Facebook広告を始めたいけれど、メリット・デメリットや課金方式が分からない方は多いでしょう。そこで、Facebook自体の特徴や魅力をはじめ、配信の仕組み、課金方式を解説します。また、費用相場の目安や費用対効果を高めるポイントなど、広告配信の際に大切なポイントもご紹介します。Facebook広告を始めたい方や、始めたものの費用対効果がイマイチな場合でも必見の内容です。ぜひ、参考にしてください。
目次
1.そもそもFacebook広告とは?
Facebook広告には、どのような特徴があるのでしょう。内容を知ることで、自社に合った広告か、費用を掛けるべき広告かどうかを判断できます。広告を始めることで得られるメリット・デメリットや、配信の仕組みを解説します。
1-1 Facebookの特徴
全世界で多くのユーザーが利用しており、ユーザー数はSNSの中で世界最大規模と言われています。無料で作成できるFacebookページは、多くの企業でも活用されています。ほとんどのSNSは匿名で利用できますが、Facebookでは実名性での登録を推し進めているのが特徴です。リアルでの知り合いとの交流が基本となっており、ユーザー情報の信頼性が高いSNSと言えるでしょう。日本でのFacebook利用率は、30%程度です。
Facebookの詳細は、こちらの記事を参考にしてください。
1-2 メリットとデメリット
Facebook広告には、メリットやデメリットがあります。広告を始める際は、それぞれの内容を理解し、納得してから始めるのがおすすめです。
1-2-1 メリットについて
メリットは、大きく分けて3つあります。1つめは、ターゲティングの精度が高いことです。Facebookは、他のSNSや広告媒体と大きく違い、実名を基本とした正確なデータベースによるターゲティングを行っています。データの精度が高いだけではなく、匿名のサービスに比べて利用者情報の信頼性があるのが特徴です。また、細かな設定が可能で、他媒体に比べて精度の高いターゲティングができます。
2つめは、アクティブユーザー数が多いことです。Facebookは全年代で31.9%、Instagramは10代から30代まではいずれも50%以上の利用率を誇るSNSであり、多くのユーザーへのリーチが可能です。
3つめは、 配信面が豊富なことです。Facebook以外にも、Instagram、Messenger、Audience Networkに配信できます。それぞれの配置面は以下のとおりです。豊富な配信面で、それぞれのユーザーの特徴に合った広告配信が可能です。さらに、広告のフォーマットが、画像・動画・カルーセル・コレクションなど、多彩になっています。目的によって、最適な広告の選択が可能です。
|
・Facebookニュースフィード ・Facebook Marketplace ・Facebook動画フィード ・Facebookの右側広告枠 ・Facebookストーリーズ ・Facebookインストリーム動画 ・Facebookの検索結果 ・Facebookインスタント記事 |
|
・Instagramフィード ・Instagram発見タブ ・Instagramストーリーズ ・IGTV動画 |
Messenger |
・Messenger受信箱 ・Messengerストーリーズ ・Messenger広告メッセージ |
Audience Network |
・Audience Networkのネイティブ、バナー、 インタースティシャル ・Audience Network動画リワード |
1-2-2 デメリットについて
デメリットも、大きく分けて3つあります。1つめは、ユーザーが限定されていることです。広告の配信対象は、FacebookやInstagramユーザーに限られています。ユーザー登録していない人、登録しているけれど日常的には見ない人には訴求できません。多くの人が日常的に見る、Google広告やYahoo!広告などに比べると、配信できるターゲットが限定され、リーチが広げにくい特徴があります。
2つめは、広告の運用に手間が掛かることです。詳細なターゲット設定ができるメリットはありますが、広告出稿と効果検証のサイクルを、より多く行わなければなりません。どの広告でも短期間で大きな成果を上げることは難しいものですが、Facebook広告においても、一定の効果を得るためには運用に手間が掛かることを認識しておく必要があります。
