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2025.07.17
2025.7.17
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「コンバージョン計測の仕組みってどうなっているの?」
「効果測定のためにコンバージョンタグを設置したいけど、設置方法がよく分からない」
「コンバージョンが上手く計測されない」
というような理由でお悩みの方も多いのではないでしょうか。
本記事では、Google広告のコンバージョンタグをGoogleタグマネージャ(GTM)で設定する方法を初心者の方でも分かりやすく解説しています。
Google広告のコンバージョンタグとは、広告経由で発生した成果を測定するためにWebサイトに設置するタグのことです。
このタグを設定することで、ユーザーが広告をクリックした後に商品購入や資料請求などのアクションを行ったかを把握でき、広告の効果分析に役立ちます。
設定をすることで、広告経由でサイトを訪れたユーザーが購入完了ページに到達すればコンバージョンとしてカウントされます。
コンバージョンタグは広告効果測定に不可欠で、広告運用において必須の設定です。
Google広告でコンバージョン計測に利用されるタグは、大きく分けて次の3種類があります。
それぞれ役割が異なるため、設定方法を確認する前に基本的な内容を押さえておきましょう。
コンバージョンタグは、Webサイト上でコンバージョンを計測するために必要なタグで、グローバルサイトタグとイベントスニペットの2つから成り立っています。
グローバルサイトタグがサイト全体のユーザー行動データを収集するのに対し、イベントスニペットは特定のコンバージョン発生時に動作するタグです。
以下でそれぞれの役割と設置方法を解説します。
グローバルサイトタグは、Google広告のコンバージョン計測用の基本タグで、Webサイトの全ページに設置します。
このタグを全ページの<head>内に挿入することで、サイト訪問者の情報や広告クリックの情報をCookieに保存し、ユーザーの行動を追跡できるようになります。
GTMを使用している場合は、後述のコンバージョンリンカータグを設定することでグローバルサイトタグと同等の役割を果たすため、個別にグローバルサイトタグを埋め込む必要はありません。
②イベントスニペット
イベントスニペットは、ユーザーの特定の行動を計測するためのタグで、コンバージョンが発生するページのみに設置します。
このタグはユーザーの行動の発生時に作動し、回数や金額といったコンバージョンの詳細データを計測します。
例えば、購入完了ページがコンバージョン地点であれば、そのページの<head>内にのみイベントスニペットを配置し、該当ページが表示されたときだけイベントスニペットが発火するようにします。
このようにイベントスニペットは必要最低限のページにのみ設置し、グローバルサイトタグと連携してコンバージョンを記録します。
2.コンバージョンリンカータグ
コンバージョンリンカータグは、広告のクリック情報をファーストパーティCookieに保存し、サイト横断でユーザーの行動を捉えてコンバージョンを正確に計測するタグです。
SafariのITPによる計測漏れ対策として、GTMでは必ず設定が推奨されています。
3.コンバージョンタグ
リマーケティングタグは、過去に自社サイトを訪れたユーザーの情報を収集し、リマーケティングするために用いるタグです。
このタグにより蓄積したデータを使って、Google広告上でオーディエンスリストを作成し、効率的に広告配信が行えます。
Googleタグマネージャーとは、Googleが無料で提供しているタグ管理ツールで、複数の計測タグをコード編集なしで一元管理できるサービスです。
通常はサイトごとにタグを埋め込んで管理する必要がありましたが、GTMを使えば管理画面上でタグの追加・変更が可能となり、タグ管理の効率化とミスの防止につながります。
Google広告やGoogleアナリティクスなど複数のツールのタグを運用する場合でも、GTM上で一括管理することでサイトのHTMLを直接触らずに設定できるため、非エンジニアでも扱いやすくなっています。
