【2024年最新版】FacebookコンバージョンAPIの仕組みや導入方法をわかりやすく解説 - (株)GMSコンサルティング

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2024.8.27

2024.10.3

【2024年最新版】FacebookコンバージョンAPIの仕組みや導入方法をわかりやすく解説

【2024年最新版】FacebookコンバージョンAPIの仕組みや導入方法をわかりやすく解説

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「コンバージョンAPIってどんなシステムなの?」

「結局、広告運用に必要な設定は何?」

上記のような悩みを持つ方は多いのではないでしょうか。

本記事では、コンバージョンAPIの基礎知識と仕組み、導入方法などを詳しく解説します。

システム関連に詳しくない方向けに、画像や図解を使用しながら、関連情報と合わせて解説しているので、是非ご覧ください。

こんなお悩みありませんか?

・Instagram広告を運用したいけど成果が出るか不安

・Instagram広告を配信したいけど方法がわからない

・広告バナーを制作したいけど自社では難しい

FacebookコンバージョンAPI(CAPI)とは?

コンバージョンAPI(CAPI)は、データ計測に使用されるシステムです。

コンバージョンAPIを使用すると、サーバー経由でデータの追跡が可能になります。

そのため、ブラウザやデバイスの環境に依存しないデータ計測ができるのです。

つまり、より高精度なデータを計測できるという特徴があります。

コンバージョンAPIは、その特性から広告やマーケティングに活用されています。

特に、広告運用の場面では、成果を最大化するために使用する強力なツールです。

コンバージョンという言葉には、ビジネスの成果地点という意味があります。

商品の購入やWebサイトの訪問、広告のクリックなど、大事なデータを正確に把握するために必要なのです。

Web広告の運用者やマーケ担当者にとっては、必須で知っておきたいトピックでしょう。

ちなみにコンバージョンAPIという技術そのものは、各社それぞれによって開発されています。(例:Yahoo!ディスプレイ広告・LINE・X:旧Twitterなど)

しかし本記事では、Meta社(Facebook・Instagram)がMeta広告の利用者向けに開発したシステムであるFacebookコンバージョンAPIに焦点を絞って解説しています。

FacebookコンバージョンAPIは、従来の計測システムと比べて、より包括的で信頼性の高いデータ計測ソリューションです。

あわせて読む:Facebook広告のコンバージョンとは?

FacebookコンバージョンAPIが登場した背景

コンバージョンAPI(CAPI)という計測手段が登場した背景には、今まで主流だったCookieの規制があります。

Cookieは、WEBサイトにアクセスした記録をデータとして残しておける機能のことです。

近年まで、私たちのインターネット上の行動履歴やWEBサイト閲覧しているときの様々なデータは、Cookieというシステムによって収集されてきました。

しかし、Cookieの使用が問題視されるようになってから、規制が厳しくなったのです。

ここでは、Cookieについて知っておきたい基本情報をまとめました。

コンバージョンAPIの全体像理解に役立つはずなので、一読してみてください。

【30秒でおさらい】Cookieとは?