3つめは、仕様変更が多いことです。Facebook広告は、頻繁に仕様変更を行う傾向があります。広告主は、変更の度に新たな仕様に合わせた広告を出稿しなければなりません。SNSの広告運用に慣れていない場合や、広告の配信スケジュールに余裕がない場合は、担当者の負担になる点がデメリットと言えるでしょう。
1-3 配信の仕組み
Facebookは、広告を適切なユーザーに最適なタイミングで表示させようと動くため、広告オークションと機械学習を使用して、広告をいつどこで誰に表示するかを決定しています。オークションは、広告がユーザーに表示される際に必ず行われる仕組みです。実際に、Facebookが提供するアプリ全体で、毎日、数十億ものオークションが行われています。広告オークションでは、よりマッチした関連度の高い広告を表示できるように、各広告とユーザーとの関連度の予測を考慮します。関連度の高い広告は、広告オークションを低い単価で落札できる仕組みです。
機械学習とは、Facebookが配信システムで機械学習を使用し、広告パフォーマンスの向上を図ることです。全ての広告主に対して、最小単価で目標を達成してもらいたいと考えているために、行われます。
2.Facebook広告の費用や課金形式
特徴や配信の仕組みが分かったところで、課金形式を確認してみましょう。Facebook広告は、「クリック課金」と「インプレッション課金」の2つの課金方式があり、キャンペーンの目的によって、適用される課金方式が異なります。動画広告の場合は、広告が15秒以上(15秒未満の動画の場合は最後まで)再生されるごとに料金が発生する「ThruPlay」という課金方式もあります。
2-1 クリック課金
クリック課金は、CPC(Cost Per Click)とも呼ばれる課金方式です。広告がクリックされるごとに、オークション形式で決定した料金が課金されます。メリットは、何回表示されても、クリックされない限りは課金されない点です。デメリットは、関連性の低いユーザーからクリックされた場合や、誤クリックのケースでも課金されてしまう点です。具体的には、以下のキャンペーンの目的が、クリック課金です。
目標 |
目的 |
---|---|
検討 |
・トラフィック ・アプリのインストール |
コンバージョン |
・カタログ販売 |
2-2 インプレッション課金
インプレッション課金は、CPM(Cost Per Mille)とも呼ばれる課金方式です。広告が1,000回表示されるごとに、オークション形式で決定した料金が課金されます。メリットは、「いいね」やWebサイトへのアクセスなどのアクションが発生しても、課金されない点です。ただし、クリックされなくても、表示回数によって料金が発生してしまい、コンバージョン(CV)に繋がりにくい点がデメリットです。具体的には、以下のキャンペーンの目的が、インプレッション課金です。
目標 |
目的 |
---|---|
認知 |
・ブランドの認知度アップ ・リーチ |
検討 |
・トラフィック ・エンゲージメント ・アプリのインストール ・動画の再生数アップ ・リード獲得 ・メッセージ |
コンバージョン |
・コンバージョン ・カタログ販売 ・来店数の増加 |
3.Facebook広告の費用相場
Facebook広告は、少額から出稿可能です。しかし、実際にオークションをいくらから始めるべきなのかと悩まれる方も多いでしょう。広告費は、少額から始めて少しずつ金額を大きくしていくのがおすすめです。金額が小さい場合は効果の検証が難しくなり、金額が大きい場合は、費用対効果が悪くなりやすい傾向にあります。こちらでは、目安となるような費用相場を解説します。
3-1 少額からでも出稿可能
広告出稿は、最低100円と少額から可能です。CPCの場合は最低100円から、CPMの場合は広告が1,000回表示されるごとの最低価格が100円です。設定した予算が少なすぎると、競合にオークションで負けてしまうので、CPCやCPMの費用相場の平均を知っておくことが大切です。
3-2 平均クリック単価
平均CPCは、100~200円程度になっています。例えば、広告費の予算が月10万円の場合は、1日あたりの予算は3,000円程度です。CPCを100円とした場合は1日あたり30回程度、200円とした場合は1日あたり60回程度であれば、予算の範囲内に納まる仕組みです。
