「Facebook動画広告を始めたいけど、配信方法がわからない」
「動画をどう作ったらいいか知りたい」
このような悩みを抱える人は少なくないでしょうか?
本記事では、Facebook動画広告を配信したい方に設定方法や入稿規定、動画の作成ポイントについて解説します。
わかりやすく解説していますので、是非ご覧ください。
Facebook動画広告とは?
Facebook動画広告とは、Meta社(旧:Facebook社)が提供する広告配信サービスです。
広告を出稿すると、Meta社が運営する3つのSNSプラットフォーム(Facebook・Facebookメッセンジャー・Instagram)の利用者に向けて配信されます。
実名プロフィール・年代・居住地域や趣味趣向、行動データなどの情報を各SNSから取得できるMeta社の広告配信の強みは、高い精度のターゲティングです。
Facebook広告は、自社のビジネスに最適な見込み客にアプローチできるのです。
また動画広告は、画像やテキストの広告と比べて5000倍の情報量を伝えられるといわれています。
「iPhone向け動画広告効果調査」では、動画広告は1.7倍もユーザーの印象に残っているということがわかりました。
Facebook動画広告は、事業者なら誰もが活用したい広告だといってもいいかもしれません。
ただし、日頃から広告を運用している人でないかぎり、やり方がわからないという場合も多いと思います。
そこでまず最初に知っておきたいFacebook動画広告の基礎知識を紹介します。
Facebook動画広告|入稿規定と特徴
Facebook広告が配信される3つのSNSはそれぞれに特徴があります。
詳しく見ていきましょう。
ビジネスの堅実性をアピールするFacebook
日本のSNS利用者は1億人を突破して、10代〜60代までの全世代がソーシャルメディアを活用する時代になりました。(参照元:総務省)
なかでも、Facebookをアクティブに利用するユーザーは、月間約2600万人(2019年7月時点)。
国内ユーザーは30代~40代以上のビジネスパーソンが中心のため、ビジネスに関連した訴求がしやすいという特徴があります。
(参照元:Facebook広告ガイド)
顧客との親和性を深めるFacebookメッセンジャー
Facebookメッセンジャーは、名刺代わりにFacebookアカウントを交換した後、メッセンジャーを通じて連絡をとる人も多いSNSです。
ビジネスシーンで活用されているため、メッセージの開封率は高く、受信箱に表示される広告タイトルや見出しを読んでもらえる可能性も高くなるというメリットがあります。
自然な訴求と気軽な顧客接点を目指すInstagram
Instagramを活用するにあたって注目するべきポイントは、90%以上のユーザーがビジネスアカウントをフォローしていること。
そして、70%程のユーザーが、Instagramの利用中に表示される広告について「好ましい」と回答していることです。
また、Instagramをアクティブに利用するユーザーはFacebookより多い3300万人(2019年6月時点)
広告にも好意的なユーザーに向けて、自社の広告をダイレクトに配信できるのがメリットです。
ここまでそれぞれの特徴と入稿規定について紹介してきましたが、各SNSごとに広告を配信する必要はありません。
Facebook広告は、3つのSNSに自動的に配信されるよう設定ができるからです。
次の章では、Facebook動画広告の配信方法について詳しくみていきましょう。
【簡単5ステップ】Facebook動画広告の配信方法
Facebook広告を運用するなら、配信方法について理解を深めておくのがおすすめです。
というのもFacebook広告は、プロが運用しても配信設定が1つ違うだけでまったく成果があがらなかったり、逆に何倍もの成果になったりする世界です。
その時々で配信方法や設定を随時調節しながら広告を運用する必要があります。
基礎知識から解説していくと、まずFacebook広告は、3つのグループ構造になっていて3段階で広告設定が必要です。
①広告アカウント:Facebook広告を統括して管理
Facebook・個人アカウントとは別に、広告アカウントを開設(※すでに広告アカウントがある場合は必要なし)します。
広告アカウントは主に広告成果の分析ツール確認や支払い関連の設定で使用します。
②広告キャンペーン:Facebook広告をプロジェクトごとで管理
広告キャンペーンでは主に広告の目的を設定します。サイトへの遷移や、ブランド認知拡大など広告を配信して獲得したい成果の目標を設定します。
③広告セット:Facebook広告をターゲットごとに管理
ターゲット(誰に向けた広告なのか)や広告クリエイティブ(画像や動画)を設定します。