Cookie(クッキー)を使うと、Webサイトを訪れたユーザーの、サイト閲覧履歴やログイン情報などが記録されます。

前回のアクセスから日数が経っていたのに、ログイン情報を入力しなくてもサイトをみれた経験がある方も多いのではないでしょうか。

また、カートに追加したけど購入しなかった商品が、カートに入ったままの状態で維持されていて再訪問したときにスムーズに購入できた。

ということも多いですよね。

私たちが日常的に閲覧するWebサイトで、これらを可能にしている機能がCookieです。

Cookieは、インターネット利用時の利便性を向上させる一端を担っているといえるでしょう。

また、企業やWebマーケティング担当者からすると、Webサイトを訪れたユーザーの行動データを活用できるというメリットがあります。

どの年齢層の人が、どのページをどのくらいの時間見ていたか?などの行動データが取得できるので、データを活用したマーケティングを実施できます。

Cookieのシステムにより、顧客ユーザーに最適なアプローチが可能になるのです。

【30秒でおさらい】Cookieの種類

Cookieには、ファーストパーティ(当事者)によって発行されるCookieと、サードパーティ(第三者)によって発行されるCookieの2種類があります。

種類によって、取得できるデータやデータ使用の目的が異なるので、チェックしてみてください。

ファーストパーティCookie

 発行元特徴
ファーストパーティCookie閲覧しているサイト運営者が発行サイトを横断しての使用が不可

ファーストパーティCookieは、サイトの運営元が発行しているCookieです。

ただし例外もあります。例えば、Googleアナリティクスなど一部ツールを使用して発行されるCookieはファーストパーティCookieとして扱われます。

例外を除いた通常のファーストパーティCookieは、ログイン情報を保持したり、カートに追加した商品を記憶するために使用されることが多いです。

サイトを横断しての使用ができないという特徴があるので、どこを経由してWebサイトを訪れたかなどの行動データは取得できません。

サードパーティCookie

 発行元特徴
サードパーティCookie閲覧しているサイト運営者以外の第三者が発行サイトを横断しての使用が可能

サードパーティCookieは、閲覧しているサイト運営者以外の第三者が発行しているCookieです。

代表的なものに、広告のCookieがあります。

複数のサイトを横断して行動データを追跡できるので、リマーケティングに活用できます。

例えば、以前Webサイトを閲覧したことがあるユーザーに、アウトドア製品の広告を表示したり、ユーザーの検索履歴から特定の色をピックアップして表示させることが可能です。

【30秒でおさらい】Cookieの使用規制

Cookieは、WEBマーケティングにおいて重要な役割を担ってきました。

しかしメリットがある一方で、情報漏れやセキュリティ、プライバシー侵害が問題視されるようになりました。

特に、サードパーティが発行したCookieによって取得される、行動データの売買やデータ利用が問題になっているのです。

さらに近年では、ファーストパーティCookieでさえ使用が規制されるようになりました。

ユーザーの許可を取る必要があったり、取得する情報の制限があったりなど厳しく規制されるようになってきています。

とはいえ、Cookieが使用できなくなると、企業やWebマーケティング担当者、広告運用者にとっては大問題です。

マーケティング活動に大きな支障が出てきてしまいます。

そこで、代替案として開発されたシステムがコンバージョンAPIです。

コンバージョンAPIを使用することで、Cookieの使用規制後も、データ計測が可能になります。

FacebookコンバージョンAPIの仕組み

まずはおさらいも兼ねて、私たちが普段使用しているインターネット通信では、どのように情報(データ)の送受信が行われているかみていきましょう。

インターネットを使用すると、世界中の情報にアクセスしたり、世界中の人とコミュニケーションを取ることができますよね。

それらのインターネット通信は、電子機器をケーブルや無線でつなぐことで可能になっています。

通常は、パソコンやスマホなどの電子機器を使用して、Webブラウザを開くとインターネットにアクセスできるはずです。

各システムと役割:

このように、私たちがインターネットにアクセスするために最初に訪れるページがWEBブラウザです。

WEBブラウザは、データを橋渡しする中核的な役割を担っています。

インターネット通信の仕組み:

つまり全てのインターネット通信は、WEBブラウザを介しているのです。

WEBブラウザの機能は、WEBサイトを閲覧するだけのためにあるわけではありません。

データの保管やデータの追跡にも有用です。

よく見るWEBサイトや、よく使うソフトをブラウザ上にブックマーク保存している人も多いのではないでしょうか。

そして、この機能を応用したものが、Cookieという従来の計測システムです。

従来の計測システムとコンバージョンAPIの比較

従来の計測システムであるCookieは、ブラウザをベースとして機能する仕組みになっていました。

1度閲覧したことがあるWEBサイトの情報は、Cookieというシステムによってブラウザ上に保管されます。

1度目のアクセス:

