どの階層を基準とするかを指定する。
・回数
1ユーザーあたりの広告表示の回数上限を指定可能。Google広告では、1〜100万回、Yahoo!広告は1〜100回の範囲で指定可能。
・期間
日単位、週単位、月単位で期間を指定可能。
2-3 最適な回数は何回?
フリークエンシーの最適な回数は何回かと考える方は多いでしょう。結論から述べると、最適な回数はケースによって異なります。
例えば、ユーザーの興味や関心が近い広告であれば、表示回数が多少多くても煩わしさを感じにくいでしょう。場合によっては、興味があって広告をクリックするかもしれません。しかし、動画視聴の際に全く興味のない広告が毎回表示されると、ユーザーは広告に対して嫌悪感を抱くでしょう。このように、フリークエンシーの最適な回数は、広告主の業種、商材の種類、ターゲットによって変わってしまう傾向があります。
3.フリークエンシーが高いときのメリット・デメリット
こちらでは、フリークエンシーが高いときのメリット・デメリットを考えてみましょう。
3-1 メリット
1人のユーザーに対して、何度も広告が表示されると認知効果が高くなります。特に覚える気が無くても、企業名や商品名を覚えてしまうことはよくあるケースです。認知獲得だけでなく、ユーザーに興味や関心がある商材であれば、商品購入や問い合わせに繋がることもあります。
3-2 デメリット
デメリットは、1人のユーザーに対して、何度も広告が表示されることで、不快感や嫌悪感に繋がる可能性があることです。ユーザーがお気に入りのWebサイトや動画を見ている際に、同じ広告が何度も流れてくると、企業や商品に対してネガティブなイメージを持たれてしまう可能性があります。
また、興味や関心がないのに何度も広告表示されることで、インプレッション単価*が高くなってしまう点もあります。また、ユーザーが誤クリックした場合、クリック単価のコストがかかってしまう可能性も考えておく必要があります。広告費用を掛けているのに、嫌悪感を抱かれてしまっては無駄になってしまいます。
*インプレッション単価
広告が1,000回表示されるごとに費用が発生する課金形式
4.フリークエンシーキャップの設定方法と成果の見方
フリークエンシーキャップの設定方法についてご紹介します。代表的な広告媒体であるGoogle広告と、YDA(Yahoo!広告 ディスプレイ広告 運用型)の設定方法と成果の見方について解説します。
4-1 Google広告
Google広告では、ディスプレイキャンペーンと動画キャンペーンで「フリークエンシーキャップ」の設定が可能です。フリークエンシーキャップの設定方法は以下のとおりです。
1:Google広告の管理画面を開く
2:ナビゲーションパネルから「すべてのキャンペーン」をクリックする
3:設定を行いたいキャンペーンを開き「設定」をクリック
(フリークエンシーキャップ設定が出てこない場合はその他の設定をクリック)
4:「フリークエンシーの管理」の項目で、「設定を行う」にチェックを入れる
5:表示回数、頻度(期間)、階層(広告)を入力する
また、Google広告の管理画面で、フリークエンシー数を確認することも可能です。キャンペーン単位の「表示項目の変更」中の「リーチの指標」で、平均表示頻度(ユーザーあたり)にチェックを入れると、フリークエンシー数を確認できます。
Google広告について詳しく知りたい方はこちら
4-2 YDA
YDAのフリークエンシーキャップの設定方法は以下のとおりです。
1:Yahoo!広告の管理画面を開き該当キャンペーンを選択する
2:キャンペーン設定の「編集」をクリックして編集画面に移動する
3:「フリークエンシーキャップ」の項目で「指定する」にチェックを入れる
4:期間・回数・階層を選択、入力して「保存」をクリックする
YDAでは、フリークエンシーレポートを作成できます。レポートの作成方法は以下のとおりです。
1:Yahoo!広告の管理画面を開き レポートを選択する
2:新規レポートを作成 から「フリークエンシーレポート」を選択する
3:表示切替、表示項目、集計期間を指定して「作成」をクリックする
YDAについて詳しく知りたい方はこちら
5.まとめ
フリークエンシーやリーチの意味の違い、フリークエンシーキャップの設定方法を解説しました。フリークエンシーを意識せずに何の対策も行わない場合は、良質な広告を配信しても、広告の無駄打ちになってしまうことがあります。フリークエンシーキャップを利用して、広告効果の最大化を目指しましょう。

私たちは現在の自分に甘んじず、チャレンジをすることで、お客様にプロとしての価値を提供いたします。常に知識・技術をアップデートし、お客様の成長に貢献してまいります。
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