Google広告やYahoo!広告などの、リスティング広告を検討されている方は多いでしょう。リスティング広告を始める際は、自社にとってどのような種類を選んだら良いのか、何から始めたら良いのかといった判断が必要です。こちらでは、リスティング広告のメリット・デメリットを詳しく解説します。それぞれをよく理解したうえで、自社にとって何が良いのかを判断していきましょう。
目次
1.リスティング広告とは?
リスティング広告は、Web広告の手法です。以下の図のように、「検索連動型広告」と「ディスプレイ広告」の2種類に分けられます。
ただし、「検索連動型広告」をリスティング広告と呼ぶこともあり、リスティング広告を「検索連動型広告」の意味で使っている人も多いので、注意が必要です。広義では、「検索連動型広告」と「ディスプレイ広告」をまとめた名称、狭義では「検索連動型広告」です。
リスティング広告の話をする際は、相手の言葉や文脈で、広義・狭義のどちらの話をしているかを判断しなければなりません。「検索連動型広告」と「ディスプレイ広告」のそれぞれの意味について、さらに詳しく解説します。
1-1 検索連動型広告
検索連動型広告とは、リスティング広告の1つで、ユーザーが検索エンジンで検索したキーワードに連動して掲載されるテキスト広告です。リスティング広告、PPC広告(Pay Per Click広告)と呼ばれる場合もあります。広告は、ほとんどの場合は検索窓のすぐ下に表示されるのが特徴です。ユーザーが検索したワードと関連した広告を表示することで、ニーズが明確なユーザーに訴求できます。
特徴・掲載場所 |
検索連動型:検索結果に表示 |
---|---|
広告形式 |
テキスト |
ターゲティング設定 |
キーワード、ユーザー情報など |
費用 |
クリック課金制 |
主要プラットフォーム |
Google検索広告、Yahoo!検索広告など |
1-2 ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは、画像や動画、テキストを使った広告です。Webサイトやアプリ上などの広告枠に表示されます。バナー広告や動画広告などは、全てディスプレイ広告に分類されます。商品に興味がありそうな潜在層への配信が可能です。検索連動型広告よりも、より幅広いユーザに訴求できます。
特徴・掲載場所 |
コンテンツ連動型:Webサイトやアプリ内に表示 |
---|---|
広告形式 |
テキスト、画像・動画 |
ターゲティング設定 |
ユーザー情報、興味・関心、リターゲティングなど |
費用 |
クリック課金制、インプレッション課金制 |
主要プラットフォーム |
Googleディスプレイネットワーク Yahoo!ディスプレイアドネットワーク YouTube広告 など |
ディスプレイ広告について詳しく知りたい方はこちら
2.検索連動型広告のメリット・デメリット
ユーザーが検索エンジンで検索したキーワードに連動して掲載される、「検索連動型広告」のメリット・デメリットを解説します。
2-1 メリット
検索連動型広告の主なメリットとして、以下の5点が挙げられます。
2-1-1 顕在層への配信が可能
顕在層とは、何らかの課題があり、解決や比較をするために検索を行うユーザー層を指します。例えば、ユーザーが新しい洗濯機を探している場合、「洗濯機 最新」「洗濯機おすすめ」などのキーワードを入力して、洗濯機の情報を得ようとします。今、洗濯機を必要としていない人よりも、洗濯機の情報を欲していると判断できます。つまり、顕在層に対して関連する広告が表示されることは、コンバージョンに至る可能性が高いと言えるでしょう。
2-1-2 ターゲットを詳細に設定可能
検索連動型広告は、キーワードを設定することで、広告を届けたいユーザーに届けられますが、ターゲットを詳細に設定できる点もメリットです。例えば、以下のようなターゲティングが行えます。
- 地域
- 性別
- 年齢
- 興味関心
- 過去サイトに訪れたユーザー
- 世帯年収
- デバイス など
また、特定の性別・年齢・地域などに配信するため、除外設定も可能です。成果の出やすい設定で配信できるだけでなく、無駄な広告費を抑えられるメリットもあります。
2-1-3 自由度の高い広告文作成が可能
