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2025.7.11

Googleディスプレイ広告とは?メリット・デメリット、設定方法を紹介

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「ディスプレイ広告ってそもそも何?検索広告との違いがわからない…」

「自社に導入するメリット・デメリットを知りたい」

「ディスプレイ広告を始めたいけど、設定方法が難しそうで不安…」

このような悩みを抱えていませんか?

本記事では、Googleディスプレイ広告(GDN)の基本から、導入するメリット・デメリット、初心者でもわかる具体的な設定手順までを詳しく解説します。

Webサイトやアプリに画像広告を出稿して、潜在顧客にアプローチしたい方はぜひご覧ください。

Googleディスプレイ広告とは?

Googleディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリ上の広告枠に画像や動画などで配信される広告のことです。

検索広告とは異なり、バナー画像や動画を使ってユーザーに訴求できる広告形式で、 GDN(Google Display Network)と略されます。

検索連動型広告がテキスト主体なのに対し、ディスプレイ広告は視覚的なクリエイティブでサービスの魅力を直感的に伝えられる点が特徴です。

したがって、商品やキャンペーン内容をユーザーに印象づけやすく、購買意欲の喚起に繋げやすい広告手法になります。

GDNとYDAの違いは?


GDNとYDA(Yahoo!ディスプレイ広告 旧:YDN)は、日本で主に利用されている2大ディスプレイ広告媒体です。

いずれも画像や動画を使った広告配信が可能ですが、配信先となる媒体やユーザーへのアプローチ方法に明確な違いがあります。

GDNはGoogleの広大な提携ネットワークを活かして多様なユーザーに訴求できるのに対し、YDAはYahoo! JAPANの自社サービス内での表示に強みを持っています。

また、両者には似たようなターゲティング機能がありつつも、設定方法や呼び方には差があります。

配信面やターゲティングの違いを理解することで、自社の目的に合った効果的な広告運用が可能となります。

次に、それぞれの具体的な違いについて見ていきましょう。

配信面の違い

GDNとYDAでは広告が配信される対象メディアが異なります。

YDAはLINEヤフー(旧Yahoo! JAPAN)の提供するサービス内や提携パートナーサイト(主に法人運営サイト)に広告を表示するのが中心です。

一方、GDNではGoogleが運営するサービス(YouTube、Gmail、Bloggerなど)およびGoogleと提携する幅広い外部サイト・アプリへ広告を配信できます。

特にGDNはGoogle AdSenseによって個人ブログなども含む多数のサイトを広告掲載先として募集しており、YDAよりも提携サイトの種類が豊富です。

そのため、GDNの方が広告が表示される配信面のバリエーションや量が多く、より幅広いユーザー層にリーチできる特徴があります。 

ターゲティング面の違い

YDAで利用できる各種ターゲティング設定は、ほとんどGDNでも実現可能ですが設定手順や名称が異なります。

例えば、YDAにのみ存在するサーチキーワードターゲティングは、GDNではカスタムセグメント機能を使うことで同様のアプローチが可能です。

またYDAでは性別・年齢などのデモグラフィックや曜日・時間帯ターゲティングを個別に設定しますが、GDNではそれらをユーザー属性やキャンペーン設定内で統合的に設定します。

総じて、YDA独自のターゲティング機能であるサーチターゲティング以外は、GDNでも同様のターゲティングが可能であり、プラットフォームの違いによる大きな制約はありません。

ただし管理画面の操作やアカウント構成の違いがあるため、運用時にはそれぞれの仕様に合わせた設定が必要です。

Googleディスプレイ広告の種類

Googleディスプレイ広告には、広告の作成方法やフォーマットの違いによっていくつかの種類があります。

代表的な広告タイプとしてレスポンシブディスプレイ広告とアップロード型ディスプレイ広告があり、また近年登場した新しいキャンペーンタイプとしてデマンドジェネレーションキャンペーンもディスプレイ広告の一種に含まれます。 

レスポンシブディスプレイ広告

レスポンシブディスプレイ広告は、見出しや説明文、画像、動画、ロゴなど複数のアセットをアップロードすることで、自動的に様々なサイズ・形式のバナーを生成して配信する広告です。