3-3 平均インプレッション単価
平均CPMは、100~500円程度になっています。例えば、広告費の予算が月10万円とした場合、1日あたりの予算は3,000円程度ですが、CPMが100円なら1日3万回ほど広告を表示できます。CPMが500円なら1日6,000回ほど広告を表示できる仕組みです。
4.Facebook広告の適切な広告費用を探る
広告の費用相場がどのくらいなのかが分かったところで、自社にとってどの程度の広告費が適切なのかを知りたい場合は、以下のような方法があります。それぞれ、予算に合わせて選んでみましょう。
4-1 事例から広告費用の相場を探る
Facebookでは、広告ライブラリを提供しています。広告ライブラリを活用して、相場を探ることが可能です。Instagramを含むFacebookアプリ・サービスに掲載されている広告事例を、誰でも簡単に検索できます。広告レイアウトに設置されているCTA*から、実際にリンク先に飛べるため、競合他社がどのように活用しているかを調べられます。
*CTA(Call To Action):自社ホームページを訪れたユーザーに購入や資料請求など、何かしらの行動を起こしてもらうための要素
4-2 広告代理店へ依頼する
広告代理店を利用する場合は、クリエイティブの制作だけではなく、データ分析を依頼することも可能です。広告代理店は、広告の作成から運用を手掛けるだけでなく、データ解析のプロでもあります。運用実績と分析データに基づき、目的に応じた最適な予算を導き出してくれる心強い存在です。予算が限られている場合でも、予算内で広告効果を最大限にするための工夫を提案してくれるでしょう。
しかし、広告代理店へ依頼する場合は、Facebookに支払う広告費だけではなく、最低3〜5万円程度の運用代行費が発生します。費用が掛かるのがデメリットであると考える方は多いでしょう。ただし、クリエイティブの制作やデータ分析などのリソースを浮かすことができるという考え方もできます。
4-3 1日1万円以上の広告費用がおすすめ
広告費用は、業界・商品・サービスによって変わります。一概に、いくら位がベストとは言えません。しかし、テストするのであれば、1日1万円くらいの広告費を掛けると、さまざまなテストを行えるのでおすすめです。Facebook広告のメリットは、少ない広告費で始められることです。テストできる金額から始め、徐々に金額を上げていくやり方が良いでしょう。
5.Facebook広告の費用対効果を高めるポイント
費用対効果を高めるためにできる、5つのポイントを解説します。Facebook広告を始める前にチェックしておきたい大切なポイントです。現在、広告運用をしているけれど、費用対効果が低い方も、ぜひ参考にしてください。
5-1 オーディエンスを調整する
Facebookは実名登録制のため、登録されているユーザー情報の信憑性が高く、ターゲティング精度が非常に高いと言えます。ユーザーは、誕生日、性別、連絡先などの基本情報に加え、出身地や現在・過去の居住地域、学歴、職歴、交際ステータス(独身・交際中・既婚など)、趣味などの詳細な情報をプロフィールに登録できます。
Facebook広告には、以下の3種類のターゲティングがあり、狙いたいターゲット層に対して的確にターゲティングを行うことで、ユーザーへ効率的なアプローチが可能です。詳細なターゲティングができる点がメリットですが、ターゲティングを細かくしすぎると、配信ボリュームが少なくなってしまうので注意しましょう。
Facebook広告のターゲティングの種類
コアオーディエンス |
地域や年齢、性別など基本情報や詳細ターゲット設定 (興味・関心など)、つながり(ページへのいいね!や アプリの利用状況など)により設定したユーザー層 |
カスタムオーディエンス |
顧客やWebサイトの訪問者など自社のビジネスに 接触したことのあるユーザーのうち、 Facebook上のデータとマッチしたユーザー層 |
類似オーディエンス |
カスタムオーディエンスと類似しており、 ビジネスに関心を持つ可能性が高いユーザー層 |
5-2 入札方法は「自動」推奨
Facebook広告の入札方法には、手動入札と自動入札があります。予算を最大限に活かしつつ、広告枠を取りたいなら、自動入札がおすすめです。自動入札は、予算の範囲内での目標に対し、効果が最も大きくなるように入札が行われる方式なので、予算を効率的に使えます。ただし、目標の達成が優先されます。高額な広告枠にも入札が行われる場合があるので、注意が必要です。