検索連動型広告では、規定の範囲内であれば広告文を自由に作成可能です。文字数や使用可能な記号などの制限はありますが、オリジナリティ溢れる広告文で、自社商品の良さを存分に紹介できる点がメリットです。検索語句と訴求内容がマッチしている場合や、目を引くインパクトのある広告文はクリック率が上がりやすい傾向があり、クリック単価が下がりやすくなるメリットもあります。
2-1-4 検索結果上位に表示可能
検索連動型広告が表示される広告枠は、検索窓のすぐ下の検索結果です。オーガニック検索で1位を獲得しているサイトは上位に表示されますが、検索連動型広告はオーガニック検索で上位のサイトよりもさらに上に表示されます。本来上位表示が難しいキーワードでも、広告枠に表示されることで、検索ユーザーの目に留まりやすいメリットがあり、高い集客効果が見込めます。
2-1-5 即効性が高い
検索連動型広告は、出稿した日から成果を上げることが可能です。自然検索結果でWebサイトを上位に上げてきて流入を得るSEOは、効果が出るまでに数か月から年単位の時間が掛かる場合があります。それに比べて検索連動型広告は、効果が出るまでに手間や期間が掛からず、即効性が高いのがメリットです。さらに、SEOでは上位表示が難しいビックワードや、顕在層に対してのキーワードにも広告配信できます。
2-3 デメリット
検索連動型広告の主なデメリットとしては、以下の3点が挙げられます。
2-3-1 検索する人にしか訴求できない
検索連動型広告は、検索行動を取っている顕在層のユーザーが対象の広告です。つまり、検索を行わない潜在層にはアプローチができず、潜在層をターゲットとした自社商品やサービスの認知・拡大には向いていません。また、ターゲットを細かく設定できる点がメリットと言えますが、ターゲットを絞り込み過ぎると配信するユーザーが居なくなり、配信ができなくなります。
2-3-1 運用に手間がかかる
検索連動型広告は、出稿したら終わりではなく、市場の変化やトレンドの動向に気を配る必要があります。配信するまでの手間はさほどかかりませんが、初期設定のままで思うような成果が出ることはまずありません。効果を改善して成果を出すためには、広告運用を行うのが必須です。
運用には、広告費の消化状況・不要なキーワードの除外・品質スコアの改善などがあり、手間が掛かると感じる方は多いでしょう。また、専門知識も必要で、手間だけではなく時間や工数も掛かります。しかし、運用に手を掛けることで売上に直結しやすくなるので、根気強く向き合う必要があります。
2-3-2 広告を避けるユーザーが一定数いる
広告を避けるユーザーは、一定数居ます。検索連動型広告は「広告」と表示されるため、普段から広告を避けているユーザーは、広告自体をクリックしない傾向があります。顕在ニーズがあるターゲットに配信できても、一定数のユーザーは見ない場合があることを認識しておきましょう。
2-3-3 ターゲットの数に限界がある
獲得見込みユーザーの数には限界があります。限界以上の予算を掛ければ、ターゲットユーザーから多少離れたユーザーにも広告が配信されてしまいます。ターゲットユーザー以外に配信されると、費用が掛かるだけではなく、獲得にもつながりにくくなるので、注意が必要です。
3.ディスプレイ広告のメリット・デメリット
ここからは、Webサイトやアプリ上などの広告枠に表示される、「ディスプレイ広告」のメリット・デメリットを解説します。
3-1 メリット
ディスプレイ広告の主なメリットは、以下の4点が挙げられます。
3-1-1 潜在層にアプローチ可能
潜在層とは、自社商品やサービスに対して興味・関心があっても、具体的な知識が少なく、自社商品やサービスを認知していないユーザー層を指します。例えば、何か良いものが見つかれば購入したいけれどまだ見つかっていない場合や、今使っている商品が壊れたら新しいものを購入しようと考えているユーザーなどです。
顕在層には、検索連動型広告が向いていますが、そうでない潜在層には、ディスプレイ広告がおすすめです。潜在層は、すぐには情報を求めていないものの、今後、購入やサービス利用の可能性があります。そのため、画像や動画を使用して広告を配信することで、記憶に残りやすいアプローチができます。
3-1-2 画像や動画など視覚で訴求が可能
検索連動型広告はテキストのみの広告ですが、ディスプレイ広告は画像や動画を使うことが可能です。テキストのみの広告と比べると、表現できるメッセージ量や幅が圧倒的に充実しています。実際の商品画像や使用例など、視覚や音による訴求が可能で、商品やサービスを利用した際のイメージが膨らみやすいのがメリットです。また、自社のロゴやイメージを画像や動画で見せることで、ユーザーの記憶に残りやすくなります。