広告枠の大きさや掲載先のデザインに合わせてレイアウトが調整され、テキスト広告のようにサイトのフォントやデザインになじむネイティブ形式で表示されることも特徴です。

初めてディスプレイ広告を配信する広告主にも推奨される形式であり、GoogleのAIが配信結果を見ながら最適なクリエイティブの組み合わせを選んでくれるため、効率的に効果を高めることができます。

アップロード型ディスプレイ広告

アップロード型ディスプレイ広告は、広告主が自ら作成した画像バナー広告やHTML5形式のクリエイティブをそのままアップロードして配信する広告形式です。

レスポンシブ広告と異なりレイアウトは自動生成されないため、各サイズごとにバナー画像を用意する必要があります。

その分デザインの自由度が高く、自社でデザイナーが制作した高品質なバナーをそのまま掲載したい場合に適しています。

なお、アップロード型広告では対応するバナーサイズの枠でのみ配信され、非対応サイズの枠には表示されない点に留意が必要です。 

デマンドジェネレーションキャンペーン

デマンドジェネレーションキャンペーンは、2023年に登場した新しいディスプレイ広告のキャンペーンタイプです。

従来のディスプレイキャンペーン(GDN)や2024年初頭まで提供されていたGoogle Discovery広告(ファインド広告)の後継として位置づけられており、YouTube全体やGoogle Discover、GmailなどGoogle提供サービス上への広告配信に特化した機能を備えています。

静止画・動画の組み合わせた視覚的なクリエイティブによって潜在層の需要喚起を狙うもので、従来よりも柔軟な広告フォーマットや新しいターゲティング機能が追加されている点が特徴です。

例えば、ファインド広告からアップグレードされたことにより、より広範囲のユーザーセグメントにアプローチできるようになり、動画コンテンツの活用や類似セグメントの活用などが可能になっています。

デマンドジェネレーションキャンペーンは設定可能な配信面が限定されますが、クリエイティブの品質基準が高く設定されているため、より魅力的な広告表現で潜在顧客の興味喚起を図ることが重要となります。
 

Googleディスプレイ広告のターゲティング

「どこに」「誰に」広告を配信するかを決める設定をターゲティングと呼び、Googleディスプレイ広告のターゲティングは大きくコンテンツターゲティングとオーディエンスターゲティングの2種類に分類されます。

配信先のコンテンツに基づいて広告を表示するか、ユーザー属性に基づいて広告を表示するかでアプローチが異なり、適切な組み合わせにより最適なユーザー層へリーチ可能です。

ここでは、それぞれの特徴について解説します。

オーディエンスターゲティング

オーディエンスターゲティングは、広告を表示する対象となるユーザーの属性や行動データに基づいて配信対象を絞り込む手法です。

オーディエンスターゲティングでは、以下の情報に従って対象ユーザーを絞り込むことが可能です。

例えば、Googleではデモグラフィック情報や興味関心、購買意向、閲覧履歴など様々なユーザーデータを活用してターゲット設定が可能です。

適切にオーディエンス設定を行えば、ユーザーが閲覧しているサイトの内容に関係なく、「自社の商品に興味を持ちそうな人」に広告を届けることができます。

その結果、「興味はあるが積極的には情報収集していない層」にもアプローチでき、将来の見込み客を育成するきっかけとなります。

コンテンツターゲティング

コンテンツターゲティングは、広告を掲載するWebサイトやアプリの内容に基づいて配信先を絞り込む手法です。

具体的には、プレースメントターゲティングやトピックターゲティング、キーワードターゲティングなどがあります。

例えば、キッチン用品の広告で料理というキーワードを設定すれば、料理レシピサイトやアプリなど料理に関連するコンテンツを持つ配信先に広告を出すことができます。

このように、個別の掲載サイトを指定しなくてもコンテンツのキーワードやカテゴリーによって関連性の高い配信面を狙えるのが強みです。

また、除外キーワードや除外プレースメントを設定することで、自社のブランドイメージにそぐわないコンテンツでの配信を避けることも可能です。

コンテンツターゲティングは、ユーザーの興味関心が顕在化している検索広告とは異なり、ユーザーが興味を持ちやすい話題の場に広告を露出させて興味を喚起するアプローチと言えます。 