手動入札は、全てのオークションで入札価格に上限を設定する方式で、自動入札よりも予算を最適化できる可能性がありますが、手間が掛かってしまうデメリットがあります。広告運用に慣れていないうちは、自動入札で始めるのがおすすめです。
5-3 広告ライブラリで他社の広告を調べる
先にご紹介したとおり、Facebookでは広告ライブラリを提供しています。広告ライブラリでは、FacebookやInstagramのアプリ・サービス上で掲載されている、アクティブな広告表示が可能です。広告ライブラリでは、Facebookのいいね数、Instagramのフォロワー数、掲載中の広告クリエイティブなどを確認できます。ターゲット層や予算、入札戦略は表示されませんが、他社がどの配信面にどのような広告を、いつから配信しているか、ユーザーがどのようなアクションをしているかなどが把握できます。自社の成果が上がらずに競合が成功している場合は、競合を参考にすることで、どのようなクリエイティブならエンゲージメントが高まるのかを研究し、改善しましょう。
facebook広告ライブラリについて詳しく知りたい方はこちら
5-4 広告文やクリエイティブを改善する
広告のクリック率(CTR)や表示回数が少ない場合は、魅力的な広告でない可能性があり、広告文やクリエイティブを改善した方が良い場合があります。広告文はユーザーの興味を惹ける文章、クリエイティブはインパクトがあることが大切です。バナーや広告文、Webサイトなどを最適化するために実施する「ABテスト」などを活用し、改善をしていくと費用対効果は高められます。
5-5 目的を明確にしてキャンペーンを選ぶ
費用対効果を高めるためには、ターゲットに対して、どのような目的で広告を掲載するかを決めるキャンペーンの設定が重要です。同じ広告やターゲットでも、キャンペーンが異なれば、結果や費用は異なるからです。Facebook広告では、以下のように目的に応じた11種類のキャンペーンを設定できます。
フェーズ |
キャンペーンの目的 |
Facebook広告の詳細 |
---|---|---|
認知 |
ブランドの認知度アップ |
ビジネス、ブランド、サービスへの認知度を高める |
リーチ |
できるだけ多くの利用者に広告を表示する |
|
検討 |
トラフィック |
Facebookから、自社のウェブサイトのランディングページ、 ブログ投稿、アプリなど指定したURLへと利用者を誘導する |
エンゲージメント |
投稿にエンゲージメントする可能性の高い利用者にリーチできる |
|
アプリのインストール |
自社アプリに誘導する |
|
動画の再生数アップ |
動画を視聴する可能性の高いFacebook利用者に、動画広告を配信する |
|
リード獲得 |
ニュースレターへの登録など、商品に興味を持った利用者から 情報を収集する広告を作成する |
|
メッセージ |
Messenger、Instagram Direct、WhatsAppで利用者とつながり、 ビジネスへの関心を促す |
|
コンバージョン |
コンバージョン |
ビジネスのサイト上で、利用者に特定のアクションを促す |
カタログ販売 |
Eコマースストアのカタログの商品を掲載して、売上を増やす |
|
来店数の増加 |
近隣の利用者に実店舗の所在地を宣伝し、来店数の増加を促す |
同じ予算でも、低価格で掲載しやすいキャンペーンなら、幅広いユーザーに広告を見てもらえるでしょう。高価格なキャンペーンでも、効果が出れば、売上アップや来店数の増加が見込めます。目的や戦略を明確にして、キャンペーンを選ぶことが大切です。
6.まとめ
Facebookの特徴や魅力をはじめ、配信の仕組み、課金方式、費用相場の目安を解説しました。これからFacebook広告を始めたい場合や、既に始めているけれど成果が上がらない場合は、費用対効果を高める5つのポイントを参考にしてみてください。

私たちは現在の自分に甘んじず、チャレンジをすることで、お客様にプロとしての価値を提供いたします。常に知識・技術をアップデートし、お客様の成長に貢献してまいります。
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