3-1-3 検索連動型広告と比べクリック単価が低い
検索連動型広告は、競合とのオークション形式による広告配信なので、検索ボリュームが大きく、競合が多いキーワードは入札金額が高くなる傾向があります。ディスプレイ広告は、関連するWebサイトやアプリへの配信がメインです。検索連動型広告により、クリック単価が低くなりやすい傾向があります。
3-1-4 リマーケティング・リターゲティングによる後追いが可能
ディスプレイ広告の配信方法のひとつに、リマーケティング・リターゲティングがあります。それぞれ、配信先によって呼び名が違い、Google広告ではリマーケティング、Yahoo!広告ではリターゲティングと呼ばれます。過去に、自社のホームページやランディングページに訪れたことのあるユーザーに対して、広告を配信できる広告手法です。検索経由もしくは広告経由などでページを訪れたユーザーは、商品やサービスに興味がある可能性が高く、コンバージョンにつながりやすい傾向があります。適切な広告訴求を続けることで、ユーザーの購買意欲を高められるでしょう。
3-2 デメリット
ディスプレイ広告の主なデメリットは、以下の3点が挙げられます。
3-2-1 コンバージョン率が低い
顕在層が訪問しやすい検索連動型広告に比べて、商品理解や検討中のユーザーなどの幅広い潜在層にアプローチするディスプレイ広告は、コンバージョン率が低い傾向があります。今すぐ情報が欲しい場合や、現在商品やサービスを探している場合の顕在層と比べ、潜在層は急を要していないので「後でいいや」という気持ちがあります。
また、ディスプレイ広告は、ユーザーに自社の商品やサービスを認知・拡大させるのに向いているので、申し込みや購買は少なくなってしまう傾向があります。自社の広告の目的を明確にし、コンバージョンを目的とするなら検索連動型広告、商品やサービスの認知・拡大を目的とするならディスプレイ広告と、使い分けるのがおすすめです。
3-2-2 効果分析が難しい
検索連動型広告は、ユーザーがクリックしてくれそうな言葉を広告文に入れることで、クリック率の向上が見込めます。しかし、ディスプレイ広告は、テキスト広告だけでなく、バナー広告、画像と文章を組み合わせて配信するレスポンシブ広告など、さまざまな種類の広告を配信することが可能です。配信面の幅が広く、改善すべき要素が多いのも特徴と言えるでしょう。
例えば、レスポンシブ広告で成果が悪い場合は、画像が良くないのか、画像と文章の組み合わせが悪いのかなど、効果分析が難しいといったデメリットがあります。成果があるクリエイティブを分析・比較し、根気よく改善していく必要があります。
3-2-3 クリエイティブの制作工数・コストがかかる
ディスプレイ広告は、画像や動画を使ってさまざまな種類の広告を配信できますが、クリエイティブの制作には、制作期間やコストが掛かります。クリエイティブの質を上げれば、魅力的な広告が配信できますが、目指す品質によっては、制作コストや工数が膨れ上がる可能性もあります。また、必ずしも初めて作成したクリエイティブで成功する保証はなく、クリエイティブの改善は必須です。改善する際にも、追加の制作期間やコストが必要です。また、媒体によってフォーマットや枠のサイズが異なるため、複数の媒体に配信する際は、それぞれの媒体フォーマットに合ったクリエイティブが必要です。テキスト広告に比べ、クリエイティブのコストや制作工数、手間が掛かることを覚悟しておく必要があります。
4.まとめ
リスティング広告を検討している方向けに、検索連動型広告とディスプレイ広告のメリット・デメリットを解説しました。どちらが向いているか、どちらも検討した方が良いのかは、予算、媒体、商品・サービスの内容、目的、ターゲットなどによって変わります。広告配信後の運用コストや手間、工数などにも違いがあるので、この記事を参考に自社に合った方法を見つけてください。
Google広告についてさらに知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
私たちは現在の自分に甘んじず、チャレンジをすることで、お客様にプロとしての価値を提供いたします。常に知識・技術をアップデートし、お客様の成長に貢献してまいります。
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