Googleディスプレイ広告のメリット3選

Googleディスプレイ広告には、検索広告にはないいくつかの利点があります。

ここでは主なメリットを3つ紹介します。 

1.未来の見込み客にアプローチできる

ディスプレイ広告は、まだ商品を検索していない潜在層のユーザーにもリーチできるという大きなメリットがあります。

検索連動型広告の場合、広告が届くのは既に顕在化したニーズを持つユーザーに限られますが、ディスプレイ広告はWeb上を閲覧している幅広いユーザー層に広告を表示できます。

そのため、購買サイクルの比較的早い段階でユーザーの関心を引き付け、将来の顧客になり得る層に働きかけることが可能です。

例えば、オーディエンスターゲティングを活用すれば「興味関心はあるがまだ行動を起こしていないユーザー」に広告を届けることができ、潜在的なニーズを掘り起こして見込み客へと育成する第一歩となります。

2.クリック単価が安く、少額予算から始めやすい

ディスプレイ広告は一般に検索広告よりもクリック単価が低く抑えられる傾向があります。

広告の表示回数が非常に多いため、1クリックあたりの費用を低く設定しても広範囲に広告を露出できるからです。

実際、業種にもよりますがGDNの平均クリック単価は50~200円程度とされており、リスティング広告より低めというデータもあります。

このようにクリック毎の費用が小さいため、少額の予算からでも広告配信を始めやすいのがメリットです。

例えば、一日数百円~数千円程度の予算でもディスプレイ広告なら十分なトラフィックを集めることができ、予算規模に応じて柔軟に運用をスタートできます。

3.画像や動画でサービスの魅力を直感的に伝えられる

ディスプレイ広告ではテキストだけでなく画像や動画といった視覚要素を用いて広告を表現できます。

検索広告がおもに文字情報で勝負するのに対し、ディスプレイ広告はビジュアルでユーザーの興味を引き付けられる点が強みです。

例えば、美容や食品など視覚的な訴求が重要な商材では、画像や動画によって商品の魅力や使用シーンを直感的に伝えることで高い広告効果が期待できます。

事実、ディスプレイ広告は検索広告よりもユーザーにサービス内容を伝えやすいフォーマットだとされています。

また、動画を活用すれば短尺のCMのような感覚でブランドストーリーや商品の使い方を紹介でき、ユーザーの理解や興味を深めることができます。

視覚要素を駆使できるディスプレイ広告は、ユーザーに与える印象が強いため、ブランド認知の向上や購買意欲の喚起に大きな貢献をします。 

Googleディスプレイ広告のデメリット2選

一方で、Googleディスプレイ広告には注意すべき点やデメリットも存在します。主なデメリットを2つ説明します。 

1.潜在層向けのため、すぐに購入には繋がりにくい

ディスプレイ広告は主に潜在顧客へのアプローチ手段であるため、クリックされても即座にコンバージョンに繋がりにくい場合があります。

実際、検索広告ではユーザーのニーズがはっきりしている分コンバージョン率が高くなる傾向がありますが、ディスプレイ広告はターゲティングできるとはいえ検索広告ほど精度が高くないため、コンバージョン率が低いケースも見受けられます。

特に、興味喚起や認知拡大が目的のディスプレイ広告では、ユーザーが広告を見てすぐ行動することは稀であり、複数回の接触を経てじわじわと成果に結びつくことが多いです。

そのためディスプレイ広告単体で直接的な売上を求めすぎると効果を実感しにくく、検索広告やリマーケティングと組み合わせてユーザーを育成する視点が必要となります。 

2.成果を出すには継続的な分析と改善の工数がかかる

ディスプレイ広告は配信開始後すぐに高い成果が出るとは限らず、継続的なチューニングが欠かせません。

広告の成果は、実際に配信してデータを蓄積してみないと分からないため、運用開始後は定期的にレポートを分析し、改善を繰り返す必要があります。

例えば、ターゲティング設定は適切か、クリエイティブの訴求ポイントがずれていないか、出稿面に無駄はないかなどをチェックし、クリック率やコンバージョン率などKPIの推移を見てテコ入れしていく作業が求められます。

