Yahoo!リスティング広告の基礎とGoogle広告との違いについて徹底解説!
2022.6.13

Yahoo!JAPANやYahoo!提携パートナーサイトに、「Yahoo!広告」を出稿してみたい広告主は多いでしょう。そこで、Yahoo!リスティング広告の基礎をはじめ、Google広告との違いや出稿までの流れを細かく解説します。
目次
1.Yahoo!リスティング広告とは?
Yahoo!広告は、日本最大級のポータルサイト「Yahoo!JAPAN」のサービスに、広告を掲載できるサービスです。種類は、検索結果に表示できる「検索広告」と、コンテンツページに表示される「ディスプレイ広告」の2種類あります。Yahoo!リスティング広告とは、一般的にYahoo!広告の「検索広告」を指します。
1-1 Yahoo!リスティング広告の特徴
Yahoo!リスティング広告は、Yahoo!JAPANの検索結果に、検索キーワードに応じて表示できるテキスト広告です。例えば、Yahoo!JAPANで「スイミング スクール」と検索した場合、「スイミングスクールなら〇〇」「春の体験受付中/スイミングスクール〇〇」などと、テキストで広告主の商材をアピールできます。以下の項目で、特徴を詳しく解説します。
1-1-1 費用・課金方法
課金方法は、クリック課金制で、広告がクリックされた場合に料金が発生する仕組みです。費用は以下の数式で計算可能です。
CPCや1日あたりの日予算の上限は、最低入札価格以上であれば自由に設定可能です。自分で設定することで、想定以上の予算が発生してしまうのを防げます。広告の反響や需要に合わせて、広告予算をコントロールできるメリットがあります。
1-1-2 広告の掲載場所
広告の掲載場所は、Yahoo!JAPANの検索サイト、および提携パートナーサイトの2種類です。Yahoo!JAPANは国内最大級のポータルサイトです。一番アクセスを集めている「Yahoo!ニュース」は、SNSなどで話題を集めることもあり、トップクラスの集客力や影響力があると言っても過言ではないでしょう。StatCounter*の調査によると、Yahoo!JAPANは日本のPCの検索エンジンシェアで、Googleに次いで2位のシェアを誇っています。スマートフォンの検索エンジンのシェアでも25%を占めており、こちらもGoogleに次いで2位になっています。 シェアではGoogleに及ばないものの、国内でも影響力のある上位サイトです。
提携パートナーサイトは、2022年4月現在で以下のとおりとなっています。「Bing」は、日本3位のシェアを誇る「Microsoft社」運用の検索サイトです。Yahoo!JAPANとBingのシェアを合わせれば、日本の検索サイトにおける大きな割合をカバーできます。
日本では、Windowsが搭載されているPCが多く、Bingがデフォルト検索サイトとして設定されている場合もあります。朝日新聞デジタルやExciteなどと共に、ビジネスパーソン系ユーザーにリーチできる可能性も高いのが特徴です。Yahoo!JAPANの検索サイトをはじめ、集客力や影響力のある提携パートナーサイトに掲載できるので、さまざまなユーザー層にリーチできるメリットがあります。
*1:StatCounter Global Stats「Desktop Search Engine Market Share Japan」
*2:StatCounter Global Stats「Mobile Search Engine Market Share Japan」
1-1-3 機能
Yahoo!リスティング広告には、広告表示オプションの機能があります。広告表示オプションとは、タイトルと説明文の下に、さらに付加情報を追加できる機能です。広告表示オプションを追加することで、検索結果の画面占有率が増えて広告の視認性が高まるため、結果的にクリック率(CTR)が向上するメリットがあります。Yahoo!広告で提供されている広告表示オプションは、以下の4種類です。
2.Yahoo!広告のメリット・デメリット
Yahoo!リスティング広告の特徴が分かったところで、メリット・デメリットを詳しく解説します。
2-1 メリット
Yahoo!JAPANは、日本で一番大きなポータルサイトです。Yahoo!JAPANを経由してサイトを見るユーザーをはじめ、多くの人の目に触れるため、リターゲティング広告との相性が良い点はメリットと言えるでしょう。また、ブログなどの個人サイトではなく、「Yahoo!アプリ」や「Yahoo!天気」、提携サイトの「朝日新聞デジタル」や「Excite」などの法人サイトを対象としているため、比較的信頼性が高いとされている媒体に掲載される点が強みでもあります。
