Facebook広告はターゲティング精度の高さや広告単価の低さから、費用対効果の高い広告媒体として人気です。しかしFacebook広告の費用対効果を最大限に高めるには、設定や運用に関する知識が必要になります。正しく設定や運用を行わないと、広告の効果はでず、無駄な広告費がかかってしまいます。
この記事ではFacebook広告の効果がでないときに確認するべきポイントやさらに効果を伸ばす方法をご紹介します。Facebook広告の運用を検討、またはすでに行っている方はぜひチェックしてみてください。
目次
1.Facebook広告とは
Facebook広告とは、Facebook内で表示される広告やその配信プラットフォームのことを指します。Facebook広告は、Twitter広告やInstagram広告と同じSNS広告の一種で、ターゲティング精度や費用対効果の高さから企業から人気の広告です。
Facebook広告について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
2.Facebook広告の費用対効果とは
費用対効果とは、かけた費用に対する成果の量を表す言葉です。Facebook広告における費用対効果は、かかった広告費に対してどの程度の広告効果があったかをもとに考えられます。一般的にFacebook広告の費用対効果は、「広告費の回収率」から考えるROASと、「1コンバージョンあたりの費用」から考えるCPAによる計算方式があります。
- ROAS:「Return On Advertising Spend」の略で、広告費1円あたりの売り上げを求められる。ROASが高いほど費用対効果が高いと言える。
- CPA:「Cost Per Action」の略で、1つのコンバージョンを獲得するのにかかった費用が求められる。CPAが低いほど費用対効果が高いと言える。
3.Facebook広告の費用対効果が高い理由
Facebook広告は他の広告媒体に比べて、ターゲティング精度の高さや広告単価の低さから費用対効果が高いとされています。
Facebook広告の費用対効果が高い理由
- 詳細なターゲティングができる
- さまざまな購買層にアプローチできる
- 広告に抵抗感があるユーザーに対してもアプローチしやすい
- クリエイティブが豊富
- 低予算から出稿ができる
3-1.Facebook広告の費用対効果が高い理由1.詳細なターゲティングができる
Facebook広告は、ターゲティング精度が他の広告媒体より高いことが特徴のひとつです。SNSであるFacebookでは、ユーザーは自身の年齢や性別が登録されたアカウントを使用します。Facebook広告では年齢などの情報に加えて、ユーザーのWeb上の行動履歴などの趣味嗜好の情報に合わせた詳細なターゲティング設定が可能です。
限られたユーザーにのみ広告を表示させられるため、広告費が抑えられ費用対効果の向上につながります。
3-2.Facebook広告の費用対効果が高い理由2.さまざまな購買層にアプローチできる
ユーザーが自身のアカウントを所有しているFecabook広告では、さまざまな購買層のユーザーにアプローチが可能です。FecabookではユーザーIDを基準に広告が配信されるため、スマホとパソコンなどデバイスをまたいでの計測も行えます。ユーザーの行動情報が的確に集まるFecabook広告では、過去に自社のWebサイトを訪れたことがあるユーザーなど、購買層に絞って広告を出せます。
購買層に限ってアプローチができるため、より効果がでやすく費用対効果が高くなるのです。
3-3.Facebook広告の費用対効果が高い理由3.広告に抵抗感があるユーザーに対してもアプローチしやすい
Fecabook広告は、広告に抵抗があるユーザーにもアプローチしやすい特徴があります。Fecabook広告は、ユーザーの友人の投稿と同じ形で広告が表示されるため、普段テレビCMなどを見ないユーザーにも自然な形でアプローチが可能です。
3-4.Facebook広告の費用対効果が高い理由4.広告フォーマット・クリエイティブが豊富
Fecabook広告では、利用できる広告のフォーマットやクリエイティブの種類が豊富です。静止画や動画などの広告種類が多いことに加えて、画像などから自動でクリエイティブの提案をしてくれる機能も存在します。
さまざまなフォーマットを試しながら広告運用が可能なため、効果改善がしやすく費用対効果が高くなります。
3-5.Facebook広告の費用対効果が高い理由5.低予算から出稿ができる
Facebook広告は100円から広告の配信が可能です。お金をかけずに複数のパターンの広告を試せて、効果の高い広告のみ予算を高くすることで高い費用対効果が期待できます。
4.Facebook広告の効果を測定する方法
Facebook効果の費用対効果を考える上で重要なのが、正しく広告効果を測定することです。ここではFacebook広告の効果を測定する4つの方法を紹介します。
Facebook広告の効果を測定する方法
- A/Bテスト
- Facebookピクセル
- ブランドアンケート
- ホールドアウトテスト
4-1.Facebook広告の効果を測定する方法1.A/Bテスト
A/Bテストとは、広告の変数をひとつだけ変更したキャンペーンでそれぞれ配信を行い、結果を比べることで変更した変数による効果を測定する方法です。Facebook広告では広告の設定を変えるだけで、簡単にA/Bテストを行えます。Facebook広告では変更可能な変更は5つあります。
