「BtoB向けにFacebook広告は活用できるのだろうか」
「BtoB向けとBtoC向けのFacebook広告の違いは?」
「Facebook広告の配信設定がどうやったらいいのかわからない」
このような悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。本記事では、これからBtoB向けにFacebook広告を始めようと考えている方に向けて、Facebook広告の概要やFacebook広告がBtoB企業におすすめの理由、Facebook広告の運用効果を最大化させるポイントを、画像を用いてわかりやすく解説します。
この記事を読めばFacebook広告全般の知識が身につき、Facebook広告を始めるきっかけを得られるはずです。
目次
1.Facebook広告とは
Facebook広告とはFacebook上に配信できる広告です。
パソコンで見た場合、以下の画像の赤枠箇所が、Facebook広告の一例となります。ちなみに画面右側の小枠はパソコンでのみ表示されるため、スマートフォンでは表示されません。
Facebookの月間アクティブ利用者数は全世界で29億人、日本でも2,600万人以上となっており、Facebook広告を活用すれば自社や自社商品の認知拡大が期待できます。
また、Facebook広告は以下の4つの配信先を持っており、広告形態も目的に応じて選ぶことが可能です。
【4つの配信先】
配信先 | 概要 |
・ 文章や写真で日常生活を公開する日記公開型 ・アカウントは原則として実名登録 |
|
・写真投稿型 ・2012年にFacebookが買収 |
|
Messenger | ・Facebookが提供するメッセージアプリ ・ブラウザ上からも利用でき、 主にビジネス目的で利用される |
Audience Network | ・Facebookと提携している「スマホアプリ」や 「ウェブサイト」に広告を配信できるサービス ・グノシーや食べログなど、多彩なサイトや アプリが対象 |
【代表的な4つの広告形態】
広告形態 | 構成 | 利用されるシーン |
画像広告 | 1枚の画像とテキスト | 自社製品・サービスの認知度アップ |
動画広告 | 1枚の動画とテキスト | 自社製品・サービスのインパクト のあるPR |
カルーセル広告 | 最大10個の画像や動画 | 複数の商品を同時にアピール |
コレクション広告 |
メイン画像or動画1つと 小さい複数枚の画像 |
複数種類の商品を取り扱うECサイトの宣伝 |
2.BtoC向けFacebook広告とBtoB向けFacebook広告の違い
企業が一般消費者向けに作る「BtoC向けFacebook広告」と企業が企業向けに作る「BtoB向けFacebook広告」。その違いを4つの観点から見ていきましょう。
2-1.BtoC向けFacebook広告とBtoB向けFacebook広告の違い1.ターゲット
まずはターゲットの違いです。BtoCの場合、一般消費者が対象となるため住んでいる地域、性別、年齢など幅広くターゲティングをしていきます。一方、BtoBの場合はそれに加えて勤務先、業界、役職など、より範囲を狭めてターゲットを絞っていくことになります。
2-2.BtoC向けFacebook広告とBtoB向けFacebook広告の違い2.費用
次は費用の違いです。Facebook広告のBtoCとBtoBの顧客獲得単価を比較してみましょう。
業界 | 平均顧客獲得単価(CPA) |
BtoB | 2,755円 |
アパレル(BtoC) | 1,272円 |
小売(BtoC) | 2,488円 |
旅行(BtoC) | 2,608円 |
参考:Facebook Ad Benchmarks for YOUR Industry [Data]
BtoBの方が、顧客獲得単価が高くなっています。理由はBtoBだと興味を持ってくれる総数がBtoCと比べて少なくなるため、顧客獲得までに時間と費用がかかることになります。その結果、BtoCよりも1件あたりの顧客獲得単価が上がることになるのです。
2-3.BtoC向けFacebook広告とBtoB向けFacebook広告の違い3.広告効果
広告効果の違いも見ていきましょう。以下は平均クリック率と平均成約率を比較した表です。
業界 | 平均クリック率(CTR) | 利用されるシーン |
BtoB | 0.78% | 10.63% |
アパレル(BtoC) | 1.24% | 4.11% |
小売(BtoC) | 1.59% | 3.26% |
旅行(BtoC) | 0.90% | 2.82% |
参考:Facebook Ad Benchmarks for YOUR Industry [Data]
BtoB広告ではクリック率(CTR)がBtoC広告より若干低いものの、成約率(CVR)が高い数値となっており、Facebook広告がBtoBにおいて有効なことを表しています。
2-4.BtoC向けFacebook広告とBtoB向けFacebook広告の違い4.その他
最後に広告文の違いについてです。BtoC向けのFacebook広告は、一般消費者に向けた広告のため、パッと目を惹いたり、おもしろいキャッチコピーを載せた広告文が多いといえます。