2-2 デメリット
Yahoo!広告は、リスティング広告の他にディスプレイ広告もあります。どちらも同時に運用している場合は管理画面が異なるため、複数の管理画面を使い分けなければなりません。それぞれ別に管理を行うので、作業が煩雑になりやすい点はデメリットと言えるでしょう。
また、分析ツールと連携する場合は、パラメーターを使ってタグ入れをする必要があります。Googleリスティング広告に比べて、少し手間がかかると感じる方がいるかもしれません。Googleリスティング広告と比較すると、広告文の審査が厳しく、審査落ちしやすい点がデメリットです。
3.Yahoo!広告とGoogle広告の違い
他の媒体と比較してから検討したい方のために、Yahoo!広告とGoogle広告の違いを解説します。
3-1 ユーザー層
まず始めに、ユーザー層が異なるといった傾向があります。Yahoo!広告は、40~60代のユーザーが多く、PCユーザーがメイン層です。Google広告は、比較的若い世代の利用率が高く、スマホユーザーが多いといった特徴があります。
3-2 掲載先
Yahoo!広告とGoogle広告の掲載先は以下のとおりです。掲載先に大きな違いがあります。
3-3 マッチタイプの表記方法
マッチタイプとは、登録キーワードに対して、ユーザーが検索に使用したキーワード(検索キーワード)が、どのような形式の場合に広告を表示するかを決定するものです。Yahoo!広告とGoogle広告では、完全一致とフレーズ一致の場合、以下のようにマッチタイプの表記方法に違いがあります。
・Yahoo!広告の場合…マッチタイプをプルダウンから選択する
・Google広告の場合…キーワードに記号を付ける
3-4 広告表示オプション
広告表示オプションは、検索結果で上部の限られたスペースに表示されるので、表示させるには上位掲載されるだけの広告ランクが必要です。Yahoo!とGoogleでは、表示オプション数が以下のように大きく異なります。
出典:Yahoo!広告
出典:Google広告ヘルプ
3-5 ターゲティング
ディスプレイ広告出稿サービスの場合は、ターゲティングの設定内容や名称も大きく異なります。
YDA独自のターゲティング手法「サーチターゲティング」は、ユーザーが、Yahoo!JAPANで検索を行った際に使った「検索語句の履歴」を利用して、ターゲティングを行う機能です。広告の配信対象として設定したキーワード(サーチキーワード)と、ユーザーが過去に検索に使った検索語句がマッチングした場合に広告を配信します。「子供の有無」や半径を指定できる「地域ターゲティング」は、GDN独自のターゲティングです。
*1:YDN
Yahoo Display Adsの略で、Yahoo!プロモーション広告で出稿でき、Yahoo!の提携サイト群に広告が表示されるディスプレイ広告。
*2:GDN
Google Display Networkの略で、Google Adwordsで出稿でき、Googleの提携サイト群に広告が表示されるディスプレイ広告。
3-6 入稿規定
Yahoo!広告では、2020年8月19日に規定変更があり、「タイトル3」「説明文2」の挿入が可能になると同時に、文字数も変更されました。Yahoo!広告とGoogle広告の入国規定は、以下のとおりです。
使用できる記号は、ほとんど一緒ですが、一部異なるので注意しましょう。
4.Yahoo!広告をおすすめするケース
Yahoo!広告とGoogle広告の違いが分かったところで、Yahoo!広告が向いている3つのケースをご紹介します。自社商材が以下に当てはまるようなら、Yahoo!広告を検討してみましょう。
4-1 高齢者・専業主婦向けの商材
ユーザー層の違いでもご紹介したとおり、Yahoo!広告は40~60代のユーザーが多く、PCユーザーがメイン層です。つまり、高齢者やPCユーザーをメインターゲットとした商材は、Yahoo!のリスティング広告が効果的と言えるでしょう。一般的に高齢者は、以下のような商材の積極的な購買行動がみられます。
・旅行
・医療
・介護
・資産運用
・リフォーム
・終活関連事業
また、20~40代の子育て中の女性は、幅広いジャンルで積極的な購買行動がみられるので、専業主婦をメインターゲットとした商材もおすすめです。子育て中のママ市場は、以下のような商材の積極的な購買行動がみられます。
・子ども向け商材
