リターゲティング広告とは?仕組みや活用法、運用のコツまで徹底解説 - (株)GMSコンサルティング

リターゲティング広告とは?仕組みや活用法、運用のコツまで徹底解説

2022.3.28

リターゲティング広告とは、広告における配信手法の一種です。仕組みがよく分からない、リターゲティング配信することによって得られるメリット・デメリットを知りたいという方は多いでしょう。こちらでは、リターゲティングの概要をはじめ、配信できる広告媒体や運用のコツについてご紹介します。

 

 

1.リターゲティングとは

 

リターゲティングとは、過去に広告主のWebサイトを訪れたことがあるユーザーに対し、再度広告を表示する手法です。過去に訪れたWebサイトの広告を表示することで、広告主を思い出す機会を与えます。通常のバナー広告よりも、クリック率(CTR)やコンバージョン率(CVR)が高くなる傾向があります。Google広告においては、リターゲティングのことを「リマーケティング」、Yahoo!ディスプレイ広告は「サイトリターゲティング」と呼んでいますが、意味は同じです。

 

 

2.リターゲティングの仕組み

 

リターゲティングを行うには、Google広告やYahoo!広告などのシステムを使って、配信する必要があります。もしくは広告代理店経由で配信します。Webサイトを訪れたことのあるユーザーをどのようにたどっていくのか、疑問に思われる方も多いでしょう。こちらでは、リターゲティングの仕組みについて詳しく解説していきます。

 

 

2-1 タグを設置する

 

リターゲティングを行うには、ユーザーがサイトに来たことを判別する準備が必要です。判別は、配信事業者が提供する「リターゲティング用のタグ」をWEBページに設置して行います。タグを対象ページに貼り付けることによって、リターゲティングが行えるようです。

 

 

2-2 cookieが付与される

 

タグを設置したページにユーザーが訪れると、配信事業者のサーバーから閲覧履歴の記録として、CookieIDが発行され、ユーザーのブラウザに保存されます。配信事業者のサーバーには、ユーザーが訪れることで得たCookieIDを基に、リターゲティング用の配信リストが作成されていくという仕組みです。

 

 

2-3 配信リストを作成する

 

リターゲティング広告用の配信リストが蓄積されると、リターゲティング広告の配信が可能です。広告を配信する際は、配信するユーザーを決めなくてはなりません。どのページに訪れたユーザーに配信するかを絞ることも出来ます。

 

リターケティングの質を左右するのは、ユーザーの質が非常に重要です。例えば、100人分のユーザーリストがあった場合、コンバージョンに近い30人が含まれたユーザーリストと、10人しか含まれていないリストであれば、断然前者が有利です。

 

リストを作成する際は、トップページにのみ訪問して離脱したユーザーは、購入に繋がりにくいと判断し、除外することが可能です。リターゲティングしなくても継続購入する可能性があるユーザーは、獲得対象から除外しても良いでしょう。ユーザーのアクセス履歴以外にも、ユーザーの年齢・性別・地域などで、除外することも可能です。

 

 

3.リターゲティング配信をするメリット

 

リターゲティング配信をすることは、どのようなメリットをもたらすのでしょうか。ここでは、リターゲティングによって得られる、3つの大きなメリットについて解説します。

 

 

3-1 配信ターゲットを絞り込める

 

リターゲティング広告は、Cookieを基に配信ターゲットを絞り込むことが可能です。ユーザーのCookieには、「トップページにのみ訪問して離脱した」「商品詳細ページまで訪問した」「カートに商品を入れたが購入には至らなかった」「商品を購入した」など、細かな情報が含まれます。

 

例えば、過去に自社商品やサービスを閲覧したユーザーに広告を配信すると、一斉に広告を配信する場合よりも、的外れな広告や無駄な表示を減らすことができます。リターゲティング広告は、「商品詳細ページまで訪問した」ユーザーに対して、同一商品の広告を1週間後に出す設定なども行えます。また、Cookieを基に「購入済ユーザーには配信しない」などの除外設定を行えるため、広告の無駄打ちを防ぐことも可能です。