2度目のアクセス時にはブラウザ内に保管されたCookieデータと一緒に、サーバーに必要な情報のリクエストが送信されます。

2度目のアクセス:

そしてブラウザに保管されたCookieデータと、ページ表示に必要な情報が連結されて、WEBサイトが表示される仕組みです。

一方で、コンバージョンAPIは、サーバー上に保管されたデータにアクセスできる仕組みです。

サーバー上のデータをまとめて引き出せるように、タグをつけておくイメージをするとわかりやすいかもしれません。

タグ付けしておくと、ブラウザ上でCookieが規制されても、問題なくデータを取得できます。

しかしコンバージョンAPIには課題もあります。

必要なデータを関連付けたり、連携(ひとまとめ)するには、システムのプログラミングやエンジニアリングのような専門知識を要する場合があるのです。

詳しくはこの記事の後半[コンバージョンAPIの導入手順]や、[FacebookコンバージョンAPIの導入が難しい場合の代用案]で解説します。

ぜひ最後までご覧ください。

FacebookコンバージョンAPIの重要性

ここまでコンバージョンAPIというシステムがどんなものなのかを紹介しました。

しかし必要性をいまいち掴みきれないかもしれません。

そこでこの章では、FacebookコンバージョンAPIを導入しないと何が起きるのか?