これらを怠ると配信効果が頭打ちになってしまうため、効果測定→課題抽出→改善実施というサイクルを継続的に回していく運用工数が必要です。

特にディスプレイ広告は配信開始直後にAIが学習期間を要する場合もあり、その間パフォーマンスが安定しないこともありますが、粘り強く分析・改善を重ねることで徐々に成果が向上していくケースが多いです。 

Googleディスプレイ広告の画像入稿規定

ディスプレイ広告で使用する画像素材には、いくつかの入稿規定・ガイドラインがあります。

まず、画像ファイルの形式は JPG、PNG、GIF が使用可能で、静止画バナー広告の場合ファイルサイズは最大150KBまでという制限があります。

一方、レスポンシブディスプレイ広告に組み込む画像アセットについては、ファイルサイズ上限が5,120KB(約5MB)まで拡大されています。

画像のアスペクト比やサイズにも規定があります。

横長画像は必須で、横縦比1.91:1の画像を最低1枚用意します(サイズは600×314ピクセル以上、推奨1200×628)。

スクエア画像も必須で、横縦比1:1の画像を最低1枚用意します(サイズは300×300ピクセル以上、推奨1200×1200)。

任意ではありますが、ロゴ画像も1:1(推奨1200×1200)または4:1(推奨1200×300)の比率で用意すると広告の信頼性向上に役立ちます。

なお、レスポンシブ広告では画像内のテキストが画像全体の20%以下であることが推奨されており、テキスト量が多すぎる画像は広告審査に通りづらい傾向があります。

これはFacebook広告でかつて存在した「20%ルール」と似た指針ですが、Googleディスプレイ広告でも適用される点に注意しましょう。 

Googleディスプレイ広告の3つの課金形式

Googleディスプレイ広告では、主にクリック課金、インプレッション課金、そして条件付きで コンバージョン課金の3つの課金方式があります。

それぞれ課金の発生タイミングが異なるため、目的に応じて適切な方式を選択することが重要です。

1.クリック課金

クリック課金はユーザーが広告をクリックするたびに費用が発生する課金方式です。

ディスプレイ広告では一般的にこのクリック課金制が採用され、広告が表示されただけでは費用はかからず、リンクが実際にクリックされたときにのみ課金されます。

例えばCPC 50円で設定していれば、ユーザー1人が広告バナーをクリックしてサイトに訪れるごとに50円の広告費が発生する仕組みです。

クリック単価は入札やオークションで決定されますが、表示回数が多いため1クリックあたりの費用を低く抑えて幅広いトラフィックを集める運用もしやすいです。 

2.インプレッション課金

インプレッション課金は広告の表示回数に応じて費用が発生する方式で、通常「1000回表示あたりの料金」で設定します。

例えばCPMが200円で設定されている場合、広告が1000インプレッションされるごとに200円が課金されます。

インプレッション課金は認知度向上など表示回数そのものを目的とする場合に適した課金形式です。

Googleディスプレイ広告では、キャンペーンの入札戦略として「ビューアブルインプレッション単価」を選択することで、視認可能なインプレッションに対してCPM課金する運用も可能です。 

3.コンバージョン課金

コンバージョン課金は、ユーザーが広告経由でコンバージョンに至ったときに初めて費用が発生する課金方式です。

Googleディスプレイ広告では、目標コンバージョン単価制の自動入札を利用するキャンペーンにおいて、設定次第でクリックではなくコンバージョン数に対して支払いを行う選択が可能です。

具体的にはキャンペーンの入札設定画面で支払い対象をコンバージョンに変更することで、広告がクリックされても課金されず、そのクリックが後にコンバージョンに繋がった場合にのみ、あらかじめ設定した1コンバージョンあたりの料金が発生します。

ただし、このコンバージョン課金を利用するには過去30日間に一定数以上のコンバージョン実績があることなど条件があり、またコンバージョン発生がゼロの場合は配信量が抑えられる傾向があるため注意が必要です。