以上のようなメリットから、現在ではWeb広告のコンバージョン測定にはGTMを利用することが一般的です。
GTMを使ってGoogle広告のコンバージョンタグを設定すれば、サイトのHTMLを直接編集する手間を省きつつ複数のコンバージョン計測を効率的に管理できます。
ここでは、GTM上でコンバージョンリンカータグ・コンバージョンタグ・リマーケティングタグを設定し、正しく動作するまでの手順を解説します。
作業を始める前に、以下の準備を済ませておきましょう。
GTMコンテナが正しく埋め込まれていれば、あとはGTM上でタグ設定を行うことでコンバージョン計測の準備が整います。
まず、Googleタグマネージャーのコードをサイトに設置します。
GTMの管理画面でアカウントとコンテナを作成すると、トラッキング用のコードが発行されるので、Webサイトの全てのページにおいて<head>タグ内および<body>タグを開始直後にそれぞれ貼り付けてください。
この手順によってサイト上でGTMが動作し、以降のタグ設定を一元管理できるようになります。
次に、GTM上でコンバージョンリンカータグを設定します。
GTMのワークスペースで新規タグを追加し、タグタイプ「コンバージョンリンカー」を選択して、トリガーは「All Pages」に設定しましょう。
コンバージョンリンカータグを導入することで、広告クリックの情報がファーストパーティCookieに保存され、ユーザーのサイト横断的な行動データを捉えて正確にコンバージョンを計測できるようになります。
特にSafariなどブラウザの追跡防止機能による計測漏れの対策として有効で、GTMでコンバージョン計測する際には必須の設定項目と言えます。
続いて、Google広告のコンバージョンタグをGTMに設定します。
Google広告のアカウント上でコンバージョンを作成し、Googleタグマネージャーで設定をします。
【Google広告でのコンバージョン作成の手順】
1.Googleタグマネージャを開き、管理画面左にある「目標」をクリック、コンバージョンの項目にある「概要」をクリックします。
「+コンバージョンアクションを作成」をクリックします。
2.自社の広告目的に合わせてトラッキングするコンバージョンの種類を選択します。
今回は、Webサイト上でのコンバージョン計測(お問い合わせや購入など)を目的として「ウェブサイト」を選択します。
3.コンバージョン測定の対象とするサイトのURLを入力し、「スキャン」をクリックします。
4.測定するコンバージョンのカテゴリを選択します。
今回は、「申し込み」を選択します。
5.コンバージョンの詳細を設定します。
次にコンバージョンを測定するコードのインストール方法を選択します。
「Googleタグマネージャーを使用する」のタブを選びます。
コンバージョンIDとコンバージョンラベルが表示されるので、この2つの情報をメモしておきましょう。
【Googleタグマネージャーでコンバージョン設定する手順】
1.Googleタグマネージャーを開き、コンバージョンのトリガーを作成します。
画面の左側にある「トリガー」を選択し、「新規」をクリックします。
※今回は、ユーザーの申込みがされた後に表示される申込み完了ページ(サンクスページ)が表示されたときにコンバージョンとしてカウントされる設定にしています。
2.名前(任意)を設定し、「トリガーの設定」をクリックします。
3.トリガーのタイプで「ページビュー」を選択します。
4.「一部のページビュー」を選択し、「Page URL」、「含む」、コンバージョンとなるページのみに付与されている一部または全部のURLを入力します。
「保存」をクリックします。
以上でコンバージョンのトリガー作成完了です。
5.次にタグを設定します。ワークスペースの左メニューにある「タグ」を選択し「新規」をクリックします。
6.トリガーを設定したときと同じように任意で名前を設定し、「タグの設定」をクリックします。
7.「タグの設定」で「Google広告のコンバージョントラッキング」を選択します。