例えば、男性と女性でわけた2つの広告セットを作成することで、効果測定を比較することが可能です。
つぎに、上記3段階を具体的な5つの手順で設定する方法を解説していきます。
1.Facebookアカウントを開設
広告動画が作成できたら、広告配信の設定を行います。
Facebookの個人アカウントを保有していない場合は、facebook.comにアクセスして、「新しいアカウント」の作成からはじめてください。
ちなみにFacebookは実名登録が必要なので、個人で持てるアカウントは原則1アカウントのみです。
個人アカウントの登録が完了したら、広告運用に使用するFacebookページを作成します。
Facebookページは複数作成できるので、用途ごとに使い分けも可能です。
ここで作成するFacebookページは広告運用元の公式ページのような役割を担います。
投稿がない状態でも広告配信は可能ですが、コンテンツを充実させていくのがおすすめです。
企業情報や、取り扱っている商品サービスなどの説明を記載して、カバー写真なども適切なものを設定しておくといいでしょう。
Facebookページ作成の手順は、
①個人アカウントでログイン後ホームを開く
②メニューから「新しいページの作成」を選択
③詳細を入力して「Facebookページを作成」
これで完了です。
2.Facebookビジネスマネージャー|広告アカウントを開設
広告の管理全般は、広告アカウントの管理画面で行います。
Facebookビジネスマネージャーから広告アカウントを開設していきましょう。(※すでに広告アカウントを開設している場合は必要なし)
広告アカウントを開設すると、広告の配信設定や、広告費の管理、広告の効果測定や分析ツールなど充実した機能を使用できます。
Facebookビジネスマネージャーから広告アカウントを開設する手順は、
①https://business.facebook.com/で「アカウント作成」
②ビジネスの詳細を入力して送信
③「ビジネス設定」に移動
④左側メニューのアカウントから「広告アカウント」を選択
⑤「追加」から「新しい広告アカウントを作成」
これで完了です。
3.広告キャンペーンを設定する
広告アカウントが開設できたら、広告マネージャーにログインして管理画面の左上「作成」から広告キャンペーンを作成します。
キャンペーンの購入タイプ
まず購入タイプを「オークション」か「リーチ&フリークエンシー」か選択します。
【オークション購入】
オークション購入とは、広告枠のオークションのことです。
多くの場合、オークション購入で広告を配信することになるでしょう。
オークション購入を設定すると、Facebookが自動で他の広告と総合点を比較して広告が配信される仕組みなので、Facebookの評価にも気を配る必要があります。
ユーザーにとって有益な広告なのかや、Facebookページの利用頻度なども判断指標になるといわれています。
【リーチ&フリークエンシー購入】
リーチ&フリークエンシー購入とは、広告表示頻度をあらかじめ設定できるタイプの広告のことです。
しかし、リーチが20万人に満たない予算での広告配信はできません。
広告費の予算が高額になる傾向がある点と、リーチ数はあっても顧客の反応があるかは別の話なので、成果につながるリーチにならない可能性がある点に注意が必要です。
また、Facebook広告の課金タイプには3種類あります。
①CPC(クリック課金)
Cost Per Click(コストパークリック)の意味でクリック数に応じて課金される課金形式です。
表示されても、クリックされない限り課金されません。
②CPM(インプレッション課金)
Cost Per Mille(コストパーミル)の意味で動画広告が1000回表示されるたびに課金されます。
表示されても、広告がクリックされなければ、思うような成果にならない場合があります。
大勢のユーザーに広告を配信したい場合に有効です。
③CPV/ThruPlay(スループレイ課金)
Cost Per View(コストパービュー)の意味で、動画の再生数アップを目的にキャンペーンを行った場合に適用可能な課金形式です。
特定の秒数以上(15秒以上)視聴された場合にのみ課金することが可能だったり、15秒に満たない動画は、最後まで再生された場合にのみ課金されるよう設定できます。
どの課金タイプが適用されるかは、つぎの章で解説するキャンペーンの目的によって異なります。
詳しくみていきましょう。
キャンペーンの目的を選択
キャンペーンの目的は、6種類のマーケティング目標のなかから設定します。
キャンペーン目的と課金タイプ一覧表:
とはいえ、どのキャンペーンを目的に設定したらいいのかわからないというご相談をいただくことも多々あります。