効果測定が明確で無駄が少ない方式ですが、初心者はまずCPCやCPMで十分なデータを蓄積してから検討するとよいでしょう。

Googleディスプレイ広告の主なサイズ

ディスプレイ広告で使用されるバナー画像には標準的なサイズ規格が多数存在します。

一般的によく使用されるバナーサイズは以下の通りです。

300×250ピクセル(ミディアムレクタングル) – PC・スマホ両対応で最も代表的なサイズの一つ。

336×280ピクセル(ラージレクタングル) – 300×250より一回り大きい正方形に近い長方形。

728×90ピクセル(リーダーボード) – PCサイトの上部によく表示される横長バナー。

160×600ピクセル(ワイドスカイスクレイパー) – PCサイトのサイドバーなど縦長スペース向け。

320×50ピクセル(モバイルバナー) – スマートフォン画面下部などに表示される小型横長バナー。

320×100ピクセル(ラージモバイルバナー) – モバイルバナーの高さを2倍にした大型版。

他にも多種多様なサイズが存在しますが、すべてのサイズを用意するのは現実的ではありません。

そこで、特に配信ボリュームが大きく効果も高いとされるサイズから優先的に作成するとよいでしょう。

実績的に300×250と336×280の2サイズはPC・スマホ双方に対応し、表示回数やコンバージョン獲得数が多く期待できるため特におすすめです。

まずはこの2つのサイズを用意し、余裕があれば728×90や160×600など順次追加すると効率的です。

また、レスポンシブディスプレイ広告を利用すれば一度の入稿で様々なサイズに対応できますが、配信面によっては固定サイズのバナー広告の方が効果が高い場合もあるため、主要サイズのバナー素材は用意しておくのが望ましいでしょう。

Googleディスプレイ広告の設定方法

ここからは、実際にGoogleディスプレイ広告を配信するための基本的な設定手順を説明します。

初心者の方でも分かりやすいように、順を追って設定項目ごとにポイントをまとめます。 

アカウントを作成する

まずはGoogle広告のアカウントを作成しましょう。

Google広告の利用開始に必要なステップはたった3つで、ビジネス情報の入力、キャンペーン目標と予算の設定、お支払い情報の入力を行えば準備完了です。

具体的には、Google広告公式サイト(ads.google.com)にアクセスし、画面の案内に従ってGoogleアカウントでログイン後、ビジネス名やウェブサイトURLなど基本情報を登録します。

その後、「目標を選択」画面で広告の目的(販売促進、見込み客の獲得、アクセス増加、ブランド認知向上など)を選び、1日の予算額を設定します。

続いて住所やクレジットカード情報などの支払い設定を完了すれば、アカウント作成と初期設定は完了です。

なお、初回登録時は簡易的なキャンペーン設定画面が表示されますが、エキスパートモードに切り替えることで詳細な設定が可能になります。

キャンペーンを設定する

アカウントが準備できたら、いよいよディスプレイ広告のキャンペーンを作成します。

Google広告では検索広告、ディスプレイ広告、動画広告など様々なキャンペーンタイプがありますが、その中からディスプレイキャンペーンを選択してください。

次にキャンペーンの目的を尋ねられますので、自社の目的に合ったものを選びます(例:「ウェブサイトのトラフィック」や「リード獲得」など)。

キャンペーン名を入力したら、広告を配信するネットワークとして「ディスプレイネットワーク」にチェックが入っていることを確認しましょう。

また、キャンペーン単位で基本的な設定として、地域、言語、デバイスなどを設定できます。

これらは後から変更可能ですが、自社のターゲットに合わせて最適化しておくと無駄な配信を減らせます。

予算と入札単価を設定する

キャンペーンの1日あたり予算と、入札戦略を決めます。

予算は1日に使ってよい広告費を設定します。

設定予算の理想は目標とするコンバージョン単価の2~3倍程度と言われていますが、少額から始める場合は数百円~数千円程度からでも問題ありません。

ただし、あまりにも低すぎる予算だと配信や最適化が進まない点に注意しましょう。

入札戦略については、何を重視するかで選択肢が分かれますが、多くの場合はコンバージョン重視で問題ありません。

初心者にはGoogleの自動入札戦略である目標コンバージョン単価がおすすめです。

ターゲットCPAを設定すると、Googleが機械学習によって各オークションで入札額を自動調整し、指定したコンバージョン単価でできるだけ多くの成果が得られるよう最適化してくれます。