それに対してBtoB向けのFacebook広告は、「導入企業社数No.1」「顧客満足度97%」のように具体的数値を用いて「信頼性」を訴える広告文が多い特徴があります。
3.Facebook広告がBtoB企業におすすめの理由
Facebook広告がBtoCだけでなくBtoB企業にもおすすめの理由を、4つ紹介していきます。
3-1.Facebook広告がBtoB企業におすすめの理由1.カスタマーリストの作成
一つ目の理由は、カスタマーリストが簡単に作れることです。
Facebook広告はFacebook上のユーザーの実名・性別・年齢・職業・趣味関心といった個人情報データを元に、自社や自社商品に興味のあるユーザーを抽出できます。
また、Facebookの「カスタムオーディエンス」という機能を使って、自社になんらかのコンタクトをとってくれた顧客に対して広告を届けたり、メールアドレスを使った検索機能で新たなカスタマーリストを作成することも可能です。
その他にも自社の動画広告を再生してくれた顧客や、これまでに好ましいアクションを取ってくれた顧客など、様々な切り口でリスト化が可能となっています。
3-2.Facebook広告がBtoB企業におすすめの理由2.見込み顧客の育成がしやすい
二つ目の理由は、見込み顧客の育成がしやすいことです。
自社のFacebook広告に「いいね!」やコメントをしてくれた顧客のフィード(Facebookにログインすると最初に表示される画面)には、自社の投稿が都度表示されるようになります。すぐに成約とは行かないまでも、有益な情報やコンテンツを顧客に送り続けることで、顧客との接触機会が増え、見込み顧客の育成へと繋げられるのです。
3-3.Facebook広告がBtoB企業におすすめの理由3.拡散効果への期待
三つ目の理由は、拡散効果が期待できることです。
Facebook広告の場合、拡散力が強いのが特徴の一つです。顧客が自社の情報に価値を感じれば、顧客の「いいね!」ボタン一つで情報が広がっていくので、自社で多大なマンパワーをかけることなく効率的に拡散効果をもたらせます。
3-4.Facebook広告がBtoB企業におすすめの理由4.コストが低い
四つ目の理由は、コストが低いことです。
Facebook広告と他SNS広告の業界全体の平均顧客獲得単価を比較してみましょう。
媒体 | 平均顧客獲得単価(業界全体) |
Facebook広告 | 2,155円 |
リスティング広告(Google) | 5,650円 |
ディスプレイ広告(Google) | 8,714円 |
参考:Facebook Ad Benchmarks for YOUR Industry [Data]
参考:Google Ads Benchmarks for YOUR Industry [Updated!]
Facebook広告の平均顧客獲得単価が、明らかに低くなっています。これはFacebook広告の強みと言える「ターゲティング精度の高さ」によるものです。
4.Facebook広告の配信設定方法
ここではFacebook広告の配信設定方法を解説していきます。Facebookアカウント、ビジネスマネージャ、Facebookページ、広告アカウントの4つの作成を済ませた上で、以下の3つの順番で設定をしていきます。より多くの顧客の目に留まるよう、各設定を最適化しましょう。
- キャンペーン
- 広告セット
- 広告
Facebook広告の出し方についてはこちらの記事も合わせてチェックしましょう。
参照:Facebook広告のやり方・始め方ガイド!アカウント作成方法から特徴、設定方法を徹底解説!
4-1.キャンペーンを設定する
まずはキャンペーンを設定します。広告マネージャを開いて、キャンペーンの「+作成」をクリックします。
広告の目的を以下の6つの中から選びましょう。今回は「認知度」を選んだ場合で話を進めていきます。
キャンペーン名を入力したら、「次へ」をクリックします。(キャンペーン名は後からでも変更可能)
4-2.広告セットを設定する
次に広告セットの設定です。いくつか設定する項目があるので、順に説明していきます。
【予算と掲載期間】
予算は「1日の予算」「通算予算」のどちらかを選択して金額を決定します。
その際、以下の2点を押さえて起きましょう。
- 「1日の予算」を選択した場合、終了日を設定する必要がないので手軽に管理できる。
- 「通算予算」を選択した場合、「土日配信しない」などのスケジュール設定が可能。開始日〜終了日までで総額いくら使うという設定方法のため、必ず終了日を設定する必要あり。更新ごとに終了日と予算を入力する手間が発生する。
「スケジュール」では広告掲載期間を設定します。
【オーディエンス】
オーディエンスでは、広告を誰に届けたいのかを設定します。地域や年齢、性別などを選択すると、右側に1日の推定リーチの結果や広告効果の目安が表示されます。
「詳細ターゲット設定」を使うと、「学歴」、「子供がいる人」、「よく旅行する人」など顧客をより絞り込んで広告を届けられます。
また、キャンペーン(広告の目的)が一緒でも、地域や年齢、性別などのターゲットが異なる場合は、広告セットを複数作って効果を検証することも可能です。
【配置】