導入しない場合に出そうな支障を3つ例に挙げながら、重要性を解説します。

Check

・データ計測が困難になる

・広告配信の精度が下がる

・広告運用の効率が悪化する


それぞれチェックしてみてください。

データ計測が困難になる

コンバージョンAPIを導入しないと、従来の計測方法の規制が厳しくなるにつれ、データ計測が困難になるでしょう。

実際問題、Cookieに依存したデータ計測は一部データの欠損が起きていると想定できます。

正しくデータの計測をするには、何かしらの対策が必要です。

Cookieに依存しない、計測方法やシステム導入の重要度が高まっています。

FacebookコンバージョンAPIは、Meta広告におけるデータ計測のソリューションとして注目されています。

広告配信の精度が下がる

データ計測が困難になると、広告配信の精度も上がりません。

データに基づいて、改善したり最適化することができないからです。

WEB広告を配信する場合、改善と最適化のサイクルをまわすことではじめて効果が期待できるようになります。

十分なデータが得られなかったり、データ分析が行えないと、支障がでてきてしまうでしょう。

広告運用の効率が悪化する

広告のコンバージョン(成果データ)の計測漏れがあると、データ上の広告のパフォーマンスも下がる可能性があります。

さらに、Facebook広告(媒体側)からも広告のパフォーマンスが低いと評価されかねません。

Facebook広告は、自動入札のオークション形式で広告配信枠を振り分けています。

評価が低いと、自動入札で不利な状況になってしまうでしょう。

広告にかける費用に対して期待できる効果が低下してしまうことも考えられます。

FacebookコンバージョンAPIのメリット

FacebookコンバージョンAPIの主なメリットは3つです。

3つのメリット

・必要な計測データを補足できる

・オフラインイベントの計測も可能

・タイムリーなデータを取得できる

それぞれ解説します。

参照:Meta広告ガイド

必要な計測データを補足できる

従来のブラウザベースのトラッキングは、広告ブロッカーやブラウザのプライバシー設定により一部のデータが取得できないケースがあります。

しかし、コンバージョンAPIを使用すれば、サーバーから直接データを送受信できます。

つまりブラウザの制限によって生じるデータの損失を最小限に抑えられるのです。

これにより、データの精度が向上し、広告のパフォーマンスをより正確に把握できるようになります。

FacebookコンバージョンAPIは、広告パフォーマンスの最適化に不可欠なデータを補足するための強力なツールです。

オフラインイベントの計測も可能

FacebookコンバージョンAPIは、オンラインだけでなくオフラインでのコンバージョンも計測できる点が大きなメリットです。

たとえば、店舗での購入や電話での来店予約など、オンラインで完結しないコンバージョンや直接トラッキングできない行動も計測できます。

これにより、ほぼ全ての顧客接点でのコンバージョンと効果を総合的に評価できます。

オフラインイベントデータを統合することで、より詳細な顧客分析が可能になるでしょう。

オンラインとオフラインを統合したキャンペーンの効果を最大化する手助けとなるはずです。

参照:コンバージョンAPIを使用したオフラインイベントの送信

参照:2025年5月以降オフラインイベント管理方法の変更

タイムリーなデータを取得できる

FacebookコンバージョンAPIを利用することで、リアルタイムでデータを取得できるようになります。

従来のトラッキング方法では、データの反映に時間がかかることがあり、迅速な意思決定が難しい場合がありました。

しかし、コンバージョンAPIはサーバーから直接データを送受信するため、ほぼリアルタイムでのデータ収集が可能です。

広告のパフォーマンスをタイムリーに把握し、必要に応じて戦略を調整することができるでしょう。

特に迅速な対応が求められるキャンペーンや短期間での成果が重要な場合に役立ちます。

最新のデータを活用することで、最適化が容易になります。

FacebookコンバージョンAPIのデメリット

FacebookコンバージョンAPIのデメリット(注意点)は3つです。

3つの注意点

・計測データの特定と連携が必須

・プライバシーポリシーの改定が必要

・実装のハードルが高い

それぞれチェックしていきましょう。

計測データの特定と連携が必須

FacebookコンバージョンAPIでデータ計測するには、対象となるイベントやアクションを明確に把握して、適切なデータを収集できるように設定する必要があります。

つまりデータの整合性を確保するために高度な技術的スキルが求められます。

例えば、広告からの流入をコンバージョンAPIのみでトラッキングする場合は、①流入経路をたどるためのURLや②Facebook広告のクリックIDなど、必要な情報がFacebook広告のサーバーに送受信できるようになっている必要があるのです。