その他にも「クリック数の最大化」や「目標インプレッションシェア」など目的別の入札戦略がありますが、まずはコンバージョン重視で設定すると良い結果に繋がりやすいでしょう。 

ターゲットを設定する

次に、広告の配信対象となるオーディエンスや配信面のターゲット設定を行います。

Googleディスプレイ広告では「誰に」「どこで」広告を表示するかを細かく指定できます。

具体的には、ユーザー属性・興味関心・購買意図などで対象ユーザーを絞るオーディエンスターゲティングと、掲載先のトピック・キーワード・サイト指定で配信場所を絞るコンテンツターゲティングの2軸があります。

たとえばオーディエンスターゲティングで「自動車に関心のあるユーザー」を選び、コンテンツターゲティングで「スポーツカー」というトピックに絞れば、「スポーツカーに興味があるユーザーが閲覧する関連サイト」に集中的に広告を配信できるイメージです。

複数のターゲティング条件を組み合わせて設定することで、より狙い通りのユーザー層にリーチすることが可能になります。

ただし、条件を絞り込みすぎると広告の表示機会が減少して効果検証が難しくなるため、最初は広めに設定し、データを見ながら徐々に最適化するのが良いでしょう。 

広告を作成する

ターゲット設定まで完了したら、実際に配信する広告クリエイティブを作成します。

ここではレスポンシブディスプレイ広告形式での作成を説明します。

レスポンシブディスプレイ広告では、見出し、説明文、画像、ロゴ、動画といった複数のアセットを登録します。

Google広告の広告作成画面でこれらアセットをアップロードすると、あとはGoogle AIが組み合わせとサイズを自動的に調整し、様々な掲載面に適した広告を生成して配信してくれます。

具体的な手順としては、まず短い広告見出しを1~5個、長い広告見出しを1個、説明文を1~5個入力し、ビジネス名を指定します。それから画像とロゴをアップロードします。