その場合、関心度の高いユーザー数のボリュームと成果達成の難易度を考慮するといいでしょう。
図をみると、キャンペーン目的がコンバージョン(売上などの成果)に近づくにつれ、ユーザー数は少なくなり獲得予算も高くなる傾向があるといえます。
そのため、企業の動画広告の利用状況に関する調査でも、認知獲得とWebサイトの誘導を目的としているものが多いという結果となりました。
ちなみに同じキャンペーン目的で複数の広告セット(ターゲット別など)を配信する場合、広告キャンペーン設定時に通常予算をセットしておくのがおすすめです。
より効果の高い広告セットに予算が最適配分される仕組みになっているので活用していきましょう。
4.広告セットを設定する
キャンペーンの設定が終わったら「次へ」をクリックすると、自動で「広告セット」の設定画面になります。
広告セットでは、広告を優先的に配信するターゲットを指定したり、広告の配信方法の設定をします。
特に重要な項目は、
①オーディエンス
②配置(掲載場所)
③予算と掲載期間
これら3項目です。
広告セットの設定手順は、
①「広告セット名」を入力
(※キャンペーンの目的やターゲットなどで設定するといいです。)
②ダイナミッククリエイティブ設定をオンにする
(※ダイナミッククリエイティブとは、数種類の広告文や広告用動画、画像などを入力しておくと、Facebook広告が自動で効果が高い組み合わせを配信してくれるシステムのこと。)
③1日の予算と掲載期間の設定を入力
(※1日の広告予算を少額から設定して広告を配信していきます。)
④オーディエンス設定で「カスタムオーディエンス」「詳細ターゲット」「ターゲット設定なし」どれかを選ぶ
(※お客さんのリストがすでにあったり、ビジネスに興味関心があるユーザーのタイプが明らかになっていない場合は、ターゲット設定なしで配信をはじめるケースが多いです。ちなみに、ターゲットが広すぎると、設定できる1日の最小予算が高くなる傾向にあるため、注意が必要です。)
⑤配置(掲載場所)を「自動配置」と「手動配置」から選択
(※Instagramのストーリーズ視聴者だけに届けたいなど具体的な施策が決まっていない場合は、基本的に自動配置が推奨されています。)
これで完了です。
(参照:Metaビジネスヘルプセンター)
5.広告を設定する
つぎにメディアで動画(画像)を添付してメインテキスト・見出し・説明文を追加します。
また、ここで設定するコールトゥアクションとは、ボタンやURLクリックを促すテキストメッセージのことです。
配置と表示文字数をプレビューで確認しながら、最適な文言が表示されるよう調節します。
Facebook動画広告|作成3つのポイント
「どんな動画広告をつくればいいのか」は、Facebook広告初心者から上級者まで共通の悩みではないでしょうか。
ここでは3つのポイントを紹介します。
1.顧客ニーズに寄り添った内容
SNS利用中に広告を表示させるタイプのFacebook動画広告では、ユーザーは購買意欲が高い状態で広告を見ていません。
そのため、企業が伝えたいことばかりを表示している広告はユーザーの反応も悪くなります。
ペルソナを具体化して、どんな興味関心や悩みを抱えているのかニーズを設定することが重要です。
また、顧客ニーズを明確にしたら、冒頭の数秒で、ユーザーの共感が得られるようにすることが重要です。
2.視聴完了率を意識した長さにする
Facebookの広告では最長240秒の動画が配信できますが、短めの動画にしておくほうが無難です。
というのも、動画が長くなってしまうと途中で離脱されてしまう可能性が高くなるからです。
長尺で伝えたいことをすべて動画内におさめようとするより、広告ではユーザーの興味や関心によりそった短めの内容を意識して作成し、Webサイトなどへ遷移させるのがおすすめです。
動画の長さは15秒程度のものが視聴されやすいと言われています。
また、動画サイズで迷ったら、もっとも汎用性が高く、多くの配置に対応している1080×1080で作成するといいでしょう。
ミュート再生を想定して制作する
音声なしで再生されることを想定して動画広告を制作できると、成果がでやすくなります。
実際、SNSを見ているユーザーの多くが、電車の通勤中や休憩時間など、合間時間にSNSを使用していると言われています。
動画広告を配信した場合のパフォーマンスは、従来のテキストや画像での広告に比べて2倍以上になるケースも多数あります。
特に、どんな商品サービスなのかわかりにくいものを取り扱っている場合や、伝えたい情報が多い場合は、動画で訴求することによって、ユーザーの理解度・安心度が上がるのは確実です。
テキストのフルテロップをいれて、視認性があがるような工夫をするのがおすすめです。
【必見】Facebook動画広告の成功事例3選
ここまでFacebook動画広告の仕組みや配信方法を解説してきました。