※ただし、MetaピクセルとコンバージョンAPIを併用する場合は①と②をMetaピクセルで自動収集できます。

必要なデータをトラッキングできるようにシステムを組む難易度は高めです。

あわせて読む:広告パフォーマンス改善に役立つデータ計測|コンバージョンAPIのベストプラクティス

プライバシーポリシーの改定が必要

FacebookコンバージョンAPIを使用するときは、プライバシーポリシーの見直しが必要になる場合があります。

FacebookコンバージョンAPIは、ユーザーの個人情報や行動データをサーバーを通じて収集・送受信します。

そのためデータ保護規制に準拠したポリシーの改定が必要になるケースが多いです。

この作業は、法律や規制に精通した専門家の助言が必要になるため、追加のコストや時間的負担が発生する可能性があります。

また、プライバシーに敏感なユーザーからの信頼を維持するためには、透明性の確保とユーザーへの明確な説明が求められます。

適切に対応しない場合、法的リスクが増加し、信用を損なう恐れがあるでしょう。

実装のハードルが高い

FacebookコンバージョンAPIの導入は、多くの場合、実装のハードルが高いと感じるかもしれません。

技術的な知識やシステム構造の把握が必要になるため、従来のトラッキング方法と比較すると複雑なのです。

特に、カスタマイズされたデータ送受信の設定やセキュリティ対策には、専門的なスタッフや外部の開発パートナーのサポートが必要になることがあります。

また、設定が不適切だとデータが正しく送信されないリスクもあるでしょう。

設定によっては、正確な広告パフォーマンスの計測が困難になる場合があります。

FacebookコンバージョンAPIの導入事例

導入メリットや課題もあるなか、FacebookコンバージョンAPIを実際に導入している企業があるのか?気になるところではないでしょうか。

ここでは導入事例を3つ紹介します。

導入事例

・健康食品|豊潤サジー

・スキンケア商品|あきゅらいず

・セルフエステスタジオ|ボディアーキ

チェックしてみてください。

健康食品|豊潤サジー

健康食品のEC通販事業を展開する株式会社フィネスは、コンバージョンAPIを実装して広告パフォーマンスを改善しました。

この事例では、2つのキャンペーンのパフォーマンスを比較しています。

一方は、Metaピクセルのみを使用して、もう一方では、MetaピクセルとコンバージョンAPIを併用して取得したデータを活用して広告の最適化を行いました。

その結果、コンバージョンAPIを実装したキャンペーンは、より正確な顧客行動についてのデータ取得と活用が可能になっています。

引用:Meta広告成功事例

スキンケア商品|あきゅらいず

スキンケアブランド「あきゅらいず」を展開する株式会社LIGUNAは、コンバージョンAPIを実装した広告キャンペーンで購入数8%増加を達成しています。

この事例でも、Metaピクセルのみを使用した場合と、MetaピクセルとコンバージョンAPIを併用した場合の2つのキャンペーンのパフォーマンスを比較しています。

その結果、併用した場合のキャンペーンでは顧客獲得単価を抑えたままコンバージョン数が向上しました。

引用:Meta広告成功事例

セルフエステスタジオ|ボディアーキ

セルフエステスタジオの運営/FC事業を展開する株式会社ボディアーキ・ジャパンは、コンバージョンAPIを実装した広告キャンペーンで購入数80%増加に成功しています。

この事例では、MetaピクセルとコンバージョンAPIに加えて、顧客情報が、キャンペーンの最適化に活用されました。

オンラインおよびオフラインで取得した顧客情報(メールアドレス・電話番号・生年月日など)を追加することで、より精度の高いデータをキャンペーンに活用できます。

引用:Meta広告成功事例

FacebookコンバージョンAPIの導入手順

FacebookコンバージョンAPIは5ステップで導入できます。

導入手順

手順①計測するイベントを決定する

手順②実装方法を検討する

手順③実装に必要なものをそろえる

手順④実装する

手順⑤実装確認

なお、ここではMetaピクセルとコンバージョンAPIを併用する場合を想定しています。

というのも、FacebookコンバージョンAPIは、Metaピクセルで拾いきれなかった計測データを補うために使用することが推奨されているからです。

詳しくは手順ごとに導入方法を解説しています。ぜひご参照ください。

手順①計測するイベントを決定する

手順①は、計測するイベントの決定です。

計測するイベントは、コンバージョン(成果地点)/顧客のアクションポイントになります。

例えば[広告クリックからWEBサイト訪問][ボタンクリック][問い合わせ完了][申込みフォーム入力][申込み完了][購入完了]などなど、顧客がアクションを起こしたポイントをそれぞれ[イベント]として考えます。

またイベントには、WEBサイトで発生するイベントや、アプリで発生するイベント、オフラインで発生するイベントなど、さまざまなものがあるでしょう。

計測するイベントを決定すること=計測するユーザーアクティビティを決めることです。

イベントは、Metaが提供している[標準イベント]で設定。または、自社で[カスタムイベント]を作成して設定します。

目的は、データを計測して、コンバージョン(成果)向上に活用することです。自社にとって必要なデータを収集するために、計測するイベントを決定して設定する必要があります。

手順②実装方法を検討する

FacebookコンバージョンAPIを実装する方法は主に3パターンあるでしょう。

・Googleタグマネージャーのサーバー用コンテナとGoogleアナリティクス4(GA4)を使用する
・実装ツールを提供している企業に外注する
・自社のエンジニアがシステムを組んで実装する

しかしここではGoogleタグマネージャーのサーバー用コンテナとGoogleアナリティクス4(GA4)を使用する方法を推奨します。

理由は、いちから開発するよりは簡単に実装可能かつ費用が抑えられるからです。

さらにFacebook広告のデータ計測だけでなくGoogle広告の計測も同時にできるというメリットもあります。

ただし、Googleタグマネージャーのサーバー用コンテナの使用は、サーバー側のクラウドでデータを管理するためGoogle Cloud Platform(GCP)の契約が必要です。