 

 

3-2 コンバージョン率が高い

 

リターゲティング広告は、訪問ユーザーが取った行動を把握できます。商品やサービスに対する温度感に合わせて、ユーザーが欲している情報を、良いタイミングで配信することが可能です。既に商品やサービスについて認知しているユーザーや、購入や資料ダウンロードなどアクションする確率の高いユーザーに対して、購入意欲が高まっているタイミングで、直接アプローチできます。リターゲティング広告は、一般的な広告よりもコンバージョン率が高くなります。

 

 

3-3 比較・検討のため離脱したユーザーを取り戻しやすい

 

ユーザーがWebサイトへ訪問する際は、既に購買意欲が高く、商品やサービスを購入することもありますが、他社製品と比較・検討するために訪れることもあります。比較・検討するために、一度離脱したユーザーにリターゲティング広告を配信することで、再アプローチすることも可能です。特に、BtoBの商品やサービスは、一般的な消費者向けのものよりもリードタイムが長くなる傾向があります。そのため、Webサイトへ訪問したことすら忘れられているケースもあります。リターゲティング広告によって再び配信することで、自社商品やサービスを思い出してもらう良いきっかけとなるでしょう。

 

 

4.リターゲティング配信が向いていない場合

 

リターゲティング配信は、条件によっては、デメリットになることがあります。こちらでは、リターゲティング配信が向いていない2つのケースをご紹介します。

 

 

4-1 リストのボリュームが少ない

 

リターゲティング広告の一番広いセグメントは「サイトに訪れた全ての人」です。しかし、サイトを訪れるユーザーのボリュームが少ない場合は、リターゲティング広告で配信するターゲットの数も少なくなります。結果的に配信量がわずかなため、見込めるコンバージョン数も少なくなってしまうでしょう。

 

リターゲティング広告を行うには、入稿や運用業務が発生するため、見合った結果や工数に伴うかを考えてから配信する必要があります。リストのボリュームが十分であるかを配信前にチェックすることは大切です。ボリュームが十分であるかどうかは、管理画面で確認できます。

 

 

4-2 新規ユーザーや潜在顧客の確保はできない

 

リターゲティング広告は、Webサイトへ訪問したことがあるユーザーに対して配信されるため、新規ユーザーの取り込みには向いていません。広告を配信する際には、リターゲティング広告だけでなく、ディスプレイ広告やリスティング広告など、新規顧客を獲得できる他の広告配信も合わせて運用するようにしましょう。

 

 

5.リターゲティング配信ができる広告媒体

 

リターゲティング配信を行いたいと思っても、広告配信事業者が対応していなければ配信できません。こちらではリターゲティング配信が可能である、代表的な5つの広告媒体についてご紹介します。それぞれに特徴も異なるので、自社に合った媒体が選べるように比較検討してください。

 

 

5-1 Googleディスプレイ広告(GDN)

 

Google ディスプレイネットワーク(GDN)は、YouTubeやGmailなどのGoogleが提供するサービスに加えて、livedoorブログや食べログなどの提携サイトで広告が配信できます。GDNでは、リターゲティング配信のことを「GDNリマーケティング」と呼びますが、呼び方の違いと捉えて構いません。GDNのリマーケティングには、以下のようなターゲティング方法があります。

 

・標準のリマーケティング

・動的リマーケティング

・検索広告向けリマーケティング

・アプリのリマーケティング

・動画リマーケティング

・Googleアナリティクスのリマーケティング

・顧客費用を利用したリマーケティング

 

GDNリマーケティングを利用するには、審査が行われます。「キーワード」「広告文」「広告クリエイティブ(画像・動画)」「リンク先URL」が審査対象です。通常1営業日以内に実施、結果が通知されますが、内容次第では時間がかかるケースもあります。

 

 

5-2 Yahoo!ディスプレイ広告(YDA)

 

