SNSマーケティングにおいて、「エンゲージメント率」という言葉を耳にしたことがある方は多いでしょう。この記事では、エンゲージメント率の重要性をはじめ、各SNSのエンゲージメント率の算出方法や、エンゲージメントを獲得する方法を解説します。SNSユーザーとの繋がりを増やしたい方は、ぜひ注目してください。
目次
1.SNSマーケティングにおけるエンゲージメント率とは
SNS投稿に対して、ユーザーのリアクションがどれだけあったかを表す指標が、エンゲージメント率です。エンゲージメント率を見ることで、投稿に対する反応度合いを知ることができます。
SNSマーケティングでは、フォロワー数を指標にする場合があります。しかし、必ずしもフォロワー全員が投稿を見ている訳ではありません。エンゲージメント率は、投稿を見た人のうち、アクションを起こしてくれた割合を表す指標です。エンゲージメント率を見れば、ユーザーから支持を得られているかを判断できます。投稿の効果を数値で可視化できるので、SNSを運用していく上で、とても重要な指標です。
1-1 エンゲージメントとは?
エンゲージメント(engagement)とは、直訳すると「約束・契約」です。マーケティング用語では、企業と一般ユーザー(消費者)の繋がりを意味します。各種メディアを通してユーザーからの好感を得ることで、積極的な関与や行動が伴うなどの深い結びつきができる状態のことを指します。
SNSマーケティングにおけるエンゲージメントとは、「いいね!」「RT」「コメント」など、ユーザーからのリアクションを指します。企業や商品をユーザーに認知させるだけではなく、購買に繋がるような能動的な要求を芽生えさせ、実際の行動によって広告効果を測ります。従来のマーケティングと異なる点は、消費者の積極的な行動を指標化することです。
1-2 各SNSのエンゲージメント率の算出方法
SNSによって、エンゲージメントの定義が異なります。エンゲージメント率の算出方法にも違いがありますので、4つの人気SNSのエンゲージメント率の算出方法を解説します。
1-2-1 Facebook
Facebookのエンゲージメント率を計算する数式は、以下のとおりです。
エンゲージメント率=エンゲージメント総数÷リーチ数×100 |
リーチ数とは、投稿を見たユーザー数を表します。
Facebookのエンゲージメントの項目は以下の4種類です。エンゲージメント総数とは、以下の4項目を全て足した数です。例えば、エンゲージメント総数が30で、リーチ数が100の場合、エンゲージメント率は30%です。Facebookの場合、1人が「いいね!」と「コメント」をしたとしても、エンゲージメント総数は「1」とカウントされます。
- いいね!
- コメント
- シェア
- 投稿のクリック
エンゲージメント率を確認する手順は以下のとおりです。
1.ページ上部のメニューから「インサイト」を選択
2.左メニューから「投稿」を選択
3.投稿をタップし、エンゲージメント率を確認
1-2-2 Instagram
Instagramのアナリティクスには、エンゲージメントという項目はありますが、エンゲージメント率はありません。ただし、投稿・ストーリーズ・宣伝において、ユーザーの反応を集計した数字を提供しています。数字を参考にして、エンゲージメント率の計算が可能です。Instagramで、エンゲージメント率を計算する場合の数式は以下のとおりです。
エンゲージメント率=エンゲージメント総数÷インプレッション数またはフォロワー×100 |
インプレッション数とは、広告の表示回数を表します。
Instagramのエンゲージメント率を計算する際に、分子になり得る項目は、以下の3つが考えられます。
- いいね!
- コメント
- 投稿の保存
エンゲージメントを確認する手順は以下のとおりです。
1.プロフィールのオプションから「ビジネスプロフィールに切り替える」をクリック
2.投稿写真の下に表示される「インサイトを見る」をタップ
1-2-3 TikTok
TikTokもInstagram同様に、公式にエンゲージメント率は表示されていません。自身でエンゲージメント数を確認して算出します。エンゲージメント率の算出方法は以下のとおりです。ページビュー数とは、ユーザーがページを閲覧した回数を表します。
エンゲージメント率=エンゲージメント総数÷ページビュー数(PV数)×100 |
ページビュー数とは、ユーザーがページを閲覧した回数を表します。
分子になり得る項目は、以下の5つが考えられます。
- 動画の視聴
- プロフィールの表示回数
- いいね!