また、データの引き出しがコールされた回数に応じて数千円〜数万円の料金が発生します。

収集されたデータの引き出し回数は、企業やサイトの規模によって変動するでしょう。

Meta広告では、データを活用して広告の最適化を自動で行う機能もあるため、頻繁にデータの引き出しが行われることも考えられます。

ちなみにサーバー用コンテナとは、1つの物理サーバー内にあるデータを、整理してひとまとめ(コンテナと呼ばれる環境にデータをパッケージ化)しておく構造のことです。

サーバー用コンテナを使用することで、必要なデータの管理を効率化できます。

あわせて読む:Googleタグマネージャーとは?

手順③実装に必要なものをそろえる

コンバージョンAPIの実装は、データ追跡を可能にするためのシステム導入作業になります。

おおまかにいうと[サーバーにあるデータ]と[イベントデータ]と[顧客情報データ]を関連付けして取得可能な状態にできれば問題ありません。

必要なものは、7つです。

・計測対象になるMeta広告
・WEBサイト(計測するイベントが発生するページ)
・Metaピクセル(データを追跡するための計測タグ)
・Googleタグマネージャー(計測タグを管理するため)
・Googleアナリティクス4(計測データを分析するため)
・Google Cloud Platform(計測データを管理するため)
・※計測データ管理専用ドメイン/URL(他用途で使用しないサブドメイン)

上記のうち、計測データ管理専用ドメインは、必須ではありませんが、設定することをおすすめします。

理由は、計測データ管理専用ドメインを使用したほうが汎用性が高いからです。

計測データ管理専用ドメインは、サーバー用コンテナで管理する情報にアクセスする際に必要な[エンドポイントURL]に使用します。

設定する場合は、WEBサイト(計測するイベントが発生するページ)で使用しているURLのサブドメインを使うのがいいでしょう。

参照:Meta広告ガイド

手順④実装する

最小構成でとりあえずコンバージョンAPIを実装するには5つの工程があります。

①パートナー連携を利用してコンバージョンAPIを設定
(ビジネスマネージャーにログインしてイベントマネージャーをクリック→[設定]から[コンバージョンAPIの設定方法を選択]を開く→[パートナー連携を利用する][Googleタグマネージャー]を選択)

あわせて読む:【分かりやすく解説!】Googleタグマネージャー(GTM)の設置方法

②サーバー用コンテナを使う準備
Googleタグマネージャー(GTM)にログインしてGTMでサーバー用コンテナ作成→GTMのサーバー用コンテナとGoogle Cloud Platform(GCP)の接続設定→※任意:エンドポイントURLの設定)

③データを計測するためのタグを設置
(Facebookビジネスマネージャー管理画面でコンバージョンAPIのMetaピクセルを作成→GTMとWEBサイトにMetaピクセルを設置→Googleタグマネージャー管理画面からコンバージョンAPIとMetaピクセルタグを設定)

サーバーに送信するデータで最低限必要な3つのタグ(パラメーター)

event_name標準イベント/カスタムイベントの名前
event_time該当するイベントが発生した日時
user_data顧客に関する情報(※下記表参照)
イベント情報とともに顧客に関する情報を共有することで、計測データの精度が上がります。

user_dataは、Facebookアカウントでユーザーを識別するためのものです。

顧客に関する情報(ユーザーの識別情報)は、利用できる項目が多いほどいいでしょう。

user_dataは、下記の表に記載した項目のうち1つ以上の追加が必要です。

user_dataとして送信可能な情報
項目内容
Emailメール
Phone電話番号
Gender性別
Date of Birth生年月日
Last Name名前
First Name名字
City市町村
Zip郵便番号
Click IDFB広告のクリックID(※Metaピクセル使用の場合は自動で収集可能)
ちなみに上記以外にも様々なパラメーターがあります。詳細は公式ガイドで確認してみるのがおすすめです。

参照:顧客情報(パラメーター)とは?