A/Bテストは比較結果がすぐにわかるため、素早く効果を測定したい方におすすめな方法です。
Facebook広告でのA/Bテスト |
|
変更可能な変数 |
比較できる効果 |
クリエイティブ |
テキストや画像などのクリエイティブを比較できる |
オーディエンス |
オーディエンス(広告の配信先)の比較ができる |
配信の最適化 |
「キャンペーン予算の最適化」設定のオンとオフの比較ができる |
配置 |
オーディエンスにリーチする際の配置の種類を比較できる |
商品セット |
複数の商品セットを比較できる |
4-2.Facebook広告の効果を測定する方法2.Facebookピクセル
Facebookピクセルとは、自身のWebサイトに専用コードを埋め込むことで、ユーザーの情報収集や分析が可能になるツールです。Facebookピクセルでは、コンバージョン測定やリターゲティング設定などができます。ユーザーの分析だけでなく、その後の広告の表示設定の改善も行えるツールになっています。
Facebookピクセルでできること |
|
コンバージョン測定 |
Facebook広告によるユーザーのWebサイト内の行動分析が可能。 |
リターゲティング設定 |
1度サイトに訪れたユーザーに再度広告が表示されやすくする設定が可能。 |
広告の最適化 |
コンバージョンが得られるような設定を自動で作成し広告の配信を行う。 |
広告を表示させたいユーザーの検索 |
将来的に顧客になりそうなユーザーを探し、広告を表示させられる。 |
4-3.Facebook広告の効果を測定する方法3.ブランドアンケート
Facebook広告の効果の測定手法として、ブランドアンケート機能も活用できます。ブランドアンケートとは、Facebook広告を見たユーザーと広告が表示されていないユーザー(ホールドアウトグループ)にアンケートを実施できる機能です。アンケート結果からブランドの認知度やブランドパーセプション、ブランド想起におけるインクリメンタル効果の測定が行われます。
ブランドアンケートは、$15,000の最小予算が設定されています。ブランドアンケートを行う際は、最小予算以上に予算を設定する必要があるので注意しましょう。
Facebook広告の効果を測定する方法4.ホールドアウトテスト
ホールドアウトテストは、Facebook広告のコンバージョンや認知度の増加分の測定ができる機能です。Facebook広告がどの程度設定したコンバージョンに貢献しているかを知りたい時に使用します。ホールドアウトテストでは、広告がクリックされなかったユーザーに対しても評価されるため、クリック以外の効果の測定が可能です。
しかしホールドアウトテストは、十分な結果を出すために1か月以上の期間行うことが推奨されています。最低でも1週間の実施が必要とされているため、測定に一定の時間が必要です。
5.Facebook広告で効果がでない時に確認するポイント
Facebook広告は広告の設定を上手に作成することで、費用対効果を高く広告の配信が可能な広告媒体です。一方で設定や運用の方法が適切でないと、広告の効果が思うようにでないこともあります。
この章では広告効果がでない時に確認するべき5つのポイントを紹介します。
Facebook広告で効果がでない時に確認するポイント
- ポイント1.ターゲットを細分化しすぎていないか
- ポイント2.ターゲットが飽和状態になっていないか
- ポイント3.コンバージョンポイントが適切か
- ポイント4.アトリビューションの使い分けができているか
- ポイント5.短期間に変更を繰り返していないか
5-1.Facebook広告で効果がでない時に確認するポイント1.ターゲットを細分化しすぎていないか
Facebook広告の効果がでないときは、広告セットのオーディエンス設定(広告を配信するターゲットの設定)を確認しましょう。オーディエンス設定の潜在リーチを確認することで、ターゲティング設定が狭いか広いかを確認できます。ターゲティング設定が狭い場合は、すこし広くなるように設定を変更することがおすすめです。
Facebook広告は他の広告に比べてターゲティングが細かく設定可能です。しかし、年齢の幅を狭くしすぎたり、直接的なカテゴリのユーザーのみを選択していると潜在リーチが狭くなります。潜在リーチが狭いと配信先のボリュームが小さくなり、広告がターゲットに届きにくくなります。
5-2.Facebook広告で効果がでない時に確認するポイント2.ターゲットが飽和状態になっていないか
Facebook広告を運用する際には、ターゲットが飽和状態になっていないかにも注意が必要です。ターゲットの飽和状態は、Facebook広告の「ページインサイト」機能で確認ができます。ページインサイト機能では、投稿の閲覧数やユーザーへのリーチ数の確認が可能です。これらの値が低くなっているときはターゲットが飽和している可能性があるため、広告の設定を変えることがおすすめです。
同じ広告をオーディエンス設定を変更せずに長期間配信していると、ターゲットが飽和状態になります。ターゲットが飽和状態になると、インプレッションやコンバージョン率が下がり広告のパフォーマンスが低下します。
5-3.Facebook広告で効果がでない時に確認するポイント3.コンバージョンポイントが適切か
コンバージョンポイント(成果率)の設定もFacebook広告の効果に影響します。コンバージョンポイントとは、広告の達成目標であり、この設定が高すぎず低すぎない設定にすることが大切です。