8.コンバージョンID、コンバージョンラベルの項目に先ほどGoogle広告で取得した「コンバージョンID」「コンバージョンラベル」の値を入力します。
コンバージョン値はGoogle広告で設定した値と同じものを使用します。
他の項目は入力しなくても問題ありません。
トリガーは、先ほど作成したサンクスページを設定し「保存」をクリックします。
トリガーを設定後、再びGoogle広告の先ほどの画面に戻り「次へ」を選択します。
「完了」をクリックします。
以上でコンバージョンタグの設定完了です。
次に、リマーケティング広告のためのリマーケティングタグをGTMに設定します。
Google広告の管理画面でオーディエンスリストを作成すると「リマーケティングタグ」の設定項目が表示されるので、そこで取得したコンバージョンIDを使用します。
GTMのワークスペースで新規タグを作成し、タグタイプ「Google広告のリマーケティング」を選択、コンバージョンIDに先ほどのIDを入力します。
残りの項目は通常デフォルトのままで問題ありません。
トリガーにはリマーケティング対象としたいページを指定します。
サイト全体の訪問ユーザーをリスト化したい場合は「All Pages」を選択し、タグをサイト全ページで発火させる設定にします。
以上の設定でGTM上にリマーケティングタグが追加され、サイト訪問者データの蓄積が開始されます。
最後に、GTMのプレビュー機能を使って設定したタグが正しく発火するか確認します。
GTM管理画面の「プレビュー」をクリックしてデバッグモードを起動し、自サイトのURLを指定して接続すると、リアルタイムでどのタグが発火したかを確認できます。
画面上のTags Fired(発火したタグ)にコンバージョンリンカーが含まれているか、そしてコンバージョン対象ページを表示したときのみコンバージョントラッキングタグが発火しているかをチェックしましょう。
問題なくタグが動作していれば、GTM管理画面の右上から「公開」ボタンを押して変更内容をリリースします。
これでGTMを用いたコンバージョンタグの設定作業は完了です。
下記の記事でGTMでタグを設定する方法を詳しく解説しているので、ご覧ください。
関連記事:Google広告のコンバージョンのタグの仕組みや設定・確認方法を徹底解説!
GTMを使用せずに、サイトのHTMLソースへ直接コンバージョンタグを埋め込む方法もあります。
こちらはグローバルサイトタグとイベントスニペットのコードを手動でサイトに挿入する手順で、多少工数はかかりますが追加のツールなしで設定可能です。
以下に基本的な手順をまとめます。
まずGoogle広告の管理画面で、計測したいコンバージョンを新規作成します。
Google広告の「ツールと設定」メニューから「コンバージョン」を選択し、コンバージョンの種類として「ウェブサイト」を指定して新しいコンバージョンアクションを追加してください。
コンバージョンのカテゴリや名称、価値など必要事項を入力し、「作成して続行」をクリックするとコンバージョンアクションが作成されます。
最後に「タグを自分で追加する」オプションを選択すると、サイトに埋め込むためのタグコードが取得できます。
次に、取得したコンバージョンタグのコードをWebサイトに設置します。
まずグローバルサイトタグのコードをコピーし、サイト内の全ページの<head>タグ直後に貼り付けます。
続いて、イベントスニペットのコードをコピーし、コンバージョンを計測したいページの<head>内に貼り付けて設定完了です。
例えば購入完了ページがコンバージョン地点であれば、そのページの<head>内に上記2つのコードを追加します。
これにより、ユーザーがそのページに到達した際にグローバルサイトタグが読み込まれてユーザー情報を収集し、直後にイベントスニペットが発火してGoogle広告にコンバージョンが報告されます。
最後にサイトを公開し、実際に広告経由で該当ページに到達してコンバージョンがカウントされるかをテストしましょう。
下記の記事で直接Webサイトにタグを設置する方法を詳しく解説しているので、ご覧ください。
関連記事:Google広告のコンバージョンのタグの仕組みや設定・確認方法を徹底解説!