・子供向け通信教育・教材
・家事・掃除代行、宅配食材
・住宅、不動産
・ファッション、雑貨、インテリア
・化粧品
専業主婦は、ライフステージの通過点です。子育てがひと段落すると、多くの女性は再び働き始めることを検討するケースが多くなっています。そのため、求人情報や資格取得講座なども、Yahoo!リスティング広告に適していると言えるでしょう。
4-2 検討期間が長い商材
Yahoo!広告は、PCユーザーからのアクセスが多いのが特徴です。入力項目や申込に必要なステップが多く、検討期間の長い商材はPCの方が入力しやすく、じっくり検討できる特徴があります。また、いくつかの候補と比較して考えたい場合や、他ユーザーの口コミを参考にしたい商材も、PCの方が検討しやすいでしょう。価格が比較的高額な商材や、比較してじっくり時間をかけて検討したい商材は、Yahoo!広告に向いています。例えば、以下のような商材です。
・保険
・クレジットカード
・航空券
・旅行またはツアー
・不動産
・車
・住宅
4-3 GoogleでのCPCが高い場合
Google広告は、利用者が多いため、狙いたいキーワードの競争率が激しいのが特徴です。競争率が高い場合は、CPCも高くなる傾向があります。指定したいキーワードのCPCがGoogle広告で高額だった場合は、Yahoo!広告を検討してみるのも良いでしょう。
Yahoo!広告の掲載順位は、Googleと同じようにキーワードごとの入札システムです。入札価格はキーワードごとに異なります。GoogleではCPCが高くて手が出しにくいキーワードでも、Yahoo!広告では許容できる価格になっている場合もあります。Yahoo!広告とGoogle広告の両方で、入札価格を調査してみるのも良いでしょう。
5.出稿までの流れ
Yahoo!リスティング広告を始めてみたいと考える方のために、出稿までの流れを詳しく解説します。説明に従って手順どおり入力していくだけなので、初心者でもスムーズに出稿できるでしょう。
5-1 アカウントの開設
Yahoo!広告の公式ページ*1から、「Yahoo!リスティング広告(検索広告)」のアカウントを開設する流れをご紹介します。
1.Yahoo!広告の公式ページの「検索広告」タブをクリックする
2.「広告のお申し込みはこちらから」をクリックする
3.「Yahoo!広告お申込み」ページに遷移するので、お申込み情報の入力を行い、申し込む
4.入力したメールアドレス宛にYahoo!JAPANビジネスIDの確認コードが届く
5.確認コード管理画面に入力する
6.「Yahoo!JAPANビジネスIDのパスワード設定」で、パスワードを設定する
7.認証ボタンをクリックする
アカウントの開設時の注意点は以下のとおりです。
5-2 広告作成
アカウントを作成したら、Yahoo!広告管理画面にログインして広告を作成します。まずは、Yahoo!広告管理ツールページで「Yahoo!JAPANビジネスID」「パスワード」を入力して、ログインしましょう。ちなみに「Yahoo!広告管理ツールページ」をブックマークしておくと、今後もスムーズにログインできます。ログインすると「簡単広告作成」を勧められますが、今回は操作を覚えるため、簡単広告作成は飛ばし、右下の「簡単広告作成機能をスキップして広告管理ツールで設定を行う」をクリックしましょう。広告を作成するには、以下の作業を全て行います。
・キャンペーン作成
・広告グループ作成
・キーワード登録
・広告文作成
キャンペーンや広告グループは、リスティング広告を出稿する際に必要な設定上の区分けの概念です。キーワードや広告やキャンペーンを増やす際に、必要です。下記の図を参考に、ぜひご確認ください。
広告の配信を開始するためには、アカウントの中に「キャンペーン」「広告グループ」「キーワード・広告」を必ず作成する必要があり、これらは階層構造になっています。階層ごとに設定できる内容は異なるので、以下で確認してください。なお、設定は上の階層から順に行っていきます。
出典:Yahoo!広告 公式ラーニングポータル「キャンペーンや広告グループって何?」
5-2-1 キャンペーン作成
まずは、Yahoo!広告の管理画面から「キャンペーンの作成」を行います。
1.左下の「キャンペーン作成」ボタンをクリックする
2.下記項目を入力する(キャンペーンタイプ以外は、広告出稿後も変更可能)
・キャンペーンタイプ
・キャンペーン名
・キャンペーン予算
・入札方法
・設定方法
・地域
・曜日・時間帯