④計測するデータの重複処理
Googleアナリティクス4(GA4)にログインして[タグの設定]に[event_id]を追加→Metaピクセルにも[event_id]を設定)MetaピクセルとFacebookコンバージョンAPIを併用する場合、データが重複カウントされないような設計にする必要があります。

⑤サーバー用コンテナにデータを送信する設定
(GTMでウェブ用コンテナ作成→データ送信先をサーバー用コンテナに変更/トランスポートURL設定)

さらに詳しい実装方法は参照記事をチェックしてみてください。

参照:Googleタグマネージャーサーバー用コンテナの初期導入方法まとめ
参照:Meta広告のコンバージョンAPI(CAPI)をGTMとGA4を使って実装する

手順⑤実装確認

手順1〜4で実装が完了したら、実装確認を行いましょう。

Googleタグマネージャーの管理画面ツールバーにある[Tags][ ページビュー]からタグが機能しているか確認できます。

また、同じくGoogleタグマネージャーの管理画面ツールバーにある[Request]からどういうデータを送信できたか確認可能です。

データの送受信が確認できれば、これで実装に必要な工程は完了します。問題なく本運用に進めるはずです。

FacebookコンバージョンAPIの導入が難しい場合の代用案

FacebookコンバージョンAPIの導入が難しい場合は[詳細マッチング]を使用します。

詳細マッチングとは、システム設定を簡略化しつつ、Meta広告のデータ追跡を可能にする仕組みのことです。

自社が持っている顧客リストとMeta(Facebook・Instagram)が持つアカウント情報の照合をすることで可能になります。

顧客リストは商品サービスの購入者に限りません。

例えば、WEBサイト閲覧履歴のあるユーザーや問い合わせしたことがあるユーザー、広告をクリックしたことがあるユーザーなどの情報は、自社の商品サービスに興味関心があるユーザーのリストとして有用です。

収集したデータとMetaが保有するデータでマッチング(照合)すると、よりパーソナライズされた情報の表示や、より効果的なマーケティングが可能になります。

ただし、FacebookコンバージョンAPIと比較すると、計測できるデータの範囲は狭くなるでしょう。

例えば、オフラインイベントの計測は難しくなります。しかしある程度の範囲は、カバーできるはずです。

詳細マッチングには、自動詳細マッチング・手動詳細マッチングの2種類があります。

参照:【実装必須!】Facebook広告の成果を向上する詳細マッチング機能

自動詳細マッチング

自動詳細マッチングは、設定をオンにするだけで簡単に実装できる方法です。ただし、計測するWEBサイト内にユーザー情報の入力フォームがあることと、ユーザー情報を入力するページにMetaピクセルを設置しておく必要があります。

手動詳細マッチング

手動詳細マッチングMetaピクセルをカスタマイズするだけで導入が可能です。コードの編集が必要になりますが、幅広い実装に対応可能だったり、より高い精度でデータを取得できます。

手動マッチングを使用することで、コンバージョンAPIを使用しなくても、広告のコンバージョンをトラッキングできたり、自社のWEBサイトや商品ページ、広告に接触したユーザーの情報をFacebook側と共有して広告の最適化に活用できます。

まとめ

FacebookコンバージョンAPIは、広告の効果測定や最適化において重要な役割を果たします。

特に、サードパーティCookieの使用が制限される中、正確なデータ収集が難しくなっている現代において、このAPIは欠かせないツールです。

しかし、導入には一定の技術的なハードルがあり、プライバシーポリシーの改定も必要です。

導入を検討する際は、メリットとデメリットをしっかり理解し、自社のニーズに合った実装を検討するといいでしょう。

こんなお悩みありませんか?

・Instagram広告を運用したいけど成果が出るか不安
・Instagram広告を配信したいけど方法がわからない
・広告バナーを制作したいけど自社では難しい

Writer GMSコンサルティング編集部 マーケティング部

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