Yahoo!ディスプレイ広告(YDA)は、Yahoo!JapanやYahoo!ニュースなどのYahooが提供するサービスや、All Aboutやクックパッドなどの提携サイトでの配信が可能です。YDAでは、リターゲティングのことを「サイトリターゲティング」と呼びます。ユーザーが過去に自社サイトに訪問してからの日数を、1日〜最長540日間まで設定できます。ターゲットリストの作成では、以下のような方法でターゲットを絞り込むことが可能です。

 

・条件リストを作成

特定のページにアクセスしたユーザーに広告配信できる。条件(URL・カスタムラベル・参照元URL・ページ種別・イベント種別・カテゴリーID・商品ID)を指定してリストを作成

 

・組み合わせリストを作成

複数のリストを組み合わせてリストを作成

 

・類似リストを作成

「基にするターゲットリストのユーザー層に類似した人」に広告を配信できる。類似の拡張範囲を1〜10のレベルで設定可能

 

・カスタムリストを作成

広告主が独自で蓄積、分析をして作成したユーザーリストを利用してリストを作成

 

 

5-3 Facebook・Instagram広告

 

Facebook・Instagram広告では、Facebook・Instagramをはじめ、グノシー、食べログ、ジモティーなどの提携サイトで、配信可能です。リターゲティングで利用できる主要なリストの種類は、以下のとおりです。

 

・Webサイトにアクセスした全ての人

・特定のWebページにアクセスした人

・Webサイトに滞在した時間別のビジター

 

 

5-4 LINE広告

 

LINE広告では、トークリストやLINE NEWS、LINE VOOMなどで配信可能です。オーディエンス配信の一種である「類似配信」を使うことで、ターゲットとなるユーザーに、類似するユーザーをLINEユーザーから抽出して、配信することも可能です。類似度は、1〜15%の範囲で設定が可能です。リターゲティング広告の欠点は新規顧客の獲得が難しい点ですが、類似配信を使うことで、まだ接点のない新規ユーザーへアプローチすることも可能です。

 

また、LINE広告では、LINE広告公式アカウントとのデータ連携が可能なので、LINE公式アカウントでメッセージをクリックしたユーザーに配信することも可能です。昨今、個人情報保護の観点から、cookieの利用制限が進められていますが、LINE広告では、LINE内で蓄積されたデータを使うので、利用制限の影響を受けません。

 

 

5-5 Twitter広告

 

Twitter広告では、Twitter上のツイート部分に表示される広告「プロモツイート」、おすすめユーザー欄に表示される「プロモアカウント」、今話題となっているトピックやキーワードが表示される「プロモトレンド」が主な配信面です。Twitter広告のリターゲティングは、一般のツイートやおすすめユーザー、トレンド欄に混ざって表示されます。宣伝色が薄くなりますが、広告にうんざりしているユーザーに嫌悪感を持たれることは少ないでしょう。リターゲティング配信が可能な主なリストの種類は、以下のとおりです。

 

・ツイートの表示歴またはエンゲージメント歴があるユーザー

・ツイート内にあるURLを経由して、ランディングページなどへアクセスしたことがあるユーザー

・アプリのインストールなどを行ったことがあるユーザー

 

 

6.運用のコツ

 

過去にWebサイトへ訪問したことがあるユーザーに対して、リターゲティング広告を配信することは、コンバージョン率が高いのでおすすめです。さらにリターゲティング広告を効果的にするためのコツを3点ご紹介します。

 

 

6-1 サイト訪問からの日数でリストを分ける

 

ユーザーがサイト訪問してからすぐにリターゲティングを行う場合、コンバージョンしやすいという特徴があります。しかし、ユーザーが検討する期間の長さは、商品やサービスによって異なりますので、商材ごとに検証や分析を行うことが大切です。サイト訪問からの日数でリストを分けて管理することで、サイト訪問からどのくらいの期間が経過しているユーザーがコンバージョンにつながりやすいのかを分析することが可能です。

 

 

6-2 サイト内の行動によってリストを分ける

 