地域や曜日・時間帯は、広告を出したい地域や、曜日・時間帯が限られているサービスを絞り込みたい場合に使用します。後からでも変更可能です。
5-2-2 広告グループ作成
広告グループの設定は、「広告グループ名」「広告グループ入札単価」を設定すれば完了です。
5-2-3 キーワード登録
キーワード登録では、広告で出稿したい商品やサービスと関連性のありそうな語句を選びます。ユーザーが検索するであろうキーワードを想定して、いくつかのキーワードが決まったら、保存を押しましょう。
5-2-4 広告文作成
キャンペーン・広告グループの作成、キーワードの登録が終わったら、いよいよ広告文を作成します。キーワードを保存すると、広告の作成画面が現れます。以下の項目を入力し、保存をクリックしたら、出稿の準備は完了です。
・タイトル1
・タイトル2
・説明文
・最終リンク先
・表示URL(任意)
5-3 配信設定
出稿準備が終わったら、配信設定を行います。配信設定では、以下を設定します。それぞれの項目を解説しますので、参考にしてください。
・除外キーワード設定
・配信地域設定
・配信日時
・タグ発行
5-3-1 除外キーワード設定
除外キーワード設定とは、広告に関係のないキーワードを除外する設定です。
1.「ツール」タブから「対象外キーワードツール」を選択する
2.設定するキャンペーンを選択する
3.設定する広告グループを選択する
4.除外したいキーワードを入力する
5.追加ボタンを押す
5-3-2 配信地域設定
配信地域設定では、配信したい対象地域を設定できます。市町村単位でも設定可能です。
1.表示内容選択から「ターゲティング」タブをクリックする
2.「地域」をクリックする
3.「地域を編集」をクリックする
5-3-3 配信日時
配信日時の設定も可能です。例えば、土日や夜間の対応ができないのに、配信日時を設定していなければ、土日や夜間に問い合わせが来るかもしれません。あらかじめ、対応可能な日時を設定することで、問い合わせなどの機会損失をカバーできます。ただし、配信日時を絞り込み過ぎると、広告の機会損失に繋がってしまう恐れもあるので、多少余裕を持って設定しておくと良いでしょう。
1.表示内容選択から「ターゲティング」タブをクリックする
2.「曜日・時間帯」をクリックする
3.「+曜日・時間帯を編集」をクリックする
4.指定をするキャンペーンを選択し、配信時間と曜日を設定する
5-3-4 タグ発行
リスティング広告を出稿して、どれだけの問い合わせがあったかを計測・数値化するものが「タグ」です。Yahoo!検索広告で設定するタグは、成果を計測するための「コンバージョンタグ」です。
1.「ツール」タブから「コンバージョン測定」を選択する
2.「+コンバージョン測定の新規設定」をクリックし、以下項目を入力する
・コンバージョン名
・コンバージョン種別
・コンバージョン測定の目的
・計測方法
・自動入札への利用
・デバイスをまたいだコンバージョンの測定
3.「保存してタグを取得」をクリックする
4.コンバージョン測定の画面に戻ると、コンバージョンタグが発行されているので、コンバージョン名をクリックする
5.コンバージョン測定タグをコピーする
6.コンバージョンページ(サンクスページ)と呼ばれる、申込み完了ページのみに設定する
5-4 入金設定
Yahoo!広告では、広告に使用する料金の入金設定情報を、それぞれのタブの「資金管理」で確認できます。支払い方法は2種類あり、クレジットカード(手動・自動)か、銀行振り込みかを選択できます。広告費が尽きると、広告が停止されてしまう場合があるため、基本的には、クレジットカードの自動入金がおすすめです。
5-5 審査
広告の入稿が完了すると、事前審査が行われます。事前審査は、Yahoo!の広告掲載ガイドラインに沿って行われ、作成された広告を掲載して良いかどうかの判断が行われます。審査にかかる日数は、公式サイトによると3営業日です。希望の広告開始日や配信開始のスケジュールが決定している場合は、審査時間も考慮して、余裕を持ったスケジュールを設定しましょう。
6.まとめ
Yahoo!リスティング広告の特徴やYahoo!広告のメリット・デメリット、Google広告の違いを解説しました。Yahoo!リスティング広告に向いているターゲットやケースもご紹介しています。初心者でも、すぐに始められる手順も合わせてご紹介しているので、自社の商材がYahoo!リスティング広告に向いている場合は、ぜひご検討ください。
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