- コメント
- シェア
TikTokでエンゲージメントを確認する手順は以下のとおりです。
1.画面右上の「Ξ」をタップ
2.「クリエイターツール」をタップ
3.「インサイト」でエンゲージメントを確認
1-2-4 Twitter
Twitterのエンゲージメント率の算出方法は以下のとおりです。Twitterでは、分母をインプレッション数にしています。そのため、1人のユーザーが何度もツイートを見て異なる反応をした場合、複数回の表示と反応として計算されます。例えば、「いいね!」「リツイート」「リンクのクリック」をした場合のエンゲージメント総数は、3です。
エンゲージメント率=エンゲージメント総数÷インプレッション数×100 |
Twitterのエンゲージメントの項目は以下の8種類です。
- いいね!
- リツイート
- リプライ
- ツイートの詳細表示
- 投稿経由のフォロー
- 画像、動画のクリック
- リンクのクリック
- プロフィールのクリック
投稿の下に、日付・リツイート・いいね数と一緒に、「ツイートアクティビティを表示」という項目があります。項目をタップすれば、投稿のエンゲージメント率を確認できます。
2.なぜSNSマーケティングでエンゲージメントを重視するのか?
以前は、テレビCM・新聞・雑誌の広告によって、消費者が商品を認知して購入する流れが一般的でした。現在は、インターネットの普及によって、オンラインで能動的に情報を得て、SNS等で発信することが可能になりました。現代は双方向からのやり取りに変わっています。そのため、企業と消費者の繋がりを意味する、エンゲージメントを重視する流れになっています。さらに、現代のマーケティングにおいて、エンゲージメントが重視される2つの理由を解説します。
2-1 SNSマーケティングでエンゲージメントが重要な理由①ユーザーとの関係性を可視化できる
多くの企業の場合、ブランドや商品の認知度向上や売上拡大を目指し、SNSを運用していることが多いでしょう。目標を達成するためにフォロワーを増やすことは、企業にとって大切な目標です。しかし、フォロワー数が多くても、投稿や広告をどの程度見られているかの把握はできません。
エンゲージメントを確認することで、実際に投稿を見てくれるユーザーとの関係性を可視化できるメリットがあります。もし、エンゲージメント率が低い場合は、リーチ数やインプレッション数が多くても、心に響いていない投稿・商品であることが考えられます。逆に、エンゲージメント率が高い場合は、ユーザーにとって注目すべき情報や、求められている商品であることが分かります。
ユーザーの反応を見ることで、どのような投稿や商品が求められているのか、判断がしやすくなるでしょう。エンゲージメント総数を上げることで、ユーザーの興味関心が把握でき、企業目標でもあるブランドや商品の認知度向上や、売上拡大に繋がっていきます。
2-2 SNSマーケティングでエンゲージメントが重要な理由②投稿の効果を正確に測定できる
重要なことは、投稿後の分析です。エンゲージメント率が高い投稿は、他の投稿にも活用できます。反対に、エンゲージメント率が低い投稿は、悪い部分を改善することで、より良いSNS運用に繋がるでしょう。フォロワーの数では、ユーザーの嗜好までは分かりません。しかし、エンゲージメントの場合は、投稿の効果によって、ユーザーの好み・興味・関心がある情報や商品を紐づけて、把握しやすくなります。
3.SNSマーケティングでエンゲージメントを獲得する為の4つのポイント
エンゲージメントの意味や重要性は理解できたと思いますが、どのように獲得していけば良いか分からない方も多いでしょう。そこで、効果的な4つの方法をご紹介します。
3-1 ペルソナを明確にし投稿に一貫性があること
発信する際は、できるだけ多くの人に認知してほしいので、「万人受け」を狙ってしまいがちです。しかし、当たり障りが無く万人受けする内容は、誰の心にも刺さらないこともあります。全ての人のエンゲージメント獲得を目的とせず、ペルソナの心に刺さる投稿を目指しましょう。
ペルソナとは、自社が情報を届けたいターゲット層の架空の人物設定です。例えば、年齢・性別・所在地などの基本情報から、年収・趣味・休日の過ごし方まで、細かくパーソナリティを作りこみます。ペルソナ設定ができたら、「このペルソナはアクションするかどうか」を基準に投稿内容を考えましょう。
ペルソナを、「20代の前半の都心在住女性。流行に敏感で、休日は流行りのスポットに出かけ、話題のスイーツなどをSNSに投稿する」と設定したとします。ペルソナの心に刺さるような商品選定、投稿内容を定めるのが大切です。ペルソナの好み・興味・関心から逸れないためにも、ペルソナに関係ない投稿は行わないなど、ぶれを感じさせない一貫性も必要です。