一般的にコンバージョンは、商品の問い合わせや資料請求、購入などユーザーの商品へのアクションを設定します。Facebook広告はコンバージョンの獲得件数に応じて配信を自動調節する機能があります。そのためコンバージョン件数が少なくなりすぎないように、コンバージョンポイントを設定することがおすすめです。
5-4.Facebook広告で効果がでない時に確認するポイント4.アトリビューションの使い分けができているか
アトリビューションを使い分けることで、Facebook広告の効果をより正しく見れます。アトリビューションとは広告に対するユーザーのアクションの数を表す値で、ビューアトリビューションとクリックアトリビューションの2種類があります。2種類のアトリビューションを使い分けることで、Facebook広告の効果を正しくみることが可能です。
- ビューアトリビューション:ユーザーが広告を見たが、クリックしていない数
- クリックアトリビューション:ユーザーが広告をクリックした数
またコンバージョンによっては、コンバージョンを獲得してもデータに反映されるまでに時間がかかることがあります。アトリビューションの表示期間などを調節することで、データの正しい測定・分析が可能です。
5-5.Facebook広告で効果がでない時に確認するポイント5.短期間に変更を繰り返していないか
広告の設定の変更を短期間で繰り返すと、データが正しく集まらず、広告の効果やその分析が正しく行われません。ひとつの広告設定に関するデータが多いほど、精度の高い分析が可能になり、よい効果が得られます。配信後1週間程度は変更せずにデータを収集することで、安定した分析と改善が可能です。
またFacebook広告には、情報収集期間というデータを収集する期間が設定されています。この間に設定を変更すると、情報収集が正しく行われない可能性があるため注意が必要です。
6.Facebook広告の効果を高める秘訣
最後にFacebook広告の効果をさらに高める3つの秘訣をご紹介します。どれもすぐに実践できることなので、ぜひ試してみてください。
Facebook広告の効果を高める秘訣
- 1.目的に応じてキャンペーンを使い分ける
- 2.オーディエンスは重ならないように設定する
- 3.クリエイティブはターゲットに合わせた配色やデザインにする
6-1.①目的に応じてキャンペーンを使い分ける
Facebook広告の効果を高めるためには、目的に応じてキャンペーンを使い分けることが大切です。Facebook広告の目的は、Webサイトへの誘導や商品の購入、ブランドの認知拡大などさまざまあります。広告の目的に合ったキャンペーンを選択することで、広告の効果はより高まります。
目的が複数ある場合は1つのアカウントで複数のキャンペーンを運用するなど、キャンペーンごとの目的が明確になっていることが重要です。
またキャンペーンと同様に広告セットも目的ごとに使い分ける必要があります。キャンペーンの目的設定だけでなく、広告セットの目的設定も確認しましょう。
6-2.②.オーディエンスは重ならないように設定する
広告セットのオーディエンス設定は重ならないように設定することで、より広告効果を高められます。Facebook広告では、オーディエンス設定が細かく設定可能です。オーディエンス設定は複数種類作成し、広告の運用を行うのが一般的です。
Facebook広告では、オーディエンスが重なっている状態で広告を配信すると、自社のアカウント内で広告の競合が発生し、効果がでにくくなってしまうことがあります。またオーディエンスが重なっていると、効果測定のためにデータ収集も適切に行われません。そのためオーディエンス設定はターゲットが重ならないように設定することが重要です。
6-3.③.クリエイティブはターゲットに合わせた配色やデザインにする
クリエイティブはターゲットに合わせた配色やデザインにすることで、広告をより高い精度でターゲットに訴求できます。色やデザインの好みは年齢や性別で異なることがわかっています。広告のクリエイティブをターゲットの年齢や性別に合わせて作成することで、よりターゲットの印象にのこる広告配信が可能です。
一般的には20代前半の女性がターゲットであれば、淡い色合いに手書き風の文字を用いたクリエイティブが効果的と言われています。一方で50代男性がターゲットであれば、クリエイティブを紺色など落ち着いた配色にすることで好印象を与えられます。
ターゲットに合わせた配色やデザインにすることで、ターゲットが広告をクリックしやすいクリエイティブが作成可能です。
7.まとめ
Facebook広告でより高い効果をだすためには、広告の効果を正しく測定し改善していくことが重要です。この記事では広告効果を測定する手法と、効果がでない時に確認するべきポイントを紹介しました。A/Bテストなどを用いて広告の費用対効果を測定し、効果が低ければオーディエンス設定などを変更することで改善を図ります。
また目的に応じたキャンペーンやオーディエンス設定、クリエイティブを使い分けることで、さらにターゲットへの訴求力のある広告にできます。
本記事で紹介した手法やノウハウを使うことで、より費用対効果の高いFacebook広告運用を行いましょう。

私たちは現在の自分に甘んじず、チャレンジをすることで、お客様にプロとしての価値を提供いたします。常に知識・技術をアップデートし、お客様の成長に貢献してまいります。
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