とはいえ、動画広告のクオリティが良くなければせっかくの設定も意味をなしません。
顧客ニーズを捉えた広告クリエイティブでなければ、顧客の反応は得られないからです。
特に市場が急成長している今、さまざまな業種であらゆるタイプの動画広告を投じて、ビジネスチャンスを広げようという動きが加速しています。
実際に、2023年のサイバーエージェント調べによると、動画広告の市場は2027年に1兆228億円に達する見込みです。(参照:国内動画広告の市場調査)
多くの企業が参入するなか気になるのが、どういった動画広告を作成すればいいのかではないでしょうか。
今回は、動画広告3つの成功事例を紹介しながら、制作方法についてみていきたいと思います。
ターゲットを巻き込むイベントと連動した広告事例
KitKatは、クリスマス時期にイベントと連動したキャンペーンを行い、オンライン売上を3倍向上させることに成功しました。
また、この広告キャンペーンでは、広告配信時期に年間売上の1/3を達成しています。
イベントを通じて、顧客は自分だけのオリジナルKitKatをデザインしたり、限定フレーバーをみつけながらショッピングを楽しみました。
クリスマス時期の顧客ニーズにあったホリデーらしい遊び心あふれる動画広告キャンペーンです。
ターゲット層の共感を意識した訴求の事例
大手ゲーム会社SEGAは、新しいゲームの認知度向上を目的としたキャンペーンを行い、通常の広告と比較して50%のコストで認知度を向上させることに成功しました。
ゲームの世界観をユーザーに体験してもらえるよう、広告はモバイルのフルスクリーンで配信されました。
つい手を止めて続きをみてしまうようなストーリー要素と没入感を感じる動画広告です。
ゲームユーザーの顧客ニーズを捉えて成功したキャンペーンだといえます。
ターゲットの興味関心を的確に捉えたアンケート広告の事例
自然派化粧品のメーカーで知られるあきゅらいずは、スキンケアに関するアンケートを動画広告に活用したことで、8%の購入数の増加に成功しました。
また、同社の広告キャンペーンに限らず、他のキャンペーンにおいてもアンケート広告の有用性が証明されています。
Instagramによると、アンケート動画を活用することで3秒動画の視聴率が約90%の投稿で向上したという結果が出ているそうです。
素早く作成できるアンケート動画広告は、その制作の簡単さだけではなく、非常に効果的なクリエイティブです。
(参照:Meta広告成功事例)
Facebook動画広告で知っておきたい2つの注意点
手順通りに設定すれば、個人でも広告を運用できるFacebook広告ですが、注意すべきことがいくつかあります。
以下では、Facebook動画広告の注意点を2つ紹介します。
広告審査に通らない場合がある
通常、24時間以内に審査の結果が届きますが、場合によっては
審査にとおらないことがあります。
- 不適切な割引キャンペーンの表示がある
- 誇張表現など、過度な表記がある
- 効果効能をうたう表示がある
など、Meta広告規定に触発していると判断された場合、広告を掲載することができないので注意が必要です。
Facebook広告ポリシーに違反すると配信停止になる
社会問題やダイエットに関する広告、金融や信用に関する商材などは制限コンテンツとして、制約があります。
広告の画像やテキストだけでなく、遷移先のWebサイトもチェックされるため注意して配信する必要があります。
Facebook広告のポリシーについて詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
参照:【2024年最新版】Facebook広告ポリシー違反の理由と対処法
まとめ
Facebook動画広告は、成果にもつなげやすい広告として近年特に注目されるようになりました。
設定方法や、データの分析、改善しながらの運用など一筋縄ではいかない部分もありますが、比較的低予算ではじめられるため導入することで得られるメリットも大きいです。
確実な成果を求めるのであれば、Facebook広告運用実績がある代理店とタッグを組んで広告運用を進めることをおすすめします。
Facebook動画広告を活用して、さらなるビジネスの成長と目標達成を現実のものにしていきましょう。
不安点を広告運用の実績あるプロに相談したい。というご相談はお気軽にお問い合わせからご連絡ください
Writer GMSコンサルティング編集部 マーケティング部
私たちは現在の自分に甘んじず、チャレンジをすることで、お客様にプロとしての価値を提供いたします。常に知識・技術をアップデートし、お客様の成長に貢献してまいります。
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