しかし、実際に運用を始めると、自社のターゲットとペルソナとのズレを感じることもあるでしょう。エンゲージメントを確認し、ユーザーの反応を見ながら、自社製品やサービスに合うようにペルソナ設定の改善をしていくのもおすすめです。
また、企業のSNSは、利益を求める団体として運用するのが前提です。SNSを通して、どのように企業や商品をアピールしていくか、方向性をしっかり定めておく必要があります。投稿に一貫性があると、企業や商品の世界観に興味を持つユーザーやファンができ、フォロワーやエンゲージメントの増加に繋がります。
3-2 ユーザーとのコミュニケーションを増やす
ユーザーとのコミュニケーションを意識して増やすことで、企業とユーザーの繋がり(=エンゲージメント)を増やせます。ユーザーとのコミュニケーション方法の具体例は、以下のとおりです。
- 投稿に寄せられたコメントへの返信
- ユーザーの投稿への「いいね!」や「コメント」
- 質問の募集および回答
- DMへの返信
ユーザーは、企業からの反応が返ってくると、親しみやすさを感じ、積極的にアクションを起こしやすくなります。ただし、あまりにもフレンドリーすぎる対応は、冷めた反応が返ってくる場合もあるので注意が必要です。あくまでも企業アカウントとして、節度を持って運用しましょう。文章の口調や語尾、絵文字や顔文字の有無など、企業内でトンマナやレギュレーションを決めておくと、企業イメージや設定がぶれずにコミュニケーションできます。
3-3 投稿日時や頻度など安定した運用を心がける
エンゲージメント率を上げるには、より多くの人にリーチするために、ユーザーがアクティブな時間帯に投稿するのが理想的です。
SNSによっても異なりますが、一般的にアクティブ率が高いのは、以下のような時間帯です。しかし、ペルソナによって、おすすめの投稿時間は変わります。通勤・通学しているようなペルソナであれば、下記のような時間帯が良いでしょう。子育てに忙しい女性の場合などは、家族を送り出して一段落した、朝からお昼までの10〜12時までがベストなこともあります。ペルソナの生活パターンによって投稿日時を意識してみましょう。
- 7~9時 朝の通勤・通学時間
- 12~13時 昼休み・休憩時間
- 20~23時 夕食後のリラックスタイム・自由時間
また、投稿頻度も大切なポイントです。SNSの性質によってベストな投稿頻度は異なりますが、あまりにも更新頻度が多い場合は「うるさい」と感じられる場合もあるので、注意が必要です。新製品発売の際は、頻繁に更新されてうるさいくらいなのに、それ以外は一切更新されずに数週間投稿されないなどのケースは、ユーザーに不信感を与えることがあります。投稿頻度をSNSの性質に合わせて、「1日1回」「週に2〜3回」など、あらかじめ決めておくのもおすすめです。
3-4 ユーザーと目線を合わせる
せっかく投稿しても、ユーザーが欲しい情報でない場合や、投稿のタイミングがユーザーの生活リズムに合っていない場合は、見つけてもらえません。ペルソナを明確にしておくと、ユーザーの欲しい情報や生活パターンが、より明確です。ユーザーと目線を合わせ、生活パターンに合わせたタイミングで、ユーザーが欲しい情報の投稿を行うことで、エンゲージメントは高まるでしょう。
また、TwitterやInstagramでは、ハッシュタグによる検索が盛んに行われています。ユーザーの目に留まりやすくするためにも、ハッシュタグを盛り込んだ投稿にするのもおすすめです。ユーザーにとって、欲しい情報が得られやすくなります。ハッシュタグで検索することは、目的を持って情報を探しています。ユーザーの目的と企業の投稿内容がマッチすれば、エンゲージメントに繋がりやすくなります。
4.まとめ
インターネットが普及し、ユーザーはオンラインで能動的に情報を得られるようになりました。そのため、企業とユーザーの双方向からのやり取りは、マーケティングにおいて重要視されるようになりました。投稿に対する反応の度合いが分かるエンゲージメント率は、企業がSNS運用を行うにあたって欠かせない指標です。今回は、SNSごとの算出方法や、エンゲージメントを獲得する為のポイントを解説しました。自社のエンゲージメント率を高めるために、ご紹介した内容を活用してください。
私たちは現在の自分に甘んじず、チャレンジをすることで、お客様にプロとしての価値を提供いたします。常に知識・技術をアップデートし、お客様の成長に貢献してまいります。
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