必要に応じて動画も追加可能です。プレビューで広告表示例を確認し、問題なければ保存して広告作成完了です。

レスポンシブ広告ではGoogleのガイドラインに従い、不適切な表現やポリシー違反がないよう注意しましょう。

キャンペーンを審査に出す

広告の作成と設定が一通り完了したら、キャンペーンを公開します。

ただし、実際に広告配信が始まる前にGoogleの広告審査が行われます。

Google広告では、広告がポリシーに準拠しているか確認する審査プロセスがあり、通常この審査は24時間以内に完了します。

審査に通過すると広告のステータスが「承認済み」となり配信が開始されますが、万一ポリシー違反と判断された場合は「不承認」となり配信が停止されます。

不承認となった場合、Google広告の管理画面上で不承認の理由が確認できますので、該当箇所を修正し、再審査リクエストを送信してください。

適切に修正すれば再審査も通常24時間以内に完了し、問題なければ広告配信が開始されます。

初めてキャンペーンを作成した際は、特に広告ポリシーを再確認し、違反のおそれがある要素は事前に取り除いておくことが大切です。

コンバージョンタグの設置と計測設定をする

ディスプレイ広告から成果を得るためには、ウェブサイト上でユーザーのアクションを計測できるようにしておくことが重要です。

Google広告ではコンバージョンを計測するためにコンバージョンタグを発行し、自社サイトに設置します。

具体的には、Google広告の管理画面で「コンバージョンアクション」を作成し、計測したいゴールを設定すると、計測用のタグが提供されます。

これらのタグを自社サイトの該当ページに埋め込むことで、広告経由のユーザーがそのページに到達した際にコンバージョンが記録される仕組みです。

タグの設置方法は、ウェブサイトのHTMLに直接コードを貼り付ける方法と、Googleタグマネージャーを利用する方法があります。

正しくタグを設置できれば、Google広告の管理画面でコンバージョン数やコンバージョン率が計測されるようになり、広告の費用対効果を把握できるようになります。

コンバージョンタグを設置したら、テストとして実際に自分でサイト内でそのアクションを行い、計測が反映されるか確認しておくと安心です。 

【失敗を回避】Googleディスプレイ広告の注意点

最後に、Googleディスプレイ広告を運用する上で覚えておきたい注意点を解説します。

これらを押さえておくことで、ありがちな失敗を回避し、よりスムーズに成果を上げることができるでしょう。 

広告ポリシーや審査基準を確認する

Google広告には厳格な広告ポリシーが定められており、違反すると広告は配信できません。

事前にポリシー内容を把握し、クリエイティブが基準を満たしているか確認しましょう。

例えば、根拠のない誇張表現(「日本一」「業界初」などの最上級表現)や不適切な内容、誤解を招く表現は禁止されています。

また、医療・金融・アルコールなど扱う製品やサービスによっては追加の規制があるため注意が必要です。

広告文だけでなく画像内のテキストや遷移先ページの内容も審査対象となるため、入稿前に一通りチェックしておきましょう。

不承認となった場合は指摘事項を修正すれば再審査は通りますが、審査に時間を要することもあるので、キャンペーン開始希望日の余裕をもって準備することをおすすめします。

ターゲットは絞り込み過ぎない

ターゲティング設定では、「誰に」「どこで」広告を出すか細かく指定できますが、あまりに条件を絞り込み過ぎると配信ボリュームが極端に減り、広告の効果検証ができなくなってしまう恐れがあります。

Google広告の管理画面では、設定したオーディエンスの推定リーチ規模が「広い」「狭い」と指標で表示されます。

もし推定オーディエンスが極端に「狭い」と表示されている場合、対象ユーザーが少なすぎる状態ですのでターゲット設定を見直し配信対象を広げることを検討しましょう。

特に新規で配信を始める際は、広めのターゲティングからスタートし、データを見て徐々に狭めるくらいの方針が適切です。

配信対象が少なすぎると、広告の学習も進まず成果が得られないので注意しましょう。 

Googleディスプレイ広告を活用する4つのコツ

最後に、Googleディスプレイ広告の効果をさらに高めるための運用上のコツを3つ紹介します。

1.広告の配信目的を明確にする

ディスプレイ広告で成果を上げるには、広告配信の目的を最初に明確化することが重要です。

何を達成するための広告なのかによって、取るべき戦略や重視すべき指標が変わってくるためです。

例えば、ブランド認知が目的ならCPM入札で表示回数を最大化する戦略が有効ですし、問い合わせや購買を狙うならターゲットCPA入札でコンバージョン数を追う戦略が適しています。

目的と戦略がブレていると無駄な消化や的外れな改善に繋がりかねません。

したがって、「この広告キャンペーンは〇〇のためのものだ」とチーム内で共有し、全員が同じ目標意識を持って運用に当たることが大切です。

目的が定まっていれば、効果測定時もKPIの達成状況に基づいて適切な判断と軌道修正が行いやすくなります。
 

2.ターゲティングの深掘り

設定したターゲットユーザー像をより深く理解し、適切に絞り込むことも成功のコツです。

ただ漫然と広いターゲットに配信すると誰にも響かないばかりか、ブランドイメージを損なうリスクも生じます。

そこで、ターゲットとするユーザーについて「どんなデザインやメッセージが響くか」「広告を目にしやすい時間帯はいつか」など、ユーザー視点で具体的に想像してみましょう。

さらに、住所や年齢、性別、職業、家族構成などを言語化し、ペルソナ像を明確にすることで、ターゲット設定の精度が高まります。

このようにターゲットを深掘りして明確化することで、配信したいユーザーに効果的にリーチできる広告運用につながります。

3.費用対効果の分析をしながら改善する

ディスプレイ広告では、投じた費用に対する効果を常に意識し、分析しながら運用を改善していく姿勢が求められます。

運用開始後は、Google広告やGoogleアナリティクスのデータを用いて、CTRやCVR、CPAなど主要なKPIをモニタリングしましょう。

例えば、あるターゲティングでCPAが高騰しているなら入札単価を下げるかターゲットから外す、逆にCPAが低く優良なオーディエンスが見つかったら予算配分を増やす、といった意思決定ができます。