サイトの訪問を基準にするのではなく、「カート追加」や「お問い合わせフォームへの遷移」といったアクションする確率の高いユーザーごとに、リストを分けるのもおすすめです。サイト訪問者よりも購買意欲が高いユーザーに対して配信が可能です。

 

 

6-3 クリエイティブの訴求をわける

 

新規ユーザーとは異なり、リターゲティング広告は、既に自社の商品やサービスを知っているユーザーです。ただ商品やサービスの説明をするのではなく、商品やサービスを知っている前提で、訴求の仕方を変えるのがポイントです。他社と比較検討しているユーザーの心に刺さるように、「他社製品との違い」や「実際に使用したユーザーの声」など、一歩踏み込んだアピールが効果的と言えるでしょう。

 

 

7.制限が厳しくなっている

 

近年、個人情報保護の背景から、Google・Yahoo!などの大手のプラットフォーマーで、Cookieの規制を強化している傾向があります。リターゲティング広告は、Cookieを利用して配信します。こちらでは、Cookie規制の背景やプライバシー保護機能を解説します。

 

 

7-1 Cookie規制の背景

 

まず初めに、Cookieには以下の2種類があることを知っておきましょう。

 

 

サードパーティーCookie(3rd Party Cookie)の第3者がCookieを発行する仕組みとして、例えばユーザーがサイトAに訪れたつもりでも、実際はサイトAだけでなく、広告に紐づけられているドメインBにも訪れていることになっています。この例の場合は、ユーザーはサイトAからもドメインBからもCookieを発行されます。

 

Cookieは、マーケティング活動を行う企業にとって大きなメリットですが、ユーザーが意識していないドメインBのような場所からも、Cookieが発行されてしまうため、「サードパーティーCookie」がプライバシー侵害の点でで問題視されているのです。

 

日本国内における2021年5月のシェア率(デスクトップ、タブレット、モバイルを含む)の各ブラウザのシェア率*は以下のとおりです。

 

1位 Chrome(44.99%)

2位 Safari(36.43%)

3位 Edge(8.11%)

4位 Firefox(3.19%)

5位 IE(3.05%)

 

ChromeとSafariだけでも、全体の80%以上のシェアを占めていることが分かります。日本国内で高いシェア率を占める、Chrome(Google社)、Safari(Apple社)は、Cookie規制に向けて既に動いています。現在や今後のCookie規制についてチェックしてみましょう。

 

*参考:statcounter GlobalStats「Browser Market Share Japan」

 

 

7-2 Safariのプライバシー保護機能

 

ブラウザ「Safari」を提供する米Apple社では、ユーザーのプライバシーを守るために、2017年にSafariの機能として、「ITP(Intelligent Tracking Prevention)」の搭載をスタートさせました。これはiOSとMacに搭載されたブラウザの「Safari」内で、サードパーティーCookieを利用したユーザーの行動データの収集を制限するものです。

 

2017年に開始されたITP1.0では、サードパーティーCookieが24時間を超えると無効化されていましたが、Apple社ではアップデートを繰り返し、2018年以降は即時に無効化しています。ファーストパーティーCookieにおいても、2017年に開始されたITP1.0では無制限でしたが、2019年2月には7日間に、同年4月には24時間に変更されました。

 

 

7-3 Chromeのプライバシー保護機能

 

ブラウザ「Chrome」を提供するGoogle社も、Apple社の後を追い、2020年1月に2年以内に「Chrome」で、Webサイト閲覧者の行動をトラッキングできる、サードパーティーCookie)の利用を規制することを発表しました。今後、2022年後半と2023年半ばにステージを分けて廃止し、2023年後半の約3か月でChromeは、サポートを段階的に廃止する予定となっています。

 

 

8.まとめ

 

リターゲティング広告の仕組みや運用方法をご紹介しました。

 

メリット・デメリットはありますが、見込み客に再アプローチしたい場合にはおすすめの方法です。配信ができる広告媒体によっても特徴や配信面が異なるので、自社に合ったリターゲティング広告を選択してください。

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