コンバージョンタグを設定したにもかかわらず計測がされない場合、以下のような原因が考えられます。
それぞれの原因と対処法を確認し、問題を解消しましょう。
GTMのタグがサイト内の一部ページにしか設置されていない場合、コンバージョンが正常に計測されないことがあります。
GTMのコードは<head>用と<body>用の2種類があり、全てのページに両方とも設置する必要があります。
例えば、肝心のコンバージョン発生ページにGTMのコードが埋め込まれていないと、コンバージョンタグ自体が読み込まれず計測されません。
対処法として、サイト内の全ページにGTMコードが漏れなく挿入されているか確認し、不足しているページがあれば追加しましょう。
特にテンプレートを複数使っているサイトや後からページを追加した場合などは、タグの入れ忘れがないか注意が必要です。
GTMコンテナコードをサイトに設置する際、設定場所が不適切だと、タグが正しく動作しない可能性があります。
通常、GTMのスニペットはHTMLの<head>タグ直後と<body>タグ直後に配置するのが正しい手順です。
例えば、GTMのコードを<head>ではなく<body>の末尾に入れてしまった場合、ページ読み込み時に必要なタイミングでタグが発火せずコンバージョンを捉え損ねる恐れがあります。
対処策として、公式ドキュメントに沿った指定箇所(<head>内の最上部と<body>直後)にコードを配置しているか確認してください。
また、タグを設置した後にページのソースを表示し、正しい位置にコードが存在するか目視でチェックすることも有効です。
GTM上でタグやトリガーの追加・変更を行った後、「公開」を忘れてしまうケースもよくあります。
GTMの管理画面では変更を保存しただけでは実際のサイトに反映されず、公開操作を行う必要があります。
新しくコンバージョンタグを設定してプレビューモードで確認しただけで、公開をしていないと、本番環境ではタグが動いていない状態になります。
これでは、いつまで経ってもコンバージョンが計測されません。
プレビューで問題がなければしっかりと公開をしておくようにしましょう。
公開時にはバージョン名や説明を入力できますので、何を変更したか記録しておくと後で管理しやすくなります。
GTMで設定したトリガーの条件が誤っていると、コンバージョンタグが発火せず計測されません。
トリガー作成時には、変数・条件・URLを正しく指定する必要があります。
よくあるミスの例として、ページ読み込みのタイミングで発火させたいのに「Click URL」という変数を選んでしまい、タグが発火しないケースがあります。
また、URLの指定が部分一致なのか完全一致なのか誤って設定しているためにタグが発火しない、といったことも起こりがちです。
対処法として、該当コンバージョンタグのトリガー設定を再確認しましょう。
変数は適切なものを選択しているか、条件(「含む」「等しい」など)は正しいか、そして指定したURLの綴りやパターンに間違いがないかをチェックします。
一つひとつは些細な設定ですが、誤りがあるとタグは動作しないため、丁寧に見直すことが重要です。
GTMでGoogle広告のコンバージョン計測を行う際には、コンバージョンリンカータグの設定が必須です。
このタグを設定していないと、広告クリック情報の引き継ぎが行われず計測の精度が下がり、一部のコンバージョンがGoogle広告側に反映されない場合があります。
特にSafariブラウザではITPによりサードパーティCookieが制限されるため、コンバージョンリンカーなしでは広告クリックとコンバージョンの紐付けが失敗しやすくなります。
「All Pages」のトリガーで配信されているか確認し、設定漏れがあればタグを追加・公開してください。
コンバージョンリンカーを導入することで、広告クリックからコンバージョン発生までのユーザー行動が正確に計測されるようになります。
Google広告の成果を正しく計測するためには、コンバージョンタグの設定は欠かせません。
適切にコンバージョン計測を行うことで、広告の費用対効果を分析し、改善に活かすことができます。
本記事ではGTMを活用した方法と直接設置する方法を紹介しましたが、初心者の方はGTMを利用する方法が安全かつ管理も簡単です。
実際に設定する際は、手順に沿ってタグやトリガーの設定、プレビュー確認、公開まで確実に行いましょう。
もしコンバージョン計測がうまくいかない場合でも、本記事のチェック項目を順に確認することで原因特定と解決に役立つはずです。
正確なコンバージョンデータを取得し、広告運用の最適化にぜひ役立ててください。
Writer GMSコンサルティング編集部 マーケティング部
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