また、クリエイティブ別のパフォーマンスもチェックして、成果の出ていないバナーは差し替えるかメッセージを変更するといった改善を行います。

これら分析と改善のサイクルを継続することで、費用対効果を高めつつ運用精度を上げていくことが可能です。

ディスプレイ広告はクリック単価が低いためデータは集めやすい一方、コンバージョンに至るまでのユーザーの行動経路は長めです。

したがって短期的な数字の上下に一喜一憂せず、長期的なROIを意識して改善を積み重ねることが成功のポイントです。 

4.ABテストで広告の最適化を図る

広告クリエイティブや訴求メッセージの効果を検証するために、ABテストを積極的に活用しましょう。

ABテストとは、広告の要素に対して パターンA と パターンB の2種類のバージョンを用意し、どちらがより良い成果を出すかを比較する手法です。

ディスプレイ広告ではバナー画像のデザインや訴求コピー、CTAボタンの文言など様々な要素でABテストが可能です。

テストを行うことで、数値に基づいて勝ちパターンを見極めることができ、勘や経験に頼らない根拠ある運用が実現します。

たとえば、背景色の違うバナーAとBでクリック率を比較したり、「無料お試し」と「まずは資料請求」でどちらの文言が反応率が高いかを見るといった具合です。

その際、クリック率やコンバージョン率などの指標で明確に優劣を判断できるため、どの要素を変更すべきかがはっきり分かります。

ABテストで得られた知見は次のクリエイティブ制作にも活かせる上、Webマーケティング全般の分析スキル向上にも役立ちます。

少ない予算で効率良く広告効果を改善できる手法ですので、常に一つ以上のテストを実施して広告の最適化を図りましょう。 

スキルアップに繋がる資格「ディスプレイ広告認定試験」

Googleは広告に関する公式のオンライン資格試験を提供しており、その中に Google広告「ディスプレイ広告」認定資格 があります。

この資格はGoogle社が公式に実施しているWeb広告運用スキルの認定資格で、ディスプレイ広告の知識と運用能力を証明できるものです。

Google広告認定資格はディスプレイのほかにも検索広告、動画広告、ショッピング広告、アプリ広告、広告測定など複数カテゴリが用意されており、それぞれ個別に試験が行われます。

ディスプレイ広告認定試験は無料でオンライン受験でき、所要時間は約75分・出題数は約49問で合格基準は正答率80%以上です。

合格すると認定証が発行され、資格は1年間有効となります。

資格を取得するメリットとしては、自身のスキルアップやキャリアアップに役立つことはもちろん、会社としてGoogleのPartnerバッジ(代理店認定)取得条件の一つにもなっています。

勉強方法としては、Google広告のヘルプセンターやSkillshopで提供されている学習教材を活用すると良いでしょう。

試験ではディスプレイ広告の基本から高度な運用テクニックまで幅広く出題されるため、一通り学習してから臨むことをおすすめします。

このようにディスプレイ広告認定資格に挑戦することで知識の棚卸しと最新アップデートの習得にもなり、日々の広告運用にもプラスになるでしょう。

まとめ

Googleディスプレイ広告は、数あるWebマーケティング手法の中でも低コストで広範囲のユーザーにリーチできる強力な手段です。

実際、GoogleのディスプレイネットワークはYouTubeやGmailに加えて全世界で3,500万ものウェブサイトやアプリに広告を配信できるため、検索エンジン以外の膨大な潜在顧客にもアプローチできます。

本記事で紹介したように、ディスプレイ広告にはメリット・デメリットがあり、設定項目も多岐にわたりますが、ポイントを押さえて運用すれば確実に効果を高めていくことが可能です。

まずは小さく始めてデータを蓄積し、ユーザーの反応を見ながら改善を繰り返してみてください。

最初のうちは思うような成果が出なくても、継続的な最適化によって未来の顧客を育てブランドの存在感を高めることに繋がります。

ぜひ今日からGoogleディスプレイ広告の運用をスタートし、オンラインマーケティングで成果を上げるための第一歩を踏み出しましょう。

自社のサービスがまだ出会っていない多くのユーザーに届くよう、適切な戦略でディスプレイ広告を活用していってください。

Writer GMSコンサルティング編集部 マーケティング部

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