配置は広告をどこに配置するかを設定します。「Advantage+ 配置(推奨)」を選択すると、Facebook広告によって最適な配置が行われます。また、「Advantage+ 配置(推奨)」を選んだ場合はFacebook、Instagram、Messenger、Audience Networkの全ての媒体が対象となります。
配置を自分で決めたい時は、「手動配置」を選択して設定を行いましょう。その場合、「デバイス」「プラットフォーム」「アセットカスタマイズ」の設定も行う必要があります。
「次へ」をクリックして、広告の設定へ進みましょう。
4-3.広告を設定する
最後に広告を設定します。「広告名」や「Facebookページ」、「Instagramアカウント」、「フォーマット」などを設定していきます。
シングル画像、動画、カルーセル、コレクションなどから自社の広告目的にあった広告の構成を選びましょう。
これで一通りの設定が完了しました。あとは「公開する」をクリックして支払い方法の設定をすれば、配信設定の完了です。広告の審査後、問題がなければ無事配信となります。
5.BtoB向けFacebook広告のターゲティング
BtoB向けFacebook広告の運用効果を高めるために、3つのターゲティングを活用しましょう。
5-1.職業・役職ターゲティング
BtoB向け商材の場合、決裁権を持つのは多くの場合、経営者や管理職です。そのため、一般社員に向けて広告を注力するよりは、経営者や管理職にターゲットを絞ると効果的に広告運用が行えるでしょう。
5-2.カスタムオーディエンス
カスタムオーディエンスは、広告配信時にターゲットを絞ってくれる機能の一つです。自社が所有するデータとFacebookのデータを活用して、購入意欲の高い顧客や成果につながりやすい顧客を自動で抽出してくれます。1つの広告アカウントで、最大500種類のカスタムオーディエンスを作成できます。
カスタムオーディエンスを詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
参照:Facebook広告のカスタムオーディエンスとは?仕組みや設定方法、エラー時の対処法までわかりやすく解説!
5-3.インタレストターゲティング
インタレストターゲティングとは、顧客の興味・関心・アクティビティ・「いいね!」したページなどの情報を元にターゲティングを実行してくれます。
自社の提供する商品やサービスに近いカテゴリーを選ぶのが一般的ですが、カテゴリーを絞りすぎてしまうと、顧客との接触機会が減ってしまう場合もあるので注意しましょう。
6.Facebook広告の費用対効果を高める方法
Facebook広告の費用対効果を高める方法を3つご紹介します。
6-1.ITP対策を実施する
一つ目は、ITP対策の実施です。ITPとは「Intelligent Tracking Prevention」の略語で、そのまま訳すと「賢く追跡を妨げること」。つまり、プライバシー保護の観点から、自社ページを見に来てくれた人の個人情報の追跡を防ぐということです。
ITPの導入により、過去に自社サイトを訪れた顧客の情報が追跡できなくなってしまうことがあります。その結果、リマーケティング広告の配信数が減ってしまったり、顧客の過去の検索履歴や行動履歴が把握できなくなったりしてしまい、ターゲティング精度が落ちることにつながるのです。
Facebook広告のITP対策としては、「アドバンストマッチング」の設定がおすすめです。アドバンストマッチングを利用すれば、顧客情報の補完が行われ、上述したような悩みを部分的に解決できます。
6-2.自動入札を積極的に利用する
Facebook広告の費用対効果を高める方法の二つ目は、自動入札を積極的に利用することです。Facebook広告の入札には「自動入札」と「手動入札」の2種類があり、自動入札であればAIが自動的に最適化をしてくれます。
手動入札で期待するような効果がでないときには、自動入札を積極的に活用してみてもよいでしょう。
6-3.マイクロCVの活用を検討する
三つ目は、マイクロCV(コンバージョン)の活用です。マイクロコンバージョンとは「最終的に顧客に取ってもらいたい行動」よりもハードルを下げて、一つ手前に設置する「顧客にとってもらいたい行動」です。
例えば、自社サイトで商品販売を行っている場合、最終的なコンバージョンは「顧客が自社商品を購入する」ことです。それに対してマイクロCVは、「顧客が自社商品に問い合わせをする」ことや「顧客が資料請求をする」ことになります。CV数で伸び悩んでいる場合は、マイクロCVの活用を検討しましょう。
7.まとめ
ここまでBtoB向けFacebook広告について、解説してきました。これからBtoB向けのFacebook広告を始めようとしている方は、本記事を読めば一定水準のFacebook広告が作成できるはずです。他記事の有用な情報も参考にしながら、ぜひFacebook広告の運用を始めてみてはいかがでしょうか。
私たちは現在の自分に甘んじず、チャレンジをすることで、お客様にプロとしての価値を提供いたします。常に知識・技術をアップデートし、お客様の成長に貢献してまいります。
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